西村賢太対話集 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

内容(「BOOK」データベースより)

私小説への偏愛。創作の舞台裏。女性観。

慊い生き方について―。『苦役列車』での

芥川賞受賞から一年、先達に

心情を吐露した貴重な対話9篇を収録。



実は、この本で西村賢太氏の作品に


初めて僕は触れました。いわゆる「対談本」であり


純粋な「小説」ではないのですが、芥川賞をとった時に


「風俗発言」が物議をかもし、無頼な人なのかなぁと


思っていましたがところがどっこい、小説に関しては


とても真摯に考えている方であったというのが読後の


印象でありました。僕はまったくその辺のことはわかりませんが、


過去に雑誌や新聞紙上で対談したものを


ひとつにまとめて収録しているらしく、構成順は


町田康氏、島田雅彦氏と朝吹真理子氏、高橋三千綱氏、


坪内祐三氏、石原慎太郎氏、朝吹真理子氏との二人で、


さらにはノンフィクション作家で個人的には最近好きになった


上原善広氏、坪内祐三氏、高田文夫氏の順番でありました。


また、対談上では氏がローマ字を全く書けないところや、町田康氏との


「血便」話。石原慎太郎氏との意気投合したときの雰囲気や、


「美女と野獣」と報道されたもう一人の芥川賞受賞作家である


朝吹真理子氏とのちぐはぐさが面白かったです。筆者は「私小説」を


メインに書く作家だそうですのでここで話されている数々の「香ばしい」


エピソードがどのように文学として「昇華」されているのか?


久しぶりに純文学系の作家で「これは!」という方が出てきたのかも


知れないと思っております。



西村賢太対話集/西村 賢太

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