昨日はこんなセミナーに参加しました。

タイトル: セゾン投信第5期運用報告会
日時: 2012年1月28日(土)14:00~16:30
場所: 東京都渋谷区 T's渋谷アジアビル

今回はツイッター中継だったわけではないので、簡単にまとめて、感想などを。

昨日は第5期の運用報告会。
3/15には運用を開始して、丸5年になるのだそうです。
5年という節目が見えて、感慨深いものがあるのでしょう。

まずは、中野さんのお話から。

2日前に、セゾンバンガードグローバルバランスファンドの純資産総額が400億を突破し、ちょうどバンガードのJim Norris氏が来日していて、金曜日には一緒にお祝いした。

昨年の運用報告会の時に、強気な発言をしていたが、日本の震災や欧州の問題があり、成績は振るわなかった。
今年に関しては、年末の雑誌の取材等で、日経平均12,000円の予想を出した。
他の皆さんも結果的に強気になっているらしい。
澤上さんの17,000円は例外だそうですが。(^^;
デフレが解消しないと変わらないが、8,000円界隈は極端に安すぎである、と。

世界については、今年は米国が主役になる。
個人消費や雇用が悪い中でも、企業業績だけはよかった。
四半期ごとに、2桁成長していた。
その後、クリスマス商戦もよくなり、雇用統計もよくなった。
米国だけでなく、ドイツもよい。
問題は南欧だけで、利下げを2回行ったおかげでドイツへお金が集中し、ユーロ安となったために、ドイツの成長を下支えした。
新興国については、減速するだろう。
中国も2桁成長は不可能であろうし、インドも1-2%減少する。
しかし、それでも6-7%の成長である。躍り場となるだろう。

そんなポジティブな気持ちを共有して欲しい。

5年を迎えて、2つのファンドをあわせると、450億ちょっと。
ほぼ49000人のお客様となっている。丸5年を迎える頃には5万人になるだろう。
450億というのは、ちょっと残念。
5年で5万人、700-800億、場合によっては1000億を見込んでいた。
ここ3年くらい外部環境が悪く、リーマンショックやユーロの問題で、2割ほど下げがあった。
しかし、58ヶ月連続で入り続けている、安定したフローがある。
ネットでは600億流入したことになるので、月に10億と考えられる。
長期投資家に必要なファンドの条件を満たしてきた。
経営的にも、単年度黒字化はまだだが、安定してきたので、安心して欲しい。
50年100年続けられる土台を作った。

日本の投信業界全体では、残高が47-8兆円ある。5年前は、60-70兆だった。
本数では、2500本から4000本に増えているにも関わらず。
1つ1つがちいさくなり、1本当たりの平均保有期間も、4.5年から2.8年になっている。これはファンドの平均寿命と言える。
これは、長期投資とはかけ離れている。

毎月分配の仕組みについては、高配当の規制が始まる。
これは業界にとっては、ものすごいインパクトである。
しかし、我々はまったく違う運用をしていたので、影響はない。
いよいよ日の目を浴びることになる。

ここで長期投資について考えて欲しい。
このグローバリゼーションの中に、中長期的にゆっくり乗っていこう。
成長したところから利益をもらい、積み上げていこう。
俯瞰すると、実質経済成長が昨年は3%だったが、これからまた4%になるだろう。
ちゃんと成長している。
ゆったりした成長軌道に乗ればよい。
長く見れば、価格は価値に収斂していく。
長く下ブレしてきたが、実態は下を向かない。
セゾン投信はケレンミはないが、生活者の最大公約数としている。
大らかに乗って欲しい。

最後に、6年前なかなか大株主であるクレディ・セゾンからお金を出すか決まらなかった時、決め手となった林野社長の言葉。
「何のためにセゾン投信をやるのか。今のお金の流れはおかしい。それはいつか直る。いつ変わるか分からないが、その時にセゾンは正しいことをやっていた、と言われるように」
それを証明できる時が近づいている。

