倒れてすぐ位の頃の、本当にヒドイ醜い顔と違って、
一年以上も経つと、
そこそこ顔面麻痺も良くなって、
自然に笑えるようになっていた
同室のまひろちゃんと、たわいもないことを話ながら、一緒にバラエティーを観ながら、笑う機会が多かった事も、
非常に良いリハビリだった。
それまで、一人鏡の前で笑う練習をしていたけれど、
楽しくないのに
自然な笑顔が出る訳がない
だから、一緒に笑ってくれたまひろちゃんには、すごく感謝している。
だけど、どうしても出来ないことがあった。
微笑む
と云うこと。
満面の笑顔ではなく、
ちょっとした挨拶なんかの時の
微笑み
いわゆる
愛想笑いってヤツが
できなかったのよー
口だけちょっと動いていて、
目は笑ってない
どころか、
ガン飛ばしてる
亀田きょーだいじゃないっちゅーの
帰宅したらマンションの人に挨拶することもあるだろう…
そんな時、ガン飛ばすのかアタシ
それと、人の話がつまらない時、
本当につまらない表情をしてしまう事
これ、ヤバいでしょう
大人なら大人の対応ってもんがあるのよアタシ
正直者すぎるってのも、時と場合によっては罪になるよね
だから、朝会う人に
おはようございまあすと言いながら、微笑む練習をしてた。
同じく入所していた人にはもちろん。
職員や、掃除のおじさんにまでしていたから、
アタシってば、
すごい礼儀正しい人みたいだったのよ
トイレに行けば手を洗いながら微笑んでるし、
完全にナルシストの怪しい人物だった
だけど、何事も信じてやってみるもんね
愛想笑いも笑顔のうち!(キッパリ)
そのうち出来るようになるのよ、これが。
だけど、どうしても
「美しい愛想笑い」
が出来ないこともあった
そんな時は、
あっ!私、心底この人が嫌いなんだなと、
割り切った
上手に笑えるようになると、
不思議なもんで、歳相応の洒落っ気も出てくる
私は一年以上ぶりにコンタクトを入れて、週末には化粧するようにした。
少しずつ少しずつ、元の私に戻す?ってか、
封印されていた普通の気持ち、
凍っていたいろんな気持ちが、
解凍されるよう
あぁ、何かじんわり楽しい
心がほわんとする
笑うって良いな
なるべく笑顔でいよう
きっとラッキーの神様も、
笑顔を目印に
幸運の種を蒔いてくれるよねっ!