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ServersMan@VPS上のUbuntuの環境構築の話題。

今回はメールサーバの構築についてです。

メールサーバの構築には「SMTPサーバ」と「POP4/IMAP4サーバ」の2つを組み合わせて構築します。

今回は「SMTPサーバ」に「Postfix」、「POP3/IMAP4サーバ」に「Dovecot」を採用します。

■パッケージのインストール
今回使用する2つのサーバを同時に導入するための仮想パッケージがUbuntuでは提供されています。
それが「dovecot-postfix」と言うパッケージです。

今回はこのパッケージを使用します

それでは以下のコマンドを打ってください。
$ sudo apt-get install dovecot-postfix

するとインストールが開始されますが、途中で設定のための画面が表示されます。

その設定画面は「Postfix Configuration」と言うタイトルで文字通り「Postfix」に関する設定を行うための画面です。

今回はこの画面で設定をしていきます。そうすると、インストール後の各種設定ファイルの修正が最低限で済むからです。
ここでは日本語表記の場合について説明します。

まず、最初に表示され画面で「インターネットサイト」を選択します。

すると、次の画面で「システムメール名」を入力する画面です。
ここでは、メールアドレスの「@」の後ろにつけるドメイン名を記述します。

これだけ入力すると初期設定は完了です。残りの設定はインストール後に手作業で設定ファイルを修正します。

あとは、インストールが完了するまで処理の流れを見ておきましょう。。。

■dovecotの設定
メインの設定ファイルは「/etc/dovecot/dovecot.conf」です。
今回についてはこのファイルは特に弄りません。

よくこのファイルにSMTP認証関連の設定を記述するよう書いたサイトがありますが、このファイル中の「1109行目」位ですか? 以下の記述があります。
!include_try /etc/dovecot/auth.d/*.auth

これにより、認証系の設定については「/etc/dovecot/auth.d」のパスに格納された、拡張子が「auth」のファイルに記述する形となっています。

それではこの認証系のディレクトリを見てみます。
$ cd /etc/dovecot/auth.d
$ ls
01-dovecot-postfix.auth

この設定ファイルを開いてみます。
$ sudo vi 01-dovecot-postfix.auth
mechanisms = plain login

socket listen {
client {
path = /var/spool/postfix/private/dovecot-auth
mode = 0660
user = postfix
group = postfix
}
}

今回この設定ファイルを少し弄ります。
#mechanisms = plain login
mechanisms = cram-md5 apop

passdb passwd-file {     
args = /etc/dovecot/passwd
}

socket listen {
client {
path = /var/spool/postfix/private/dovecot-auth
mode = 0660
user = postfix
group = postfix
}
}

「mechanisms」は認証方式でこれを「cram-md5」と「apop」へ修正します。

また、認証の際に使用するパスワードファイルの格納場所に関する設定として「passdb passwd-file」のセクションを追加しています。

そして、上記の「passwd」ファイルを作成します。
今回メールを使用するユーザのアカウントを仮に「hoge」とします。
その場合の上記ファイルの作り方は。。。
$ cd /etc/dovecot/
$ dovecotpw
{CRAM-MD5}ccabb0a92adeb640a3da9364914f2da3d639e8174599f719e8bdceabe408931b

$ sudo vi passwd
以下を記載
hoge:{CRAM-MD5}ccabb0a92adeb640a3da9364914f2da3d639e8174599f719e8bdceabe408931b


■postfixの設定
次にpostfixの設定です。
$ cd /etc/postfix
$ sudo vi main.cf

上記を見て不足していると感じる項目を追加してみます
# メールボックスの最大サイズ
mailbox_size_limit = 20480000
# 送受信可能な最大メールサイズ
message_size_limit = 20480000

とりあえずこれくらいですかね。。。

もうひとつ「master.cf」を少し修正します。
$ sudo vi master.cf
...
#submission inet n - - - - smtpd
...

上記のコメントを解除してください。
このファイルの修正はこれだけです。

■それではサービスの再起動
以下のコマンドを打ってください
$ sudo /etc/init.d/dovecot restart
$ sudo /etc/init.d/postfix restart

設定ファイルに誤りがなければ問題なく起動すると思います。

■メーラの設定
メーラによって色々と設定方法があると思いますが。。。。

私の使っている「Thunderbird 3.1.7」についてはメールのアカウントを追加する際に、「メールアドレス」と「パスワード」を入力すると自動でサーバを探してポート番号や認証方式を設定してくれる機能があります。

この機能を使うと簡単ですが、そんなメーラを使っていない方へとりあえず最低限の情報を提供します。

POP3サーバのポート番号 :110
IMAP4サーバのポート番号:143
SMTPサーバのポート番号 :587

そしてセキュリティの設定で以下のような選択を行います。

接続の保護は「STARTTLS」
認証方式は「暗号化されたパスワード認証」
※何れも「Thunderbird 3.1.7」の場合

これで一応Windows XPを搭載したPCからServersMan@VPS上のメールサーバを介してメールの送受信が行えるようになりました。

以上です