こんにちは、M&A会計士の澤村です。
先日に続いて、DCFにおける非公開ディスカウントについて
先日書きましたとおり、DCF結果に非流動ディスカウントを乗じるのはおかしいけど、自己資本コストで考慮すべきと書きましたけど、じゃあ、他人資本コストはどーすんだという点について。
他人資本だから流動性の有無は関係ないだろとも言えるのですが、実はこれ、真剣に考えると難しい問題を含んでいます。
他人資本コストの計算って、皆さん、どうされていますか?
単純に実績の支払利息を借入金残高で割って計算?
よくみるパターンはこれなんですが、実はこれは、あまりにも考えなしの方法です。
リスクフリーレートよりも低い金利になってしまって、それを平気で使っているようなパターンを時々みかけるのですが、これはあまりにまずい。
何故まずいかは、DCFの特徴を考えてみればわかることなので、省略(冷たい?)
じゃあ、長期金利の実績レートだけで計算すればいいのか?(あっ、答え言ってる)
これも実は微妙な問題を含んでおります。
長期レートがその評価対象のリスクを反映した適切なレートならばいいのですが、
非上場会社の借入金金利なんてものは、まず担保ありきの世界があって、担保余力だとか保証人の資産力とか、はたまた、他の金融機関の動向とか、事業リスクとは関係ないところで決まっている部分が多分にありまして、そのまま使っていいのかというと、かなり悩ましいわけです。
上場会社だったら、格付けってものがあるので、その格付けに従った、無担保社債の調達金利ってのをベースに考えればいいのですが、非上場だとそうもいかない。
というわけで、実は真剣に考えると非上場会社の他人資本コストってのも難しい問題を含んでおります。