昨日は、こんなセミナーに参加しました。

タイトル: バンガードキャンパスツアー報告会
日時: 2012年12月9日(日)13:30~15:45
場所: 東京都港区 style MINAMIAOYAMA(スタイル南青山)

先日参加した、こちらのセミナーともダブるところがありますが。。。
私は全部見ていないので、改めて。

とはいえ、先ほど友人と話していて、セミナーの内容をすべて書いてしまうのは、営業妨害じゃないか、との突っ込みを受けましたので、少々控えめに。。。
書き始めると勢いが止まらなくなる可能性もありますが。(^^;

最初は、I-Oウェルス・アドバイザーズの岡本さんの講演。
タイトルは、「資産運用革命とインデックス運用が果たす役割」。
この後のトークセッションなどで、バンガードについてはたくさん語られるだろう、ということで、時代背景などを説明してくださいました。

1950年頃に、ペンション・ドライブと言って、企業年金がどんどんできたこと。各企業が多くの人材を採用するために。株で投資をしていた。そして人がどんどん増え、活況となったが、1965年のベトナム戦争の激化などに伴いボックス相場。それを抜け出したのが、1980年頃。70年代前半の制度がようやく浸透してきたため。そこから、現在を除いて、上昇相場となっている。

その間に起こったのは、運用手法の変化。OBリーグと言われる、知っている人に依頼するだけのバランス型の時代。日本でいえば、系列での運用ということ。それぞれの相場観で運用するため、無駄が多く、全体としての管理もできない。それではつまらないということで、特化型運用へ。これが'80年代後半。インデックスで運用することは、インデックス・マネージャにお任せして、他は特色のあるものを運用する。アセットアロケーションを戦略的に組み合わせるのも、特価型。そして、もっと単純な、コア・サテライト型へ。コア・ポートフォリオを作り、これを1社で運用する。インデックスであるため、学が大きくなればなるほど、コストは小さくなる。変更をしたい時は、ここへ連絡すればよい。他にサテライトとして、特化型をいくつか持つが、これが大きくなったとしても、いじらない。

インデックス運用についても進化している。もともと、インデックスとは最善の予測を受け入れるということ。だから、パッシブ。しかし、全世界の指数というものはない。代表として米国のS&P500を代表とする。その内、他国の物も、となり発展。
最初は資産クラスから。株式・債券・短期金融資産・商品・不動産などからインデックス指数が生まれている。そして、グローバル化。マーケットの中を切り刻んで、スタイルやサイズ、セクターに。その切り刻んだものを組み合わせることによって、アクティブ化することが可能となる。元がインデックスであるため、コストも安くすむ。そして、最後に証券貸付なども。

BGIのように機関投資家向けであっても、バンガードのように個人向けであっても、激烈の争いをしている中でも、それぞれの考えが浸透している。その結果、完全顧客目線となっている。どっちがお客の役に立つか、と。儲けは付いてくるものである。

通常は、利益が出ると親会社に配当金等で、持っていかれる。バンガードはそれを行わないように、ファンドがバンガードを保有することとなっている。そのため、利害対立がなくなる。また、BGIについても、もともとウェルスファーゴ銀行であったが、グローバルに展開するため、日本の日興のパートナーを得た。しかし、日本は不況に入り、親をバークレイズに入れ替えている。

徹底的にコストを下げ、聖域はない。グローバルの分散、資産お分散、銘柄の分散を行う。
その意味で、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドには、潜在的なニーズがあるのではないか。
#もちろん、ここで褒めたからと言って、岡本さんに特典はないそうです。

ここで休憩の後、トークセッション。(敬称略)

