月とにほんご 中国嫁日本語学校日記 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

ある日40歳オタク男のもとにある日やってきた

 

20代の中国のお嫁さん、「月(ゆえ)」。彼女が

 

『日本語学校に通いたい』

 

と願い出たときから物語は始まった。

 

彼女達と日本語にまつわるお話が秀逸で

 

ありました。

 

 

 

 

 

本書は書き下ろしなんだそうです。

 

『中国嫁日記』のヒロインである月(ゆえ)さんは


「日本語学校に通いたい。」


といったところから物語はスタートします。

授業料の高さに躊躇するも『取材費』と割り切って

 

ゴーサインを出す筆者こと『ジンサン』しかし、そこに

 

集う留学生は中国や韓国からやってくる人が大半で、

 

彼ら彼女らはその全員が主人公ではないかと

 

錯覚するような大変個性の強い人々ばかりで、

 

とても面白く読めました。

合間合間にはさまれている日本語に関する知識にも


「なるほど。そういうことだったのか!」


と何度も驚かされることがあり、普段何気なく使っている

 

言葉にもこういった成り立ちや意味があるのかと

 

思ってしまいました。

さらに、ATOK開発にもかかわった筑波大学教授

 

(日本語学)矢澤真人氏の執筆するコラムや、彼と

 

ジンサン&月が対談する回も見ごたえのあるものでした。

 

日本で使われている漢字と中国で使われている

 

漢字の『意味』の違い。

 

これに戸惑う月さんの『魂』の叫びは大学受験で

 

漢文をやっていた僕の叫びにも通じるものがあって、

 

そんなことを思い返しておりました。

そして東日本大震災を経て、彼らとの別れ…。

 

せつないラストで余韻を残しつつ、本書は幕を閉じるの

 

ですが、一つの日中比較文化の書として、

 

また、国際交流の書としても読め、多様な解釈のできる

 

マンガであると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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