こんにちは、M&A会計士の澤村です。


昨日に続いて、カネボウネタ。



本件の鑑定料がボッタクリじゃないかと批判があるようですが、


うちあわせやら、鑑定提出後の対応やらを見ていると、一年近く引っ張りまわされた揚句、こうやって、結果が開示されて、原告、相手方双方から、ボロクソに言われることを考えると、同業者として、


そんくらいもらわな、やってられんよな~


と、同情してしまいますね。


投資銀行とか、大手監査法人とかだと、たぶん、引き受けないですね。

個人だったら、ちょっと考える?

少々の批判にはめげずに、訴訟用の評価に特化するというのも、ありかもしれません。



いろいろ突っ込み所のある評価書ですけど、裁判の中で突っ込みまくられていて、なんか、かわいそうなので、本ブログでとやかくいうのは、やめておきます。別に、担当者と面識があるとか、そういうわけじゃないのですが・・・。

まあ、同じ結論にもっていくのに、私だったら、あのロジックじゃなくて、こっちでこうするけど・・・。みたいなのは、ありますが、どんなに美しいロジックでも、結果に納得しない人からみると、ボロクソに突っ込んでくるわけで・・・。


でも、まあ、本来そうやって、双方出張しあっているうちに、落とし所の数字につながるっていうのが、M&Aの価格交渉であるわけなんですよね。絶対的な評価なんてものがあるんだったら、価格交渉なんていらないし、株式市場で株価が変動するということもないわけで・・・。

で、交渉しきれなかったときの最終手段として裁判があるわけで、今回の判決も、何もそれが絶対的な価格というわけじゃなくて、落とし所の数字を裁判所が出したというのに過ぎないと思います。

結局、市場での最終価格になっちゃってますしね。