コウライト | 伊藤涼の音楽

コウライト

8月22日に発売された乃木坂46の「走れ!Bicycle」

伊藤涼の音楽

1st「ぐるぐるカーテン」、2nd「おいでシャンプー」からさらに売り上げをあげて初動で18万となかなか好調みたいなんだけど。実は私こと伊藤涼、この作曲に参加しています。


クレジットをみてもらえば分かるけど共作です、しかも4人で共作。なにこれ?4人でなにすんの?と思う人もいるでしょう。


約8年前、初めて仕事でスウェーデンにいったときにみた光景。それは3人のクリエータが小さなスタジオで曲作りをしている。ひとりは楽器をもち、ひとりはコンピューターのキーボードをたたき、ひとりは歌を歌う、そしてあーだこーだアイデアを出しながら曲は形を成していく。まーいってみればトラック・メイカーが参加したジャムセッション、作曲から作詞・プロダクションまでをひとつの工場で分業化したスタイル。


もちろん日本だって分業化はする。作曲の先生が曲をかいて、ディレクターがそれを作詞の先生とアレンジャーの先生の所にもっていき、それらが完成すると最後はスタジオでミュージシャンを呼んでレコーディングする。


どちらもレコード会社が発注者なんだけど、納品のスタイルが大きく違う。言ってみればスウェーデンはクリエーターたちが飛行機をつくりすでに飛ぶ状態のものを航空会社に売り込むに対し、日本はクリエーターたちはどんなものを作るのかわからずネジを作っている。すこし大げさな比喩だけどこんな感じ、どちらが良いとか悪いとかではなく一長一短だ。


ただ今の日本のクリエーターたちはレコード会社の意見に依存しすぎる傾向がある。クライアント様が喜んでくれないと仕事にならないから言われるがままになるとイマジネーションは必要なくなり、クリエイティビティーは死滅する。レコード会社は自分たちでは作れないから外部発注するにもかかわらず、クリエーターに自由はないとくれば、もう飛行機は飛ばないのでは?


そこでスウェーデンの良いところと日本の良いところを組み合わせた曲作りを考えたのがコウライト。クリエーターがあつまりアクティブ(能動的)なジャムセッション・スタイルで曲つくりをする。そこにはディレクターもトレーダーも参加して方向性を確認しながら目的意識を持つ。良いプロダクションをつくり、レコード会社にプレゼンする。ここでもコンペに参加するなどのパッシブなレコード会社との付き合いではなく、あくまでもアクティブなることでクライアントの言うがままにならない体質保持をする!


と言うのは簡単だが、これが実践するとなるとムズイ。だってやっぱり使われなければ仕事にならないし、あまり生意気を言えば嫌われる。そこで頑張らばないといけないのがディレクターとトレーダー、ここが機能しないと日本では結果を出すことも持続することも難しい。オレがコウライトをセッティングするときの立ち位置はディレクター、トレーダー、作詞であることが多いから責任重大。もちろんほかのメンバーがフォローし合って士気を高め合えるのが良いコウライター。


今回の「走れ!Bicycle」はそのコウライター達でだした結果!!これからも良いコウライトを立てて良い曲を世の中に送りだしていきたい。もし伊藤涼と一緒にコウライトしたいというクリエーターがいたら、ツイッターでもフェイスブックでもここでも良いんでアクセスしてくださいww