このところ、アップデートをサボり気味でしたが、まとめてアップすることにします。

火曜日は、こんなセミナーに参加しました。

タイトル: 草食投資隊セミナー 『草快塾』 第四回 チョクハンrevolution ~既存の金融機関と比べて、独立系の付加価値とは何か~
日時: 2011年11月15日(火) 19:00~20:45
場所: 東京都千代田区 レオス・キャピタルワークスセミナールーム

ツイッター中継をする気力・体力がなかったので、今回も簡単にまとめます。

参加された中で、初めての方が半分くらいでしょうか。
シリーズものでも、新しい方が増えるのは楽しいですね。
しかも、このようなグループディスカッションのあるものでは、新しい意見が入ってくれるのがうれしいです。

最初に、草食隊がそれぞれ3分ずつということで、お話がありました。

最初に渋沢さん。投資をしている方にはボリュームゾーンがある。既存の金融機関が取りに行くのは高齢者層。一方、チョクハンは30-40代がボリュームゾーンになっている。これからの老後のため、として。すでにプチレボリューションが起こっていると言える。また、入ってくるお客様のお金の質が違う。積立が中心であり、どっしりと腰の座ったものである。夜や週末にセミナーに集まるのだから、意識も高い。答えを求めているのだろう。この草快塾の答えは皆さん。共通に持っているのは、いろんな気付き。

年齢順ということで、次は中野さん。直前にユンケルを飲んでいたということで、渋澤さんが心配されたように、やはり3分では収まらなかったようで。(^^;
チョクハンrevolutionについて、熱く語りたい。運用会社にとって、顧客は誰か? 今日集まった人たち、長期投資仲間とも言う。8x社ある金融機関の中で、こういう風にお客様が投資家だといえないところが多い。チョクハンの8社は違うが。お客様がどこにいて、どんな人かさえも分からない。勝ってくれたお金は1つにまとめられて、発注されるのみ。どういう人たちに指示され、お客様に利益が出ているかどうかも分からない。当り前のことが当り前でない既存の投信会社。よって、証券会社や銀行をお客さんと呼ぶことになる。心配な時にはメッセージを出して、こんな時はのんびり、と言うこともできない。販売会社が満足するものを作ることとなり、手数料が高く、説明が簡単なものになる。非常にゆがんでいる。ビジネスの共感を積み上げていくことができない、既存金融機関の不幸である。

最後に藤野さん。どう見ても肉食、と言われる。確かに父親がプリマハムに勤めていて、ハム・ソーセージの肉食ではあったが、投資は草食でゆっくりやっている。そんな流れから、吉野家を例に。吉野家と言えば、「安い・早い・旨い」。これをチョクハンに置き換えると、「安い・上手い・楽しい」。コストが安く、成績がよく真剣なので中身がよいし、直接話す機会がやりたい時にいつでもできる。3人で集まることもあるが、ソロ活動もある。土日もなく活動している。長期投資の楽しさを伝え、ゲストも呼ぶことも。資産形成の中にコミュニケーションがある。これがチョクハンの楽しさ。

そして、この後のメインイベント。
お題は2つ。
既存の金融機関とチョクハンの違い
日本社会にどのように広めるのか。何が必要か

8つほどのグループに分かれ、それぞれの意見をまとめました。
それらの内容は、同じようなものもあれば、違う視点もあり、新しい気付きも持てました。
詳細は省略させていただき、その結果を受けての、草食隊のお話へ。

