昨日は、こんなセミナーに参加しました。

タイトル: 日本人のための「和風」資産形成入門
日時: 10:30~12:30
場所: 東京都渋谷区 I-Oウェルス・アドバイザーズ株式会社 セミナースペース

待ちに待った、岡本さんの和風セミナーです。(^^)
12人の参加者がいて、女性が3人。比率で考えると、通常のセミナーより女性が多いように思えました。岡本さんファンが多いのでしょうか!? (^O^)

一応、有料セミナーなので、簡単にまとめることにします。

まずは、中野さんのご挨拶から。
今月のお客様へのメッセージから、「せっかくだから」投資を推奨したい、というお話でした。
石田純一さんが女性を口説く「さしすせそ」の中の「せ」は「せっかくだから」と言われたことに始まり、ロハスという言葉にも「せっかくだから」環境にも身体にもいい消費、という考えがあること。
そして、ご自分でも3.11以降、夜飲む時には「せっかくだから」と東北のお酒を選ぶこと。
これらは「せっかくだから」消費。
だったら、投資も「せっかくだから」世の中がよくなる方向へ、社会が元気になる方向へ、向けましょう、というお話でした。

投資の世界では、より高い分配金を出す競走になっているそうです。
調べたら、26%にもなるものもあったとか。

そんな、自分ばかりが儲けようとすることと、自分にも地球にも優しいロハスというのが、今の日本のダブルスタンダードになっているのでは、とのことでした。

その後は、岡本さんのお話。「『和風』資産運用入門」です。
定式幕を拍手と共に引くことから始まりました。
う~ん、和風♪

副読本がご著書の「賢い芸人が焼肉屋を始める理由」となっていましたが、この本で本当に言いたかったことは小さく書かれている副題の方だそうです。
「投資嫌いのための『和風』資産形成入門」

今回のセミナーそのものですね。

ご著書のお話は簡単にまとめられていました。
賢い芸人が将来の生活を支えるために経済基盤として副業を始めるように、サラリーマンだって、ポートフォリオを持つ(企業のオーナーになる)べきではないか、と。

日本には投資嫌いの方も多く、いろいろな言い訳が並べられるそうです。
しかし、元を正すと、西洋のやり方をそのまま持ってきているから、数字とカタカナでだまされる、と思っているのではないか、と。

ということで、日本人にも馴染みやすい、「和風」投資の登場です。
日本人は他の文化を取り入れ、日本風にすることが得意です。
また、260年も続いて、今も影響があると思われる江戸時代にも、多くのエドノミスト(江戸時代のエコノミスト)が登場しています。
聞いていると、確かに彼らの考え方はしっくりきました。

また、日本的性格がうまく長期分散投資に合うことも分かりました。
狩猟的考えは、短期売買向きなのですね。

他には、ポートフォリオのお話と積立、分散のお話でした。

とっても、腑に落ちました。
今後も、いろいろと調べて、エドノミストの本など読んでみたくなりました。

定式幕が閉じられ、休憩を挟んで、また岡本さんのお話が続きました。
今度は、現在の状況についてです。

89年に、時代を象徴する方々が亡くなりました。松下幸之助さん、美空ひばりさん、手塚治さん。そして、天安門事件、ベルリンの壁の崩壊があり、91年には旧ソ連がなくなっています。

90年代中頃から、IT情報革命が起こりました。
軍事費から平和のために予算が使われるだろう、ということで、平和の配当と言われました。
グローバル化、世界のフラット化が始まりました。
新興国が躍進し、ソ連がなくなったために、米国の1人勝ちが始まりました。アメリカンドリームを夢見て渡ってきた人々もローンで家を買えるようになりました。
2000年にITバブルが崩壊しました。
日本は構造改革が進まず、低金利となりました。円で借りて、他の通貨で運用し、円で返せば大きな利益が生まれます。多くの国でやれば、円高にもなりません。
一方で、物に対する需要が増えました。物に対する資金が増えました。
サブプライムが破綻し、貸せなくなったのが、2007-8年。
公的部門がお金を使うようになり、財政危機に陥りました。
金融危機から、財政危機に姿を変えただけです。
世界には資本主義だけとなり、社会主義的側面はどこの国でもありえるにも関わらず、大きい政府と小さい政府の間を振り子のように揺れています。
社会主義的なところを見直すようになっています。
今後、なんでも政府頼みということは難しくなるでしょう。政府頼みということは、社会主義なのですから。自分でやる必要が、生活レベルでも怒っています。
日本は財政危機で動きが取れない閉塞感を持っています。しかし、今から福祉を買えるのは難しい。今の政権ゆえの問題ではありません。
今後は、歳出を減らすと共に、インフレへ向かう以外にありません。そして、自国通貨を安くすることも必要です。
今の円高は、日本の国際社会に対する、影響力の弱さを表しているのです。今みんな自国通貨を安くしたいと思っているところで、押し付けられた形です。しばらく円高局面は続くでしょう。
一方で企業は生き延びようと必死です。差はついてくるでしょうが。
そして、ようやく日本も動き出すでしょう。
東北に、「津波てんでんこ」という言葉があります。津波が来たら、自分だけ生き延びることを考えるべき、ということです。それが結果的に生存確率を上げることになる、と。
今グローバル化の津波が押し寄せています。
金融だけでなく、実物でも同じ。グローバル化を前提にし、個別企業が努力して、収益が伸びます。その転換期に来ています。

