こんな本を読みました。

ハラルト・ギルバース/酒寄進一訳
ゲルマニア
集英社文庫

やっぱり、私が自分で選ぶジャンルではありません。翻訳講座の課題図書でした。(^^;

時は1944年5月7日から6月25日。そう、ドイツはナチス政権下の第二次世界大戦のさなかです。
こうして書いてみると、わずか2か月足らずのことですが、細かい描写で語られているので、思わず世界に入り込んでしまいます。

小説としては、連続殺人事件としてのミステリが中心に来るわけですが、ナチスのことや戦争のことが描かれていて、そちらにばかり気が取られます。何となく戦争物の小説や映画は避けてしまいがちなので、こうした内容は初めて目にするものばかりでした。

しかも、ナチス親衛隊から依頼を受けて、当時迫害されていたユダヤ人である元刑事が活躍する、というのも痛快。でも、圧力も受ける。。。という実際にあり得そうな展開に、ハラハラドキドキしながら読んでいたのでした。

もうひとつ、自分の目で碑を見てきたことのある、ノルマンディーの上陸作戦が出てきたのも、あの冷たい海を思い出してしみじみしました。
#海岸に行った日に雨が降っていて、9月でも十分寒かったのです。


ゲルマニア (集英社文庫)