トヨタがパラオリンピック応援(だろうと思われる)キャンペーンをやっている。
「イチローが嫌いだ」というやつだ。
うーん、どうかなあ。
そもそも健常者アスリートのイチローが、限界を知らないすごい人間だから嫌いだ、という逆説的なメッセージがすんなり障害を抱えたアスリートに着地するだろうか?
障害者に対して「同じ人間だから」とつぶやかせるのは少々傲慢ではないだろうか。
つまり、障害を抱えながらも限界に挑戦しているはずのアスリートが、五体満足なイチローの努力を同じ天秤にかけて嫉妬するだろうか。
しかもその映像では、道無き道を大勢の人が歩いていつの間にか道になる、、と、まあ、つまりその道をクルマが走ってるんだ、と言いたいようにも思えるが、突然、その足元は義足だったり包帯だったりする。障害者たちは何に挑戦してきたと言いたいのだろうか?彼らによって道ができたのだろうか?そしてその道をパラオリンピックに出場するアスリートたちが走り、挙句に踊る。

What wows you.
というトヨタ全体のスローガンが全くこの内容とズレている違和感以上に、この偽善でもない何か、むず痒い違和感を感じざるを得ないロック評論家だった。