以降は、質疑応答でした。
Q: 7ページの説明で出てきた、没落した「淀屋」とは?
岡本: 大阪の大商店。贅沢三昧をし、幕府に目をつけられ、お取り潰しに。分を越えると大変なことになると学んだ。

Q: 世界同時株安となっているが、増額すべきか? スポット購入は?
岡本: 当てる力の自信による。(スポットで)安くなったときに買うのはよい。ドルコスト平均法に色をつけることになる。しかし、それも当たるかどうかわからないので、何回かに分けて。
中野: 相場はオーバーシュートするものである。みんなそれは思っている。買いたくなる気持ちは大事にしてほしい。そして、そこそこでいいでいいと思う。買わなければ、という使命になるのが問題。8割取れれば十分、というつもりでならお勧めである。大底で掴もう、というサモシイ気持ちは持たずに。
岡本: 平均コストより下がってるならよい。いくら相場が下がっていても、平均コストを上げる買いは勧めない。

Q: 「グローバル化」「世界のフラット化」が進むなら、分散の意味は?
岡本: 人類の歴史はグローバル化の歴史。今は加速化しているが、これからも続く。これから大事なのは業種別分散。インデックスでは、国のバランスと業種のバランスが均衡する。
中野: 1980年代後半の分散は米欧日のみだった。21世紀は地球規模である。地域別分散も広がっている。新興国もこれから広がる。金融市場が実体経済に収斂していくため。
岡本: 国の成長は企業の成長と同じ。中国では、98年のコカコーラの売上は年間8本だったのに、20年後の2008年では28本になっている。インドも同じことが言える。ルイヴィトンも今は中国が最大の市場となっている。企業と国が切り離されている。日本でも、内需産業と言われていた企業もアジア内需に変わってきている。今後、波乱を含みながら成長するだろう。師匠であるジェームス・ローゼンハワードによると、「コインが落ちていたら、価値あるものなら、必ず誰かが拾う」という。

Q: 年齢ごとの株・債券の比について、年金による影響はないのか?
岡本: 影響はある。不足額を前提に考えて、全体でいくら必要か、と考える。そして、リターンを考えて、そのときのリスクに耐えられるか考える。絶えられないなら、前提を考え直す、というように、折り合いをつける。詳しいことについては、9/3(4?)のセミナーで。
中野: 年金は若い世代にはストーリー通りに行かない可能性もある。時間があるなら、ボラティリティの大きい方で。
岡本: 人的資産と金融資産をグラフにしたものがある。その合計が本人の全資産。人的資産は就職してから退職までの間に下がっていく。金融資産は、徐々に増えていく。そして、退職時がピークとなり、下がっていく。リスクも年齢と共に下げていく必要があるのが分かる。被災地を見ても、子供達は明るい。この先50年で取り戻せるから。一方、高齢者には苦しみである。10年後に、こんなことがあった、と話せるくらいだろう。

Q: 投資信託の選び方は?
岡本: 最初に設計図を持つこと。株式と債券、国内と海外、というように。家を作るのと一緒で、最初に設計図を描き、家を建て、インテリアを決め、最後には花瓶などの細部を決める。そのようにして、部品を選ぶのである。ポイントは、運用方針が明確であること。過去のパフォーマンスを見て、例えば、「成長株に投資」と言っていても、今はよくないはずだが、結果がよいのはなぜか、と考える。そして、証券会社で似たようなものを2-3社比較することも。さらに、証券会社がどれだけ投信にコミットしているかを見る。(ここで褒めるのも気は引けるが、)セゾンが2本だけ、さわかみが2本だけ、というのもコミットしている証拠である。
中野: 主義主張や哲学を見ること。デパートのようにいっぱいあるのは、あまりよくない。お勧めされるのは新しいものである。多いのは期限を短く切ったもの。10年も長い方で、最近では5年のものなど多い。これは、長期投資には向かない。「無期限」のものを選ぶべき。
岡本: かつての運用は、何でもできます、と言っていた。最近は特化型マネージャーへと変わり、重複を避けるようになった。それが個人の世界でも必要である。ざっくり言うと、株式と債券、国内海外、そして預貯金があればよい。分配金を欲しいのなら、債券の補完的にREITを使えばよい。

Q: 今30歳である。リタイアまでに使う時どうなっているのか、不安。30年後に下がっていたら、どうすべきか?
岡本: 基準価額は忘れるべき。投資先企業の価値は増えている。それも株主のものである。価値があれば、いつか誰かが必ず気付く。35-40年投資できるし、解約も1度に全額する必要もない。
中野: 相場が悪い時に必要、ということはありえる。経済が大きくなる中で、相場は振れる。もし下がったときだとしても、なぜここをゴールにするのか。投資しながら年を経て欲しい(使って欲しい)。毎月解約もやりたいと思っている。定額か定率かの議論は続いているが。本当に下がってしまった時に必要になることはあるが、そういう時は運河ないとあきらめるしかないかも。(会場爆笑)

Q: 子供がいるなら、子供に譲ってもいいのでは?
中野: おっしゃる通り。
岡本: 子供に残す部分は大きい。チャールズ・エリスも、子供に残すなら、全部株でもいい、と言っている。現金を渡すと、使っちゃうこともあるので。

セミナーは以上です。
この後、懇親会会場へ移動しました。

美味しいお料理をいただきながら、その後のお話も盛り上がりました。

他の誰も頼めなかったレディース膳。(女性限定のため)
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デザート。
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デザートは、カキ氷も選べました。
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