内容(「BOOK」データベースより)
私小説への偏愛。創作の舞台裏。女性観。
- 慊い生き方について―。『苦役列車』での
- 芥川賞受賞から一年、先達に
- 心情を吐露した貴重な対話9篇を収録。
実は、この本で西村賢太氏の作品に
初めて僕は触れました。いわゆる「対談本」であり
純粋な「小説」ではないのですが、芥川賞をとった時に
「風俗発言」が物議をかもし、無頼な人なのかなぁと
思っていましたがところがどっこい、小説に関しては
とても真摯に考えている方であったというのが読後の
印象でありました。僕はまったくその辺のことはわかりませんが、
過去に雑誌や新聞紙上で対談したものを
ひとつにまとめて収録しているらしく、構成順は
町田康氏、島田雅彦氏と朝吹真理子氏、高橋三千綱氏、
坪内祐三氏、石原慎太郎氏、朝吹真理子氏との二人で、
さらにはノンフィクション作家で個人的には最近好きになった
上原善広氏、坪内祐三氏、高田文夫氏の順番でありました。
また、対談上では氏がローマ字を全く書けないところや、町田康氏との
「血便」話。石原慎太郎氏との意気投合したときの雰囲気や、
「美女と野獣」と報道されたもう一人の芥川賞受賞作家である
朝吹真理子氏とのちぐはぐさが面白かったです。筆者は「私小説」を
メインに書く作家だそうですのでここで話されている数々の「香ばしい」
エピソードがどのように文学として「昇華」されているのか?
久しぶりに純文学系の作家で「これは!」という方が出てきたのかも
知れないと思っております。
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