出玉率の規制 | 師匠佐々木の控え室(仮)

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佐々木 真の「パチスロ座学」。回胴式遊技機の物書きや編集的な仕事をさせて頂いてます。タレントではありませんが、たま〜にスカパー!にも出てみたり。

ちょっと軽めのハナシが続いたので、ここらでガツンと。


5号機になって、射倖性のある機種の開発が難しくなったのはご存じでしょう。

ただ、それは「ストック機能が禁止されたから」ではないんです。もし、ストック機がOKだとしても、現状は変わらないと思います。




○最大の要因は出玉率の規制


ざっくり書くと、4号機までは、17500G回した段階で機械割が120%未満であればOKでした。

ボコボコとストック連チャンしても、強制的なハマリで相殺されるので、まぁなんとか落ち着いてくれそうですね。


それに対して5号機は、3段階で出玉をチェックされるんです。

1)17500G回した段階で機械割が120%未満
2)6000G回した段階で機械割が150%未満
3)400G回した段階で機械割が300%未満




○「短期出玉率」が難関

この中でもっとも難関となるのは、3)の短期出玉率です。400Gだから1200枚投入して、300%だから3600枚以上出るとアウト。差枚数2400枚だったら、まぁ滅多に行かないんじゃないの? 『吉宗』とかを除けば……。


そう考えたくなる気持ちもわかります。ただ、それは「打ち手」としての計算方法。実際はこうなります。

ボーナス中は1枚掛けで15枚払い出し。360枚でBIGは終了。この条件では、24枚投入して360枚払い出し。これを24Gでやることになります。

つまり、ボーナスをヒクたんびに、コインを3枚投入できる通常ゲームが減ってしまうんです。ちょっとしたヒキ強を発揮されてしまうだけで、簡単に短期出玉率はオーバーしてしまいます。ねっ、ストック連チャンなんて、作っても無理でしょ?


それを防ぐために、ボーナス中も3枚掛けにしたり、払い出し枚数を12枚程度にしたりするわけです。理解はしてるんですけどね、それでも465枚タイプのBIGだった『ゴジラ』の3枚掛けで9枚ずつ払い出していくのはイライラしました(笑)。



○これにRTとかが付いたら?

今時、RTが400G程度続くのは珍しくありません。これにボーナスの連チャンも加わっちゃったら……。ボーナスで機械割が大幅にアップし、さらにRTでもコインをどんどん払い出していきます。これを避けるには……

1)ボーナスの獲得枚数を減らす
2)ボーナスの確率を低くする
3)RTにはほとんど入らなくする
4)RTの継続を短くする

RTを削るのは、開発コンセプトからいって本末転倒。1)の獲得枚数ダウンは『キン肉マン』方式。2)の確率低下は『緑ドン』方式と言えるでしょう。基本的にはココをいじってきます。




○『エウレカ』は絶妙のバランスかも

しかし、ボーナス確率を低くするのではなく、獲得枚数もソコソコにしつつ、RTのパワーを損なっていない機種があります。『エウレカ』です。なんで、こんなバランスを保てたのか?


その答えは、ボーナス後のRT発動の遅さ・RT連チャン時の潜伏にあります。準備モード発動前はきっちり通常時と同じようにコイン(機械割)を削っていきます。

さらに、短期出玉率に影響しそうなボーナス終了後は、SINの取りこぼし目が出るのを待たせ、さらに潜伏させる念の入りよう。


そんな出玉を削られるところも、プレイヤー的にはRTの連チャン中だったり、期待を持ちながら打てる(比較的)楽しい区間に仕上がってます。これが実に上手い。

って、褒めまくる割に、そんな打ってないですけどね(笑)。



○つまりは……

キーボードを叩き続けて約22時間。何が言いたいのかわからなくなってきた(笑)。

まぁ、短期出玉率があるから、4号機のような瞬発力を持った機種は出てこられないということです。それを如何にかいくぐって新機種を開発するか。

私が語れるのは一部分だけかもしれませんが、ボーナス中やRTの潜伏などの技を駆使してメーカーの人たちも頑張ってるということが伝われば幸いです。