暖かな色が 今では寂しい色を映している。
「どうした」
「色が変化するから」
後ろから尋ねてきた将臣に咲弥は薄く笑みを零し
再び広がる光景に目を移した。
「・・・俺がこの世界に飛ばされて3年だな・・」
「将臣が3年なら私も同じね」
上目遣いで将臣を見上げ、ふふ・・と口元に手を当てて笑い、告げた。
「ここは、俺の知っている場所じゃない。だが」
言葉を区切り、ふと遠くで聞こえる笑う人々を柔らかい微笑で見つめる。
「守りたい場所なんだ」
少し伸びた髪が、冷たい風に辺りさらりとなびく。
「・・・いいのではないの?」
「咲弥・・・?」
「大切なことだわ」
互いに見つめあい笑みを交わすと
自分たちを呼ぶ声に気がつくと、肩をすくめ歩き始める。
「いまさら、放って置くことなんてできないわ。貴方は還内府。私は軍師だもの」
さぁ・・。と手を差し伸べられる。
咲弥の姿は太陽を背に受けすごく輝いていて思わず片手で顔を覆う。
「将臣。行きましょう」
「―――だな」
にやりと笑い、差し伸べられた手を引き寄せ咲弥を引き寄せた。
「お前は本当にすごいやつだよ」
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あとがき
初めに考えていたお話とずいぶん違う内容になってしまった・・。