中野: 日本に改めて、バンガードの良さを、と特別に縁の深い10人で訪れた。たったの2日だったが、とても濃厚だった。彼ら自身の中身、ノウハウと言えるものを教えてもらった。大事にしているものを細やかに話してくれた。
斎藤: 確定拠出年金教育機構。確定拠出年金については、2001年に日本に導入された。バンガードも確定拠出年金で残高を伸ばした、ということ参加。お客様第一主義であり、それは説明や言葉にも首尾一貫していた。
中野: 強欲資本主義と言われる米国。ウォールストリートと、フィラデルフィアはまったく違う。
加藤: 特に自分が10人を選んだわけではなく、今まで見てみたいと言われていた方の中で、都合のついた方10人。特にバンガードから旅費等を出したわけではなく、ありがたいことにそれぞれ自己負担。ウォールストリートとは無縁。株式を売ったり買ったりするのと、バンガードのような運用する方は違う。年金も違う。セル・サイド、バイ・サイドと言う言い方をするが、ウォールストリートのようなところが、セル・サイド。バイ・サイドは運用する側。じっくりと。バンガードもこちら。お客様中心主義。インデックスを得意とし、まったく違う文化となっている。
岡本: 長年やっているといろんなことを体験してきたので、若い人に伝えたい。年金運用をやってきたが、いい時も悪い時もある。それですぐに止めてしまったり、始めても結果は出ない。それよりも付き合っていくことが大事。その上で必要なのは、教育では、と思った。運用者側も、個人投資家も同じ価値観を持って。今お金持ちの面倒を見たがる人は多い。お金持ちは何をやってもよい。これから大金持ちになる人の面倒を見る人がいない。やっていることは、毎月のセミナー、インベストライフという会報誌(来年から無料化)、そしてお互いに支えあう仲間や場を作ること。長期投資を始めることはラク。何かあった時に話せる仲間が必要。FP業界の変化についての背景の1つは、収益構造の変化。それまでは売った商品の一部がコミッションとして支払われていた。それが、資産の○%というフィーになった。すると、どうやって資産をふやしていくかを考えるようになった。利益相反が小さくなった。
中野: IFA(Independent Financial Advisor)という。業者からもらうのはよくない。アドバイスフィーをもらう。それをサポートしているのがバンガード。今IFAからの利益が2割とのこと。
加藤: バンガードはもともと直販。中間マージンが不要。中間の人の都合で売られたり、買われたりしない。今はIFAへ。コミッションからフィーベースへ移っている。お客様の利益だけのために、安くていい投信を選ぶ。すると、バンガードが選ばれることになる。
中野: バンガードは紹介した人にはビタ一文払っていない。
加藤: 販売手数料と信託報酬の半分以上が販売会社へいく。バンガードには一切ない。
中野: 自信があるから貫ける。あらゆる手数料を取らない。Client Firstが実践されていることで、他に気付いたこと。
斎藤: この投信会社も直販だが、反射をすべて否定はしない。何の対価でこの手数料を払ってたか考えることの気付きに。マーケットは上がったり、下がったりしている。コストについては、上がっても下がっても、よい商品にも悪い商品にも必ずかかる。いかになくすかが重要。運用コストは必ずかかるので、そのコストをいかに小さくするか。日本全体では60兆であるのに対し、バンガードは1社で160兆。スケールメリットがある。下げたコストの部分は顧客に返す。コストを下げることに関しては、徹底してばーちゃるカンパニーとしている。インターネットと電話だけで対応し、支店はない。
中野: 日本はたくさんの人を雇って、その人たちが飯を食べられるために、となっている。直販にこだわる意味。お客様の最終的にコストを下げられることについて、印刷工場の話も。
岡本: 外注もあるが、ここまでの規模になると、持った方が安い。そして、日本の製造業のように、壁に日本語で「KAIZEN」と書いてある。
中野: 印刷工場を持っている理由の1つとして、タイムリーな情報発信をするため。販売会社を通すと、伝えられない部分がある。
岡本: 直販なら誰が持っているか分かるから、メッセージを出せる。販売会社は新しいファンドを売ると販売手数料が入り、また信託報酬も入る。さらに、売買手数料や解約手数料も。この繰り返しになっている。販売会社が悪いのではなく、販売会社が投信会社を支配しているのが悪い。
中野: セゾン投信を作る時にも参考にした話。バンガードは37年間コストを下げ続けている。日本の信託報酬に当たる、Expense Ratioが業界平均では1.12%であるのに対し、バンガードは0.2%。他が追い付けない。
加藤: 1975年に始めた頃は、業界平均と違わなかった。それから下がっている。理由としては、規模の経済性、株主構造、コスト削減などがある。企業構造として、お客様のこと以外できないことになっている。
岡本: インデックス運用であることも、理由の1つだろう。規模がおおきくなればなるほど、コストが小さくなる。規模の経済性。アクティブであれば、大きくなればなるほど、いい銘柄を探す必要があるため、コストも増える。
中野: 自分の会社でも、大きくなればコストを下げたいとも思う。今はまだだが。(笑) インデックスに関わっている人が誇りを持ってやっている。ヘッドの人は二十数年。とんでもない職人だと思った。最高のインデックスを運用することに誇りを持っている。日本では見られないこと。
岡本: 本当にそう思う。彼らがそうできるのは、お客様の役になっていると思えるから。お客の喜びが自分の喜び。そういう企業文化。
加藤: インデックス運用は、市場と同じように動けばよい。簡単そうだが、非常に難しい。全部買えない市場もある。買うとコストが高くなることもある。資金が入ってきた時、出ていく時の調整も必要。マーケットを動かさないようにする必要も。そのとおりに運用するのは大変。投信によっても違う。
中野: 日本でそれができないのはなぜ?
斎藤: 難しいこと。バンガードは奇跡の会社と言われている。日本には独立系がなく、どちらがボスなのか分からない。この構造を壊すのは難しい。こういう投信会社が生まれて欲しいという投資家のニーズはあるだろう。
中野: 系列であったり、独立系であったり。成り立ちが問題。米国は独立系が中心。
岡本: 日本は、まず銀行があり、その下に証券会社。戦後の財閥解体で、株が余った時、個人投資家へ、となった。そして、ピラミッドの下に、大蔵省、銀行、証券会社や保険があって、一番下に個人投資家がいる。これは変えられない。ここにいる皆さんが少しだけ投資の知識を持つ。疑問を持って行動する。そういう草の根的、ボトムアップの環境が必要。
加藤: 日本の行政が供給者側に立ってきた。その大きな流れの中、消費者の力は弱い。投資家と言ってもよい。行政に反映されることがなかった。それが変わってきている。団塊の世代は企業戦士から一個人になっている。若い世代は終身雇用ではなく一個人になっている。前よりも変わった。最終利用者が声を出すべき。証券会社を助けるために、投信ができた。しかし、その時代は終わった。一時期、「貯蓄から投資へ」と言う言葉が出てきた。これは大きな誤解を生んだ。貯蓄と投資は対立するものとされた。投資は貯蓄の1つ。本当に推進すべきは、バランスのとれたポートフォリオ。1600兆のうち、4%のみが投資。50%以上が貯蓄となっている。預金も投資も持つべき。
中野: 皆さんはまだまだマイノリティ。正しいことを先に始めたのは事実。

