インファナル・アフェア | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

すんません、今頃観ました。
しかし、全然、評判ほど、いくないじゃん。なんじゃこれ?

どんでん返しのためのどんでん返しと、善と悪がどうしたこうしたの理屈がこねられるばかりで、まるでつまらん。
最悪なのは、サスペンスを醸成する絵より、スタイリッシュな構図への誘惑に作者が負けていることだ。
さらに、それは叙情的な絵の垂れ流しへとつながる。

というわけで、シリーズ三作を観たのだが、1作目、3作目が上記の言葉通り、最悪。特に3作目はこの作者たちの悪いとこがはっきり出ているようなだるだるの出来。
2作目はそれほど悪くない。ちょっと「ゴッドファーザーPART2」を意識したような感じ。しかし、潜入捜査官モノである必要がまるでないのは、どうなのと。

スコセッシがリメイクするそうだが、それは企画上のことだと信じたい。この糞シリーズをリメイクすると見せかけて、アンソニー・マンの「T-men」のリメイクをきっと彼は目論んでいるのだ。