蛇娘と白髪魔 他2本 | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

ラピュタ阿佐ヶ谷で三本。怠惰な映画の楽しみ。
というか、こんなことしてていいのか、とたまに思う。ま、いっか。


「大学のお姐ちゃん」
1959年(S34)/東宝/カラー/92分
■監督:杉江敏男/脚本:笠原良三/撮影:完倉泰一/美術:村木与四郎/音楽:神津善行
■出演:団令子、中島そのみ、重山規子、宝田明、司葉子、久保明、夏木陽介

実にどうでもいいエピソードが起伏のないまま連なり成立している映画。
それぞれのエピソードのバランスや配置が上手いのだろうか、なんということもなく軽く、気持ちよく観られ、クライマックス(とも言えないんだけど)のダンスパーティーでは妙に盛り上がる、いや別に盛り上がってもないんだけど、なんとなく楽しい。
こーゆー映画、澤井信一郎あたりが撮ってくれればね。

メモ/平田昭彦が塩沢ときの愛人役、サングラス姿がかっこいいっす。江原達怡がなかなか好演していて、団令子とのカップリングがいい。


「怪談色ざんげ 狂恋女師匠」
1957年(S32)/松竹京都/白黒/101分
■監督:倉橋良介/脚本:柳川真一/撮影:服部幹夫/美術:桑野春英/音楽:木下忠司
■出演:水原真知子、名和宏、北上弥太郎、瑳峨三智子、日守新一、田崎潤

アップ、アップによるつなぎが、80年代以降のハリウッドに先んじたナウい映画と評することも出来なくはないが、ま、出来ない。
とっても下手でつまらないんで、おっちゃんは困っちゃいました。田崎潤の悪党ぶりとラストのドスによる殺陣だけがちょい面白い、ちょい、ね。


「蛇娘と白髪魔」
1968年(S43)/大映東京/白黒/82分
■監督:湯浅憲明/脚本:長谷川公之/原作:楳図かずお/撮影:上原明/音楽:菊池俊輔
■出演:松井八知栄、高橋まゆみ、平泉征、浜田ゆう子、北原義郎

日本全国の小学生を恐怖のどん底に叩き落とした、楳図かずおの「呪いの館」の映画化。
しかも楳図先生のカメオ出演ありで、カルト度やけに高い一編。
当然、かのタマミちゃんも出てくる上に、結末はミステリー仕立て。
しかし、まぁ、普通の出来。手堅い。それだけか、それだけっす。

メモ/お手伝いさん役にして、恐怖劇の影の黒幕、あ、ネタバレしちゃったが、ま、いいか、
目黒幸子は大映映画には欠かせない名傍役。覚えて損はしない、得もしないが。