『東真子によるレット症候群写真展』感謝のきもち | ◆女性カメラマン◆東真子◆ファッションフォトグラファー

『東真子によるレット症候群写真展』感謝のきもち

 皆さま、先週は『東真子によるレット症候群写真展』へお越しいただき、
また、いろんなところでSNSで発信して頂き、本当にありがとうございました。
おかげ様で大盛況のうちに終わることができました。



 今回の展示は、『レット症候群』という先天性の不治の進行性神経疾患を患った少女、谷岡紗帆ちゃんを追った写真展となっております。
 レット症候群とは、生後半年から1歳頃までは普通に成長しているかのように見えるのですが、その後それまで出来ていたお座りや、ハイハイ、手を使っておもちゃで遊ぶ等の動作が徐々に出来なくなってしまう病です。
 またほとんどの子が、言葉を話すことが出来ません。
 さらに、てんかんや、側弯症、本人の意思と関係なく息をとめてしまう息こらえ、さまざまな障がいも併発する事が多い難病です。
 悲しい事ですが、突然死のリスクも健常者に比べ3,000倍高いと言われています。



 今回、展示中にいろんな方に
「どうしてこの写真を撮ろうと思ったのか?」
と質問していただいたのでお答えしますね。

 実は、この2年ほど、ずっと「写真家の本分とは何か」ということを自問自答し続けておりました。
普段てがけているファンタジーな世界は、自分で選んだ背景に自分で選んだひときわ美しいモデルさん派手なメイクに派手な衣装といったような、ディレクションされた世界でした。もちろん、それは私の好きで大切にしているワークの一つではあるのですが、「リアルと真実を正しく伝えること」こそ、写真家にしかできない使命なのではないかと考えていたのです。

 まさに、そのようなことを考えているときに、NPO法人レット症候群支援機構の谷岡様から撮影のご依頼をいただき、まさにこれは私の求めていた答えが見つかるのではないかと、喜んでボランティアとして引き受けることにしたのです。

 谷岡様に出会ってから、レットちゃんのことを勉強しはじめ、何も知らなかったところから理解を深めていきました。

 さほちゃんと向き合っていくうちに、さほちゃんを囲む前向きで明るい家族の姿が心に刺さり、さほちゃんを撮るというよりは、谷岡家と向き合ってさほちゃんを撮るというテーマにしぼりました。

 そして私は 娘の成長を楽しみにしていたのにそれが叶わなくなってしまった親御さんの辛さや、自分の想いを伝えることすら出来ないレットちゃんの苦しみ、注目される妹の影で我慢しながらも優しく妹を気遣うお兄ちゃんの姿、そのようなリアルを一人でも多くの方に伝えたいと思い、半年間、カメラを握って参りました。



 『レット症候群写真展』には、おかげ様で、想像をはるかに超える310人の方が三日間の間にご来場くださり、レットについて深く考え、SNSで病気について拡散をして下さいました。

 手前味噌ではございますが、一人でも多くの方に知ってもらいたいという目的は大成功に終わったと思います。



 また、会場に募金箱を設置していたのですが、総額159,205円にも上りました。
躊躇なくお金を募金箱へ入れて下さる方々に出会い、多くの方の優しさと温かさを感じました。
 お金を頂くって、すごいことじゃないですか?
 自分に関係の無いところで起きてることじゃないですか?
 それなのに、本当に自然に、アンケート用紙を入れるような雰囲気で、スっとお金を入れていって下さるのです。
なんて温かいんだろうと、胸を撃たれました。






ご来場いただいた方のうち、何人もの方が目に涙を浮かべ、何人かの方は大粒の涙を流しておられました。
直接お話できた方々から、温かい言葉をたくさん頂戴いたしました。
私が考えてなかったような深いところまで感じ取り言葉にしてくださった方もたくさんいらっしゃって、レットのことを多くの方に考えて頂けたこと、本当にうれしく思いました。

 今回の展示は、たまたまご縁を頂き、私にも出来ることを、と撮影協力したわけですが、撮影させて頂いた私の方がこの活動を通じて豊かな気持ちにさせて頂けたと感じております。

 開催が終了してもなお、わたしのSNSは、来場者からの投稿で溢れており、本当に出来ることをして良かったなと思っています。



 谷岡さんファミリーと出会い、人の温かさや、絆、支え合うことなどを学び、かけがえのない財産となりました。
最後、展示が終了し、パネルを片づけおわったとき、谷岡さんから「ありがとう」と紙袋を頂戴しました。
中には、レットをテーマに作られているブレスレットが入っており、谷岡さんご家族とおそろいだったんです。
いつもお宅にお邪魔すると、心より歓迎していただき、人の家なのにリラックスして一緒に食事をごちそうになったり
本当に仲間のように迎え入れて下さっていたのですが、このブレスレットが私たちの絆のように思えてすごくうれしかったです。

 そして、いっしょに入れてくれていた奥様の手書きのお手紙に、ひとりでシクシク泣いてしまいました。
やって良かったなという達成感やら、谷岡さんご一家に出会えて嬉しかった思いやら、がんばるさほちゃんを見てきてつのってきた想いやらが凝縮して、感動してしまいました。




 まだまだ、マイナーで、ほとんどの方に知られていないこの『レット症候群』ですが、今、私は、レットの明るい未来を確信しております。

 今後もこの活動を続けていく所存ですので、今後とも、どうぞ活動を見守っていてくだされば幸いです。
皆様、レットのことを知っていただき、考えて頂き、心より、御礼申し上げます。

最後になりましたが、谷岡さん、さほちゃん、ようこさん、ひろと。
さほちゃんの学校の先生方。
リハビリテーション病院の皆様。
レット症候群総会で出会った皆様。
当日お手伝いをしてくださった、ふみさん、ともみちゃん、あおいちゃん、まきちゃん、りこちゃん、みやちゃん、ひろゆきさん。
スタジモにしのみやの関係者の皆様。
印刷やさんのヒューマンインターフェース様。
取材いただきました読売新聞様、神戸新聞様、朝日新聞様。
ABCラジオ様。
プレスリリースはたくさん出すぎていて、把握しきれていませんが、告知していただいたすべての媒体様。

そして、ご来場いただいた皆様。
拡散していただいた皆様。

(個人的にですが、何年もお会いしてなかった古い友人、
東京など遠方からかけつけてくださった友人も)

本当に、ほんとうに、ありがとうございました!

                            東真子写真事務所
                              代表 東真子







※ 谷岡さんご家族と。




※ 会場内




※ スタジモにしのみや外観




※ 最終日、ご本人にご来場いただき、見て頂きました。
一面自分の写真におどろいてキョロキョロしてくれたのが印象的だった・・・♪