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イチローは本当に活躍したのか?

2016-06-26 17:03:15 テーマ:社会的無頼派のブログ
イチローという選手ほど特異希なる野球人はいない。その卓越した運動能力、アスリートを超えたストイックな性格。たゆまぬ努力。そして前人未到の記録。
でもどうして彼を見ると切ないのだろう?

彼がプロ野球に入団したとき、誰も注目していなかった。
オリックスという、おそらく12球団で最も地味なチームでその天才的な打撃テクニックで安打数を積み上げて、いつのまにか天才打者と一目置かれるようになる。が、まだ時代はホリエモンが一石を投じた球界改編によって、セ・リーグの裏方的存在だったパ・リーグが米国型のフランチャイズ(誰もその認識がないが)的要素を取り入れ、巨人の単独支配の凋落と共に、人気、実力ともにセ・リーグを凌ぐようになる前の話だ。

ヒットを打っても打っても、全国区にはなれない。オールスターで破天荒な仰木監督がピッチャーをやらせようとしたら、対する野村監督の顰蹙を買って断念せざるを得なかった。パ・リーグは目立たない存在でいなければならないのだ。

そんな彼が活路を見出した(本人はそうは思っていなかったかもしれないが)のが大リーグでの初の日本人スラッガーという「脚光」だった。しかし、か細い地味な日本人スラッガーを欲しがる球団は、任天堂オーナーだったシアトル・マリナーズしかなかった。シアトルはボーイング社のような軍産型の基幹産業だけではなく、近年、マイクロソフト、アマゾンなどのIT企業、はたまたスターバックスなど世界に名だたる優良企業の本社が居を構える大都市でありながら、その地理的なハンデによって、スポーツの世界では「地味」な場所だった。一番いい例がカレッジ・フットボールだ。70年代から80年代にかけて、ワシントン大学のハスキーズは西海岸では最強を誇っていた。アメリカの大学フットボールにはバスケのような全国大会がない。それぞれの地域のリーグの成績やリーグ自体のレベルなどによって、APの記者が投票で決める、という曖昧なランキングがある。大学フットボールの世界は、歴史的にアメリカ中部から南部にかけての大学が「名門」とされ、人気と実力を備えた有名な大学が数多く存在する。一方、ワシントン大学が属する太平洋リーグは東海岸や中西部のリーグに比べるとレベルを低く評価されてきた。そして、シアトル、という再西北に位置する飛び地のような場所。ワシントン大学は全米ナンバーワンの実力を持ちながら、ただの一度もAPのランキングで一位になることはなかった。

野球に話を戻そう。イチローが在籍していたシアトル・マリナーズの成績は低迷し続け、プレーオフ出場はたった一回。プレーオフ、別名、ポストシーズンに出場するか否かは、球団の存在感にとっては日本以上の意味を持つ。アメリカには野球以外にプロリーグが数多く存在し、ビッグビジネスとなっている。NFL. NBA. NHL。この三つに共通しているのは、冬場のスポーツだ、ということだ。MLBのみが夏場のスポーツである。実は、この季節はスポーツビジネスにとって非常に重要な要素である。アメリカ人は天気がよければ外に出て遊ぶ。4月から10月までサマータイムが導入され、夏には夜9時ぐらいまで明るい。せっかく外で遊べるのに、家で野球をテレビで観ようなんて思わない。私がアメリカに住んでいたとき、よく耳にしたものだ。野球場?あれはおじいちゃんが孫を連れていくところだ。実際、スポーツニュースで観るメジャーリーグの試合はヤンキース対レッドソックスのような対戦以外では外野はガラガラという状況が多い。では、野球は人気がないのか、ということになるのか?否、年間の長いレギュラー・シーズンが終わる頃、俄然野球が話題になるようになる。プレーオフが始まる頃だ。メジャーリーグにはナショナル・リーグとアメリカン・リーグにそれぞれ、東、中央、西地区があり、それぞれの首位のチームと、それ以外の2以下のチームで最も勝率の高いチームがワイルド・カードとしてプレーオフに進出する。各リーグで4チームがトーナメントで争い、決勝戦、すなわちワールドシリーズで激突する。

夏の間、アウトドアで遊んでいた潜在的野球ファンはポストシーズンになってにわかに野球に注目するのだ。そこで想像して欲しい。ヤンキースでもレッドソックスでも、シカゴカブスでも、クリーブランド・インディアンズでも、セントルイスでもない、シアトルという最西北端にポツンと位置するフランチャイズの、日本からやってきた地味なスラッガーの存在を。確かに彼の打撃センスはメジャーでも超一流。脚も早く、守備も素晴らしい。ライトからホームへの返球はレーザービームと呼ばれている。でも残念ながら、イチローは「全国区」になれる要素からことごとく距離を置かれていた。

彼の心情を物語る情景がある。第一回のWBCで日本が優勝をしたときのイチローのはしゃぎ様は異様だった。丁度、マリナーズのチームメイトの一部から、イチローはチームのためではなく自分の記録のために野球をやっている、と批判された頃だ。それまで個人記録で、しかも日本でしか報道されてこなかったイチローが初めてチームで優勝したのだ。

日本ではイチローのことを孤高のひと、とは殆ど言わない。しかし、彼のキャリアは日本においてもメジャーにおいても孤高だったと思う。比べるにはあまりに遠いが、同じように孤高だった野茂英雄と比べてみよう。彼もメジャーでは寡黙で(日本語でも)孤高だったが、ピッチャーとしての仕事は自然と目立った。あのトルネードと呼ばれが独特の投げ方。そして、急劇に墜ちるフォークボールで三振をとっていく。一投で27人の打者が空振りするというナイキのCMが、野茂が「一流」のアスリートとして認められていたことを物語っている。果たして、イチローが単独で米国のメジャーな商品のCMに起用されたことがあるだろうか?

これは性分だからどうしようもないが、本来ならピート・ローズの記録を更新した、と騒ぐ記者たちに対して、それは違うだろ。せっかく自分の記録を讃えてくれるのなら、メジャー3000本を達成するまで待ってくれ、と言い切るぐらいでいて欲しい。そういう発言こそが、アメリカ人が好むものだ。日本で報道されているほどアメリカではイチローの「ローズ越え」は歓迎されていない、否、無視されていると言ってもいい。それよりも、27才にしてメジャーデビューし、そこから3000本安打を達成し、しかも42才の今も現役、、。そういう美談の方がウケるのだ。

私が残念に思うのは、イチローは早いうちにシアトル・マリナーズと決別すべきだった。そして青木のように職人として必要とされる球団を渡り歩く。その中で必ず、プレーオフでの決定的な局面で歴史に残るプレーをする機会が訪れていたはずだ。
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