夜の夢想家 | Texas Rose Cafe

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Night Dreamer/Wayne Shorter

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ウェイン・ショーターのブルー・ノート1作目となるのが1964年録音の本作「ナイト・ドリーマー」です。本作はジャズメッセンジャーズの同僚リー・モーガン(tp)とコルトレーン・クインテットのリズム隊であるマッコイ・タイナー(p)エルビン・ジョーンズ(ds)レジー・ワークマン(b)を迎えて録音されています。本作以降1970年までの間に彼は自らのリーダー作以外にも数多くの録音をブルー・ノートに残すことになりますが、初リーダー作ですでに新主流派の頂点にいることを証明しています。

その頃英国では「スインギング・ロンドン」と言われるムーブメントの真っ只中であり、アメリカでも第1次ブリティッシュ・インヴェイジョンという現象がティーン・エイジャーの心を掴んでいた時代です。このイギリス発の文化や音楽はジャズ界にも何らかの影響をもたらしたに違いありません。この時代にリアルタイムでロックやジャズを体感できた人をとても羨ましく思いますが、レコードに費やすお金はいくらあっても足りなかっただろうなと余計な心配までしてしまいます。

さて本作の録音後、マイルス・デイビス・クインテットに参加するチャンスを得た彼は徐々にモダン・テナー奏者の枠組みには納まらなくなっていきます。1970年になると新たな高みを目指してウェザーリポートを結成することになるのです。今回はバンド・サウンドに演奏の軸を移す70年代を予感させる「オリエンタル・フォーク・ソング」を聴いてみて下さい。この曲はもともと中国の唄をウェイン・ショーターが編曲した曲です。デレク・トラックスの「ソウル・セレナーデ」の中でも聴くことができますよ。





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