渋澤: ファンドマネージャの顔が見えるとあるが、これはプラスか? マイナスか?
藤野: もちろん、プラス。叱咤激励されるから。今まで経験した3社ではなかったこと。2008年から始めたが、毎日いろんなメールが来る。意見も、質問も。最近はギリシアやイタリアについての質問も。日本株でがんばってるね、とも言われる一方、最近テレビに出て調子乗ってるのでは、とも言われた。何と言われても、がんばらないと、と思う。ファンドマネージャ5名で一丸となっている。お客様と一緒で緊張感もやる気も出る。コミュニケーションがあり、プレッシャーも感じる。
渋澤: 手数料(が高いということ)については中野さん。
中野: ここにいる皆さんは、理解が深いのでこういう意見が出てきたのだと思う。アトランダムに聞いたら、出てこないだろう。当り前のこととして、手数料は大事だが、一番ではない。一番は最良のお金が集まること。手数料は副効果である。販売会社があればラクである。お客さんがどこにいるのか探すのが大変なので、ついラクをしてしまう。それが典型的モデル。ポリシーが最大なら、売ってもらうことはありえない。効率よくビジネスやることに注力している。販売会社は、信託報酬の半分が欲しい、通貨選択型にしろ、分配型にしろ、と言う。すると、口頭設計図にあわせて作るだけになってしまう。販売手数料が3%というのが有名になったが、最近では4.2%のものも出てきた。世界高配当株で、通貨が選択でき、コールオプションが付いて・・・(一部省略)。つまり、買ってもらったら終わり。販売会社の成績と客のパフォーマンスは一致しない。販売手数料をなしにすれば、いいものを売るようになるだろう。長く持ってもらおうとして。販売手数料の根拠は説明の手間賃。100万円の人は3万円、1万円の人は300円で、同じ説明を聞き、同じ文句を言う。矛盾である。長い時間お付き合いするためにも。しかし、4000本の平均保有期間は2.8年。お付き合いできない。
藤野: 某大手の投信部長が実は高校の同級生だった。フェースブックで会い、飲み会をするようになった。日経新聞で、ノーロードがよい、信託補修低いのが理想、と言ったのを見ていた。半分ジョークで、ハゲタカの一節から「カッコえーなー。カッコえーからダメなんや」と言われた。業界常識から言うと、カッコいいけどできないこと。それは悔しい、いつか分かってくれるはず、と思っている。ひふみは国内株ではほぼトップ。信託報酬も安い。しかし、増えないのも現状。正しいことを続けるとついてくると思っている。離れていくお客様もほとんどいない。解約する時も謝って解約するくらい。
渋澤: 販売手数料は、払うから短くしてくれ、という人がいるかもしれない。また、パーセンテージを否定すると、他のクレジットカードの仕組みなども成り立たなくなるので、大口はディスカウントで、など考えることも。老舗のCapitalは、販売会社を使って、5%の販売手数料がかかる。説明をして、アフターケアもあるということで、皆さん払っている。どっちがいい、悪いという話ではない。
ここから、どうやって広めるかについて。北海道で、地域の金融機関でセミナーをやった時、挙手は難しいと思ったので、質問を紙に書いて集めた。その中に、「毎日ツライ。お客様にウソついてると思う」というのがあった。ノルマ営業の話だろう。その時、確か藤野さんが「いいと思うものだけ売らないとダメ」と言った。自分たちは、罪悪感なく、欲しいものを作った。金融機関も困っている。特に地銀が。会社方針として、手数料収入を増やさなくては、ということもある。売った後、三山たる結果になっている。半分とか。銀行は元本割れはないと思っちゃうが、ストック・ビジネスをやらないといけない。組織なので、1人では動かせない。ヘッジファンドの頃、いいよね、と言って、通す人がいるとよかった。広まるのは組織頼りではなく、キーパーソンがいるかいないかだった。セミナーは東京だと自分たちで集客できる。しかし、地方だと集まらない。中でも我々がよかったと思うのは、魅力的で意識の高いアレンジャーがいる時。先日、「長期投資と集中投資」の話をしたが、仕事で集まった人ばかりでは、すぐに居眠りを始める人までいた。やはり、無理に広げるのではなく、拡がるのがよい。意識の高い、魅力的な人と繋がることになる。
中野: 一部で言われた「ファン作り」は大事なキーワードだと思う。人間性や、藤野さんは身体が大きい、渋澤さんはやはり育ちが・・・などと感じるのも親近感の元である。熱い人がいると、というのは、ヴァンガードの成功モデルそのもの。ヴァンガードは広告宣伝は使わず、クチコミだけだった。堂々と正しいことを貫いて、結果的には、となっている。決して捨てたものではない。ジョン・ボーグルの言葉で「大学の先生が卒業の時に、社会に出たらヴァンガードで運用しなさい」と言っている。これがクチコミ。インチキもウソもない。地方で人を集めてくれる人は何の得もなく、やってくれている。目頭が熱くなる。
藤野: セミナーももう終わり。チョクハンrevolutionとして、意味があることをしたい。既存の業界でもできるし、ラクかもしれないが。どこかのグループで言っていた通り、楽しくやっている。やっていることにウソがないから。だから、貧乏ではあるが。(笑) 誠実に仕事しているし、迷いもない。結果もそれぞれ出ている。必ず世の中に伝わっていくだろう。投信に対する見方はよくなるほうにかけているから。選んでくれるだろう、と。未熟だが、皆さんの力をお借りして。
渋澤: 何の革命か。それは、「日本を元気にしたい!」ということ。そろそろ(今の状況に)飽きてきたので、レボリューションしたい。変化は平均からは始まらない。飛び出た夢の結集からである。これからもレボリューションを起こしたい。

以上です。

次回のセミナー予告がありました。
12/20 (火)草食隊プラス 於カグラサロン 講演: 守屋淳さん
1月 第5回 草快塾 OrではなくAnd インデックス投資とアクティブ投資 (日程の詳細は未定)