以降、質疑応答。
Q: (斎藤さんへ)米国の年金について聞きたい。また、誰が運用しているのか分からないのは不安に思える。
斎藤: 確定拠出年金だけでないなら、明確に答えられないかも。米国における年金については岡本さんへ。
岡本: 明確な数字は分からないが、大きいところはほとんどインデックス。要は市場全体。中堅以下はアクティブもあるかもしれない。
加藤: 岡本さんに付け加えるところなし。
斎藤: 社会保険の中に、今後ETFを利用したりということはあるかもしれない。厚生年金については、GPIFの運用委員会が開かれ、決めている。ほとんどパッシブ。合議制になっていて、専門家の方々が参加している。
岡本: 誰が運用しているか分からない、ということを踏まえてできたのでが、DCプランでは。基金に指示を出すのは難しいため。
中野: 公的年金は国債の割合が大きい。自分で国債を買う必要はないですね。

Q: バンガードの指数が変わって、今韓国に投資しているのかどうか分からない。指数入れ替えしたのも、コスト削減のため?
加藤: 質問の内容を説明すると、バンガードのファンドのいくつかがベンチマークを変えた。VWOのETFは世界エマージングで韓国が入っていない。しかし、バンガードとして一切韓国がないわけではない。グローバルバランスファンドで、投資していない国もある。理由としては、外資を受け入れない国もあること。あまり小さいところはコストもかかり、その割に影響が小さいこともある。全体として主要な市場で、全体のバランスが取れると考えている。増やすのがいいことではない。
中野: ベンチマークが変わっても、セゾン投信は変わっていない。今までのまま。VTについては、リアルタイムにリバランスしている。今の状況を反映するため。

Q: グローバルバランスファンドの純資産残高が増えているが、手数料率は下がるのか?
中野: 5年以上かかったが、500億となった。両方のファンドで570億ほど。もう少しで、会社としても黒字のキャッシュフローになる。コンスタントに成長している。1000億になる前に、皆さんに還元することもできると思う。私がいつかやりたいと思っていたこと。すぐにはできないが、楽しみはあとに!

Q: 段階の世代の資産運用として。リタイアした後に、何をベースにすればよいか。少しずつ投信は増やしているが。会社の年金とタンス預金でよいのか。どう取り崩すべき?
斎藤: ベビーブーマーや段階の世代について、米国でも変化が出ている。今まではどう増やすかが中心だった。今は、お金を長持ちさせながら、どう使うかという話が増えている。日本にもニーズは増えている。リタイアメントマネジメントとして、情報発信している。
岡本: 重要なのは購買力を維持すること。今まではデフレだったが。銀行だけに預けるのも、すべて株にするのも危ない。2-3%の低利回りでも、運用しないよりよい。儲けを増やすより、購買力を維持すること。また、定額で引き出すより、定率で引き出し、生活レベルを調整する。フロアも付けるが。定額はリスクが高い。
加藤: 1つだけ。米国で起こっていること。以前は退職すると、株は持たない、と言われていた。しかし、今はそれほど株の割合を減らさない。どの比率がベストかは人による。インフレが来ても、対応できるように。それもパッシブに。どこが当たるか分からないため。
中野: まとめると、セゾンバンガードをコアにして、他をサテライトにして。(笑) 末長いお付き合いを。

以上です。