ゆる農記『3』 拝啓、梅原真様 2024年1月号 | 迷子の大人たち 3

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~ニワトリノニワ 非公認ブログ~ 
テキトー経営者のエー加減農業日記(昔は) 最近 っぽくなくなってきた。意外とマヂメ?更生した?

人はなぜ生きるのか?

 

人生はよく山登りに例えられる。即ち先の問いは、人はなぜ歩くのか?と同質である。

 

元旦の朝、NHKの「超体感!四国 お遍路の旅」という番組を見ていた。その中で役者の卵が自分の人生このまま進むべきか、と悩み四国を歩いたら自分の中で何かが変わるかも知れないと遍路に来たという。

 

四国のちょうど半分、足摺岬に居た彼はまだ悩んでいるような顔に見えた。が、最後の88番札所大窪寺にたどり着いた彼の顔はサッパリした顔で、悩んでいるのを止めたと笑顔で話した。一歩一歩、歩いていれば目標にたどり着くことを学んだという。

 

そういうことじゃないかな。たとえそれが思っていた場所とは違っていたとしても。

 

 

さ、いつものヤツ。1/10に書いたものです。

 

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梅原デザイン事務所  梅原 真 様 

 

 明けましておめでとうございます。

 

今年は年賀状の代わりにこちらの手紙で代用させて頂きます。3、4年前から梅原さんからの年賀状が遅くなっていたので気にはなっていたのですが、ようやく意図を明確にしました。年賀状のやり取りを止めようとしているのですね。

 

うちももう5年以上前からお客様への年賀状を止め、友人・知人だけにしておりました。今年からはそれも止め来たものにだけ送るようにしました。確かに形だけの挨拶なんて無意味ですよね。

 

思えば大人になるまで年賀状のやり取りなんて滅多にしませんでした。まず友人がいない。友人同士で年始の挨拶を交わす?そもそも友人の定義がよく分からない。心の底から本心を話したことなんて小学生の頃からないし、理解してもらえるとは思わなかった。小難しいヤツだったんです。

 

従ってクラスメイトが無邪気に年賀状のやり取りをしているのを横目にそんなことに何の意味があるのだ?と冷めておりました。それに比べ兄妹らはそういうことに深い考えを持っていなかったらしく(?)毎年何十枚と年賀状が届いていたので正月は何となく意に反して劣等感みたいなものを感じていたように思います。しかし彼らは親しい友人が何十人と居たのでしょうか?

 

そもそも親しい友人とは何でしょうか?最近この手紙の時にしか見なくなったChatGPT先生に尋ねてみました。答えは、○信頼関係があること、○共感でき理解しあえること、○率直なコミュニケーションが取れること、○興味や価値観が共有できること、○良い時も悪い時も支えあえること、○プライバシーが守れるよう適度な距離感があること、だそうです。

 

そんなのどんな人にも部分的には当てはまるが、常に全てのことに関して当てはまることなんてないでしょう。人は生まれた環境、育った環境、そして時代がそれぞれ異なるのです。そんな人間同士が全てのことに関して共感できるなんてのは思い過ごしでしかありません。兄妹ですら難しい。

 

そんな閉鎖的な私が32歳の離婚を機に深く傷つき、落ち込み、これまでの人生を深く反省し生まれ変わることにしました。この頃から部分的にでも共感できれば友達。人類は遺伝子の99.9%を共有しているのだから皆家族みたいなもの、という広い心を持てるようになり人見知りする人生が初対面でもすぐに仲良くなれる人間性に変わることができたのです。

 

さて本題です。

 

唐突ですが重大発表があります。実は農場閉鎖します。5月頃です。元々ここは借地で10年前に借地期間を10年と定めて借りた土地です。このため将来に渡る安定な計画を立てるために土地の所有を当初から考え、移転先の土地を四万十市近辺で交友関係を広げながらずっと探していたのです。しかし良さそうな土地があっても高額過ぎたり相続が不明で売買できなかったりと条件に合う土地を見つけることができませんでした。

 

そんな折からのタイミングで原因不明で産卵率が低下し続けるという経営危機が訪れ、これ以上この地で営業を続けて行くのは困難、急いで移転の地を見つけねば、という事態に。そこでついに意を決して地元以外、例えば取りあえず四国全体で探してみようと。

 

ネットで探し始めてすぐにある地域で不動産屋が農地の売買に積極的なことが分かりました。ネットに農地物件がたくさん出ていたのです。早速連絡を取り行ったり来たりすることたったの3ヶ月で理想的な土地が見つかりました。移転先はなんと・・・

 

ここ四万十での営業は5月頃で終了するため現在終活中という訳です。このため、卵ラベルのデザイン料として梅原さんが死ぬまで毎日一個の卵をお送りする、という約束ですが誠に勝手ながら今回を以って一旦中止させてください。そして新天地、徳島の地でまた1から一人でコンコン、カンカン、小屋を建てたり柵を作ったりと来年2025年の春からの再スタートを目指します。

 

そこで問題があります。

 

あのラベルにはしっかり、「しまんと河口」の文字が入っているので新天地では使えません。新しいラベルをまた梅原さんにお願いしたいのですが移転でお金を使ってしまうためまともなデザイン料を払える見込がありません。また貧乏に逆戻りです。もし宜しければ”今度こそ”梅原さんがお亡くなりになるまで卵を送り続けますので、そんなユルイ条件でやっては頂けませんでしょうか。 エエ、もちろん梅原さんのご長命を毎日適度にお祈りしますんで。

 

と、虫のいいお願いをしておりますがそれはさておき。

 

何の身寄りもない四万十市に2010年の夏に来てからもう14年間。ChatGPTの条件に全て当てはまる親しい友人には出会えなかったのですが冗談を言い、悩みを相談できる、世代を越えた友人ならざっと数えて50人以上はできました。しかし、また知人も居ない新たな土地でゼロからのスタートです。

 

不安がない訳ではありません。が、前職コンビニSVを脱サラする時に福井県のとある担当店の70代のオーナーさんが涙で別れを惜しんでくれ、「あんたのキャラクターならどこへ行っても必ず成功する」とお墨付きをくれました。その、言葉が。心の奥でいつも光っており、まるでお守りのように私の歩みを支えてくれるのです。

 

しかし何より15年前。2008年の夏、お遍路で四国を隅々まで歩いているのでどこに行っても見知らぬ土地だとは思えないのです。移転先も四国霊場8番・9番・10番札所のほど近くにあります。発心の阿波は遍路を始めてまもなくの心細い頃たくさんのお接待で後押ししてくれた地です。この地では四国に来た目的である恩返しのため、いよいよ歩き遍路用の無料接待宿の開始なんかを目指します。

 

今後とも温かく見守って頂ければ幸いです。ひとまず12年間有り難うございました。またご連絡致します。

 

南無大師遍照金剛

 

 

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