無銭横町 (文春文庫) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。
- 芥川賞作家、西村賢太先生によるデビュー10年を
-
- 迎えた短篇集です。田中英光の作に出会い、耽溺
-
- していく19歳から20歳にかけての日々。
-
- 不払いの家賃をため、家主とのやり取りを私小説へと
-
- 昇華させていきます。
- 本書は
『無頼の芥川賞作家』
の称号をほしいままにする西村賢太先生による短編集です。
-
- もはや「怨念」に近い言葉の選び方やストーリの組み立て方。
-
- 合間合間に挟まれる「笑い」の要素までもが「円熟」の域に
-
- 達しており、今回も愉しませていただきました。
ここでは6つ短篇小説が収録されており、内容は自らの
-
- 人生から搾り出すような赤裸々な「私小説」であり、
-
- 田中英光の作に出会い、耽溺していく19歳から20歳にかけての
-
- 日々。不払いの家賃をため、家主とのやり取りを繰り広げ、
-
- 母親に金をせびるために「帰郷」しては罵声を浴びせ、暴力を振るい、
-
- 『秋恵もの』では「お約束」の罵声に暴力は露骨な形では
-
- 出なかったものの、「その後」の不穏な展開を会話や
-
- 微妙なやり取りで魅せてくれるのです。
そして、表紙の絵を手がけるのは今回も画家、信濃八太郎氏に
-
- よるもので、僕自身も実際に見たことのあるようなうらぶれた
-
- 風景を深みのある黒を貴重とした版画で仕上げているのを
-
- 見ると、素晴らしい仕事をされているなと毎度のことながら
-
- 深い感動を覚えるのです。
僕は西村作品を全て読んでおりますが、おそらくその
-
- 理由は既に幾度も書いていることを承知で言えば、
-
- 自分の持っている『ダークサイド』の部分を彼の小説に
-
- 担ってもらっているからなのかもしれません。
-
←1クリックお願いします。
![](https://ln.ameba.jp/v2/ra/zBymKrvv?qat=view&qv=1-66-0&qpi=article_blog-entry&qr=&entry_id=%2212011844916%22&blogger_ameba_id=%22magokorowo-bokuni%22)
![](//sy.ameblo.jp/sync/?org=sy.ameblo.jp&initial=1)