「ソウルフード」と「母の味」
実家から届いた荷物の中に入っていたのは、我がソウルフードの「茹で落花生」。
この季節のお楽しみだ。
「茹で落花生」を食べる地域は全国にいくつか存在しているらしい。落花生を栽培している場所ならやっているのだろう。
知らない方は全く知らない食べ方だ。
「美味しいから」と勧めても気持ち悪いと評判が良くないが、その気持ちが分からない。
生の落花生を塩茹でしただけ。炒ったピーナッツを茹でているのではない。
子供の頃から食べていたので、ドルフィンは枝豆よりも落花生が好きだった。枝豆を食べるようになったのは社会人になってからくらではなかったか。それも飲み屋で落花生が無いから❝仕方なく❞枝豆を食べていたくらいだ。
茹で落花生の中でも特に好きなのは❝しなす❞と呼ばれる未成熟部分。
殻が柔らかくてぶにゅぶにゅしている。殻を破るとピュッとゆで汁が飛び出るくらいで、未成熟なので中身も小さい。だが、この小さくて柔らかい部分が大好きなのだ。
「正規品」ではハネられるため、お店や近年出回っている冷凍パックには❝しなす❞は絶対に入っていない。ある意味、貴重部分だ。
最近では品種改良されて「茹で用落花生」が出回っているらしい。上の写真も「茹で用落花生」だ。
「茹で用」は粒が大きい。成熟しても柔らかく❝しなす❞に近い食感があるので嬉しい。
嫁はんが小分けにして冷蔵・冷凍してくれているのだが、小分けにしてくれていないとあるだけ食べてしまうのだ。一旦食べ始めると❝止められない止まらない❞状態になってしまう。
「母の味」と聞いて思い浮かべる料理は何だろう? 「肉じゃが」?「カレー」?
ドルフィンにとって「母の味」は「スジ肉煮」だ。
元々は母が父のオツマミ用に作っていたものを横から摘まんでいたのが食べるキッカケだった。
ウチは祖父の代くらいからホルモン焼きやスジ肉が好きなので、子供の頃から普通に食べていた。
❝外❞でスジ肉煮を食べて初めて我が家のスジ肉煮との違いに気が付いた。
写真でも分かるように、我が家のスジ肉煮は❝固い❞のだ。ゴリッゴリッと肉のスジを断ち切って噛めるところが好きだ。良く噛むので肉の味も良く分かる。
肉の食感を残して味はしっかり染み込ませるところが難しいと嫁はんは言う。
外で食べた時はトロットロになっていて「なんぢゃこりゃぁ? てんで歯応えが無いじゃないか!?」と思ったのだった。
ホルモン焼きやスジ肉を食べてきたドルフィンにとって「柔らかぁ~い!」「噛まなくても口の中で溶けるぅぅ」―ような肉は好みではない。「そんなに柔らかい肉が食べたいのなら脂肪の塊でも舐めとけ!」ってなもんだ。
話がチョット離れるが、ドルフィンが一番好きな肉は羊だ。
だが、TVで羊肉(ラムやマトン)を食べたリポーターが「全然臭みがない」とか言うと「それなら羊じゃなくてもいいじゃん。牛でも食っとけ」とTVに向かって言っている。
母が元気なうちは作ってもらえるが、いずれは自分で作らなくてはいけなくなるかもね。それが遠い先であって欲しいと願いながら、スジ肉をゴリゴリと食べるのだった。