ブログネタのテーマを物語風にした
ブログネタショートストーリーです
今回のテーマは
「出逢いかしら？」 作：macoto
「やばぃ～遅刻しちゃうよ～
」
あたしはボサボサな頭に
食パン咥えたまま玄関を飛び出した
ま、いつものことだけど（笑）
でもこの朝は特別な朝になるなんて
このときは思いもせずに
寝ぼけまなこで走りだした
あたしは美園（みその）
ちょっと大人に憧れる中学３年生
超低血圧だから毎朝遅刻ギリギリ
こんな朝は近道の裏路地を
ショートカットするに限るね
あの角を曲がるともう学校
…と思った瞬間
「あぶねっ…」
目の前を何かがよぎったと思うと
あたしの頬をかすめて
黄色い自転車が飛んで行った
そのまま電柱へと激突するのを
肩をすくめて思わず目をつぶった
…ガッシャ～ン！！！
「痛てて…きみ大丈夫？」
スーツ姿でメガネを斜めにして
ひっくり返ってるこのさわやか青年は
飛び出したあたしが悪いのにもかかわらず
真っ先にあたしの心配をしてる
「あ、あの…すいません！
あたしは大丈夫ですけど…だい」
大丈夫ですか？と聞くのを遮って
「あ～！遅刻だぁ～！
ぶつからなくてよかったよ＾＾ じゃ！」
慌ててひっくり返った自転車を起こすと
飛び乗って去って行ってしまった…
あたしよりあの人の方が大丈夫じゃないよぉ…
額から血出してたし…
「おっと、あたしも遅刻しそうだったんだ！？」
慌ててチャイムが鳴る直前に正門をくぐり抜けた
「セーフ！」
なんとか今日もギリギリセーフのポーズを取って
生活指導の先生を横目に校舎へ入った
なんだか教室の空気がざわついてる
「今日なんかあるの？」
隣の男子に聞くと教育実習生が来る日だそうだ
担任のつるてん先生の後ろには
頭に包帯を巻いた今朝のさわやか青年が居た！
「みなさん、はじめま…あっ」
あたしと目があった途端に言葉に詰まって
慌てて我を取り戻したさわやか青年…先生か（笑）
「あの、今日からみなさんと一緒に勉強させてもらう
福山尚樹です。よろしくお願いします。」
自分のことより先に相手を気遣うあなたと
出逢った運命の朝
この出逢いから生まれた二人の物語は
始まったばかりだった…
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