昨日は下記のセミナーに行ってきました。

タイトル: 『敗者のゲーム 原著第5版』刊行記念 「チャールズ・エリス著『敗者のゲーム-金融危機を超えて』を読み解く」
日時: 2011年5月8日(日) 14:00~16:30
場所: 東京都中央区 Caspa銀座

考えてみたら、岡本さんのお話をセミナーの形で拝聴するのは初めてでした。
今回は、副読本の「敗者のゲーム」もあったので、大学の講義を受けているような気分で、100分お話を聞いていました。

最初は、中野さんから20分(実際には少しオーバーしていたようですが ^^)のお話。
今回の震災による影響のお話と、敗者のゲームがセゾン投信の原点であるというお話。
訳者の鹿手雄二さんからも「『敗者のゲーム』の哲学を体言しましたね」という言葉をいただいたそうです。

岡本さんのお話は、本の内容を踏まえて、さらにまとめていただいた資料を見ながら進みました。
とっても分かりやすく、今まで読んでいなかったのですが、ちゃんと読む気になりました。
#会場の半分くらいの方が読んでいるそうですから、ちょっと情けない話ですが。。。(^^;

いただいた資料の目次だけを抜き出してみると、
- 敗者のゲームとは?
- リスクとリターンを学ぶ
- インデックス運用のメリット
- 運用は複利とA・R・Cで十分
- 簡単「和風」資産運用法

なんとなく、これだけ理解できれば、本を読んだ気になるのではないか、と思えるくらいです。
#でも、ちゃんと読みます。。。

「和風」投資については、岡本さんの理論が入るので、今回はさわりだけでした。
今度、じっくり聞いてみたいです。

スパゲッティ・チャートに対抗して、ざるそばチャートと言ってしまう岡本さんですから、とても楽しみです♪

Q&Aもありました。簡単にまとめます。
Q:今円高へ向かっているようだ。アセットアロケーションを自分で考えろというが、どのようにしたらよいか。今はコアでセゾンバンガードグローバルバランスファンドを持っている。
岡本: 円高/円安は考えない方がよい。どうせ外れる。外貨を株式として持っているなら、為替変動は株価で吸収されるため、大きなインパクトにはならない。セゾンバンガード・・・だけでなく、日本株をいれてもよいかも
中野: セゾンバンガード・・・はチャールズ・エリスの考えに基づいてできている。アクティブは否定しないが、どちらかを100%とするのではなく、セゾンバンガード・・・をコアにして、ほっぽっておいて欲しい。おもしろおかしいことは人生の中で見つけて欲しい。もし運用が好きなら、これをコアにすればよい。震災があって、為替は円安となるトレンドができている。20年間円高だった。これは輸出企業だけでなく、日本の中の給与が世界的に上がっていることになる。(国内にいる限りは分からないが) その中で、労働生産効率は上がっているので、円安になれば給与が上がってくる。震災が起こったので、デフレ脱却のきっかけとなるのではないか。強調介入も震災がなければなかったかもしれない。資産形成ファンドも日本株2割のままである。
岡本: 今日本株を買うのはよい
中野: 気持ち的にも。。。
岡本: 気持ち的にもよいが、それだけではない。今まで必ず復興してきている。税金や国債で対処するのは無理。銀行は基本的に短気の貸付で、現在リスクテイク能力が下がってきている。証券市場で調達すべき。株の売買をしても株の持ち主にお金がいくだけなのになぜかとよく言われるが、発行市場が機能するためには、流通市場が安定する必要がある。これも復興のために必要なことである。
中野: 日本の中でお金を回す必要がある、と政治家も言わないが。。。そこをリスクマネーが。

Q: インデックスファンドについて、海外・国内、株・債権と分散しているが、5年で2-3%となっている。このまま続けるべきか迷う。
岡本: 2006年から2011年の5年はいいタイミングではない。十分に分散して持つのはよい。新興国が伸びるかもしれない。実際コカコーラの消費が中国で8本から38本へと増えている。これは生活水準の拡大のためであり、これに乗っていけばよい。ただし、経済成長は新興国であるが、そのメリットを受けるのは新興国の企業だけでなく、先進国の企業の可能性もある。
Q: そうは言っても、不安になる。。。
岡本: 明らかにいい選択があるなら変えてもよいが。。。オチこぼれていく企業もあるが、すべてではない。伸びる企業もあるし、新しい企業も出てくる。評価が上がれば、全体的に上がってくる。続ければよい。「夜眠れなくなるほど心配になる株を持ってはいけない」と言う。100全部を株にするのではなく、10にすればよい。若いのだから、持っている時間がリスクに対するクッションになる。年齢とともにリスクは減らすべき、というのはこういう理由でもある
中野: 18章に「途中で止めるのが最大の失敗」ということが書いてある。リーマンショックから2年経って、日本以外は戻っている、と書かれている。リスクは標準偏差ではない。(岡本さんの説明にあった)影ではない。人の部分(実体経済)が毀損することがリスクである。震災で相場は下がっても、工場が再建すれば戻る、と。影を見ていると眠れない夜になるのでは。

Q: インフレ率について。インフレ率が上がると、目減りすることになってしまう。どう対処すべきか。
岡本: 資産形成の目的は購買力を維持すること。商品の値上げをすると、インフレの利得が生まれる。消費者としては損したことになるが、株主になれば、その利得を得られる。生活すべてを支える企業に投資するのがよい。債権は金利が決まっている。株なら利得を回収できる。これが、債権はデフレ媒体であり、株式がインフレ媒体であるということ。究極のアセットアロケーションは、インフレ的/デフレ的と考えること。
中野: 震災がターニングポイントとなった。需要のなかった日本に需要が生まれる。
岡本: 最近は、リスクとアンサーテインリ(不確実性)を分けて考えるようになっている。リスクは必ず平均に回帰するためのものである。不確実性は、今回の震災などである。全体で7%ダウンはすごいことである。100年に1度と言われるが、実際には20世紀だけで50回くらい起こっている。不確実性は金に変えられないこと、変えられることに分けられる。金に変えられないもの、個人で口座番号、暗証番号をいつだって取り出せるようにしておくべきではないか。大事な写真や位牌をどう保存するか。クラウドコンピューティングだって同じ考え。


p.s.
今回はQ&Aを除いて、ダラダラと内容を書くことは止めました。
他の地方でやる可能性もあると思いますので。。。