大阪で弁護士として活躍されている山口先生の有名なブログ「ビジネス法務の部屋」
でご紹介いただいたお陰でこのところアクセス数が急増しております。
こうなると今までみたいに「今日のランチ」だとか、「パンケーキの作り方」みたいブログを書いていては、いかんなあと思ったりしておりますが、こっそり「北摂おすすめパン屋さん特集」なんぞも考えたりしております(^^ゞ
さて、「ビジネス法務の部屋」で取り上げていただいたMBO等における株式価値算定書の開示の件、せっかくなのでもう少し
各社算定書が具体的にどこまで開示しているかについて
正直言いまして、算定をやっていた立場の人間としては、やはりあんまり細かいところまで開示はしたくないものです。
特にDCFでは、株式投資リスクプレミアムは何%がいいかとか、将来成長率は何%がいいかなんて部分は神学論争になってしまいますからね・・・。
株式価値算定書の開示事例で、割引率を開示しているところでも、割引率の基礎となるリスクフリーレートや株式投資リスクプレミアム、βといった詳細な計算過程は開示されていませんし、事業価値の算定で一番インパクトの大きいターミナルバリューの計算方法なども開示していません。
一方、類似会社比較法は、類似会社名のみならず、比較した倍率(やはりEBITDAとPERが多いですね)など各社結構詳しく開示しています。誰がやってもそんなに差がでないので詳しく開示してもあまり抵抗感がないからなのでしょうね。
市場株価平均法なんかは、何ヶ月平均がいいかというのも神学論争になりかねないので、1ヶ月平均だといくら、3ヶ月平均だといくら半年平均だといくらと幅で出しているそのまま開示している例が多いです。
時価純資産は採用している例とまったく採用していない例にわかれています。
個人的には、基本的にDCF>時価純資産なら採用しなくていいと考えていますが、その逆で、かつMBOの場合は、微妙な問題があると思います。ダヴィンチのカウンターが入ったTOCのMBOの件なんかは、この問題が背景にあるようですから。
どの算定手法を使用するかは案件ごとの事情があるのでしょうが、採否の理由の開示はあったほうがわかりやすいでしょうね。