休憩を挟んで、ポートフォリオマネージャの瀬下さんからのお話でした。
内容は2部構成で、「長期投資におけるリスクの考え方」の説明と運用報告でした。

リスクについては、特に収益率の考え方と、為替リスクについての説明がありました。
難しいお話ではありましたが、セゾン投信が目指している変動幅の小さい運用や、最近の円高傾向を考えると、とても重要な部分だと思います。
そして、国際分散の意義。
そんなポイントを押さえてからの、運用報告の開始でした。

詳細は、運用報告書や今後の運用報告会の中でもお話があると思いますので省きますが、毎年と同様に、基準価額の変動要因や各ファンドの影響度、為替の影響度が設定来と今期のみで説明されます。
今期は、本当に為替の影響が大きいですね。
為替をヘッジしていないので、顕著に分かります。

そんなお話は、次の房前さんのお話でも分かります。
最初のお話のポイントをまとめると、こんな感じでしょうか。
リーマンショックの方が大変だったはずが、先行きが見えないことで、昨年は実態よりも大きく下げたのかもしれない。
ただし、投信は途中でやめないほうがよい。下げたあとで、取れなくなる。
ファンドの評価はできないものである。今年上がるもの、1-2年後に上がるものは分からない。4000本はすべて違うので、簡単には比べられない。見るのは、約束事が何なのか、ということを目論見書で見る。そして、約束通りにやっているか、納得できるかを見る。納得できるかは、好き嫌いの話になってしまうが。
毎月分配については、約束を果たせないファンドになるだろう。今後は販売がなくなり、解約だけになる、そうすると。。。と考える。

グローバルバランスファンドについては、純資産総額が常に上がっている。ある程度の規模になって、続いているのはほとんどない。他はさわかみファンドくらい。
また詳細は省略しますが、両ファンドが約束事を果たしているということで、特長の説明がありました。

最後に10分ほど、質疑応答がありましたので、記録しておきます。
Q: 最近、バナー広告が増えている。広告宣伝費はかけないと聞いていたが、増えているのか?
中野: 広告宣伝にお金をかける気はない。かけられない仕組みになっている。ただし、ネットを使って認知を広めたい。どれだけ小さいお金で、本当に小さいお金でやっている。うまくいっているかは分からない。それほど詳しくないので、詳細は瀬下から。
瀬下: 回数が多いと思うが、実際にはサイトを見たことある人にだけ出すようになっている。サイトを見てまだ申し込んでいない人向け。お金はかかっていない。
Q: 資産形成達人ファンドの変動幅が大きいが、今後の方針歯?債券、コモディティへの投資は?
中野: 地球敬愛の成長に乗ることに忠実。コモディティも楽しそうだが、投資は投じたお金が付加価値を生んで意味がある。言うなれば子供。利子やリターン、金利で。株式はそれを元に企業が価値を生む。金は利を生まない。これは投資ではない。金は3000年の歴史もあり、例外ではあるが。コモディティは利を生まない。分散を翔けるなら他でやってもよいのでは。
瀬下: 貴金属の市場は小さいので、変動が大きい。そのため、変動を小さく抑えるためには向かない。資産形成ファンドも債券に投資できるようになっているが、これはバブルの時など、株式が上がりすぎた時のため。収益を生み出す会社に投資し、環境に左右されないようにしている。
中野: 株式が王道で、債券がその反対側である。
Q: 地球全体で3-4%の成長するなら、2%で見ても控えめと思うが、実際の期待リターンは? いつも具体的に聞かないので。
中野: 実体経済は3-3.5%くらいの成長という。3%半ばくらいだと思う。10%という歴史もあるが、それを取れるとは思わない。
瀬下: リターンは名目リターンだと物価に影響されるので、実質リターンだと思うが。リスクを取ることによって取れる。(説明用の)グラフは、グローバルバランスファンドをイメージしていた。

最後に、中野さんの言葉で締めとなりました。
引き続き、変わらずの応援をお願いします。満足いただいているとは思わないが、正しいことをやっているのみ。長い旅、腰をすえてどっしりと。この理念だけは、10年20年30年経っても変わらない。

以上です。