実録不良少女 姦 | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

「実録不良少女 姦」(1977/日活/77分)
監督/藤田敏八、脚本/出倉宏、原作/港マコ、撮影/萩原憲治、照明/新川真
出演/日夏たより、内田裕也、小川恵、岸部一徳、江角英明

「デビュー作で、かつ唯一の傑作」(@山根貞男)「非行少年・陽の出の叫び」以外、藤田敏八の映画を面白いと思ったことがなく、おざなりで官僚的でただだらだらしてる演出不在の映画という感じなのだが、この映画もおんなじ。

冒頭、ちょっといいショットがあり、川沿いに立つアパートのロケーションが素敵だったり、とは思うものの、それがどこにもつながっていかない。妊婦であることを示す説明的な数ショットにいきなりうんざり。
ラストのストップモーションまで、一体、何がしたいのか、まるでわからぬ。

松田政男は「ハマの大地に根の生えたように生き抜く」とこの女性像に感動しているみたいなのだが、全然、そーゆー映画じゃないじゃん。
逆に、まるで何を考えているのかわからない(つうか多分考えてない)内田裕也と岸部一徳が印象に残ったのだけど。