帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ (oneテーマ21) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

内容(「BOOK」データベースより)

現下、世界は新・帝国主義体制である!米露中はじめ、

経済では保護主義的傾向が増し、権益のブロック化が志向される。

では、国家機能を強化するにはどうすれば良いのか?

我々は、厳しいこの世界をどう生きればよいのか?―

“現場で腕をふるえる知識人”となる道を示す。



現在、筆者の論調が非常に面白く思います。


筆者言うところの『帝国主義化』する世界で


どう生きていけばいいのか?それをインテリジェンスの力で


読み解いていくというのが本書の趣旨かと思われます。


本書の構成は理論編と実践編の二つに分かれていて、


前半部の理論編ではマルクス理論とその流れを受け継ぐ


宇野経済学とその批判する論調を引用して現在の世界を語るの


ですが、第Ⅰ部では10章分の内容でかなりこれが難しいのですが


『純粋な資本主義』という世界でなされる様相がまさにマルクスの


とく世界の様子とそっくりでまさに『歴史は繰り返す』ということが


労働者階級の食糧事情に関する文献が引き合いだされ、


利益を追求するがゆえに安全を無視した様子になっていくことが


『毒入りギョーザ』の事件を紹介しているか所が印象に残っております。


で、第Ⅱ部から展開される実践編。ここからが作者得意のインテリジェンスを


駆使した内容で世相を切っていくのですが、やはり俄然面白くなってきます。


世にはびこっているニヒリズムの分析をアドルフ・ヒトラーの『わが闘争』に


記されていることがまさに現在でもなんら古びていないことだったり、


沖縄の問題がこれ以上進んでいけば国家統合の危機ということで沖縄が


分離・独立することを憂い、誠司とマスメディアとの関係ではマスメディアは


『与党総会屋』として動いているのだ。という箇所は実際に権力の中枢を


見ていた筆者だけに正鵠を射た表現だなと


いつものことながら感じ入ってしまいました。


他にも、松本龍元大臣の失言問題から松本氏の


『思想』に関する問題を読み解く場面も面白かったです。


プーチン氏がロシアの大統領に返り咲き、世界各国が『帝国主義』の


考えて動いていく中で、どこに軸を置けばいいのか?


この本はそのことについて非常に示唆に


富んでいるものであると思っております。



帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ (oneテーマ21)/佐藤 優
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