幾山河―瀬島龍三回想録 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

本書は戦中は大本営参謀として、戦後は

 

11年間もの歳月をシベリアで抑留された後

 

帰国し、伊藤忠商事に奉職。

 

取締役会長まで上り詰めた後に政界に転身し、

 

10年の行政改革等の仕事を務めた瀬島龍三氏の

 

回顧録です。

 

 

 

 

 

本書は戦中は大本営参謀として軍事作戦の立案や

 

運用に携わり、戦後は11年間もの歳月をシベリアで

 

抑留された後帰国。伊藤忠商事に奉職し、元大本営

 

参謀としての能力をビジネスの方面で存分に発揮

 

してついには取締役会長をも務めた23年を経て政界に

 

転身。

 

10年の行政改革等の仕事を務めた瀬島龍三氏の

 

回顧録です。

僕が本書を読んでいたのはちょうど国民作家・

 

山崎豊子さんの作品をむさぼり読んでいた時期であり、

 

『不毛地帯』(新潮文庫ほか)の主人公である壹岐正。

 

『沈まぬ太陽』の登場人物である龍崎一清がそれぞれ、

 

伊藤忠商事と政界に転身したころの瀬島龍三が

 

ベースとなっているようです(山崎豊子自身は

 

それぞれについて瀬島そのものではなく、あくまでも

 

モデルの一人であるとして否定している)。

非常にすっきりとした読みやすい文体で自らの

 

辿った壮絶な「来し方」を綴っておられ、元大本営

 

参謀としての「ルーツ」なのか、自分がメインで主役を

 

張ることはなく、あくまでも「影」として「黒子役」に徹し、

 

自らの手腕を存分に発揮していたのだなと、ページを

 

めくりながらそのような感想を持ちました。

僕は山崎豊子作品の『補助資料』として読みましたが、

 

戦前・戦中・戦後を生きた人間の記録としても

 

面白かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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