大池田のがらくた箱

大池田のがらくた箱

ブログで小説を載せている大池田です(。・ω・)ノ゙ここでは登山日記(小説)を中心に載せていこうと思っています。

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          福田樹脂
           1
 祖父が老人ホームで死んだ。
 親父は既に亡くなっていたので、遺体は私達夫

婦が引き取ることになった。
 うちの母親は離婚していたので祖父とはもう関

係が切れている。
 祖父は遠くの施設に入居していたので、その町

の火葬場で焼いて貰い、遺骨のみを持ち帰るこ

ととなった。
 「福田さんでしたね。」
 施設で遺物の整理をしているときに、急に施設

長が呼び止めた。
 「故人からこれを預かりまして・・。」
 施設長は白い封筒を差し出した。
 「なんですか、これは?」
 白髪頭の施設長は頭を掻いた。
 「私は何も聞いていません。お孫さんが来たらこ

れを渡してくれと頼まれただけで・・。」
 封筒をあけてみるとご丁寧にもう一枚封筒が入っ

ていて「F計画について」と書いてあった。
 「F計画?何のことだろう。」
 あまり気にせず、そのまま上着のポケットに入れ

た。その時はたいして気にもとめなかった。
 祖父は少し呆けていたのだろうと思っていた。
             2
 「どうして神島なんかへ。」
 急に出不精の私が旅行なんかしようと言い出した

ものだから、妻の泉美はびっくりしたのだろう。
 「いや、どうもお祖父さんの手紙が気になってね。」
 祖父の遺品を処分するために施設に行ったときに

預かった手紙である。
 「F計画」について、と記された白い封筒に入れら

れた文書であった。
 内容は、伊勢の神島のあるところに「F計画」につ

いて関わるものを保存してあるので、それを処分し

てきて欲しいというものであった。
 「F計画」がいかなるものであるかは、何も書かれ

ていない。
 こんなわけのわからない話につき合う必要はない

が、そうもいかない理由があった。
 祖父は旧帝国海軍に所属した軍人であり、多額

の軍人恩給をもらっていた。施設の中でお金を使う

ことはあまりなかったので、多額の預金を自分たち

が相続することとなったのである。
 お金をもらって用事を無視するということは気が引

けたし、さして難しいことでもなかった。
 戦争中に祖父は伊勢の神島である研究をしてい

たらしいが、そのことでBC級戦犯に問われることを

恐れ、研究の成果品、おそらくは何かのデーターを

民家の屋根裏に隠したらしかった。
 それを処分してきて欲しいということであった。
 その民家が既に無くなっていれば、それを探すに

及ばないと書いてある。
 おそらく廃材と一緒に処分されていれば、それで

良いと思ったのだろう。
 果たして、その記された住所を電話で問い合わせ

てみると、まだ建物は現存していた。
 それで持ち主に話をして、家の中へ入れて貰うこと

にしたのである。もちろん若干の謝礼は用意してあ

る。
 それにしても、死ぬ間際になってなぜそんなことを

気にし始めたのだろう。
 余命幾ばくもなくなって、もう戦時中のことで罪を問

われることもないだろうに・・。
             3
 祖父が所属していたのは海軍陸戦部隊である。
 日本艦隊はレイテ湾沖の海戦で事実上その能力

を失っていて、米軍への攻撃は主に零戦による神風

攻撃が主な対抗手段になっていた。
 硫黄島・沖縄と陥落し、本土決戦に備え、海軍は水

中での特攻兵器として海龍(かいりゅう)や蛟龍(こう

りゅう)などを建造していた。これは小型の潜水艇で

あるが、先端部に爆薬を装着した人間魚雷回天(か

いてん)とあまり性能的に変わりはなく、魚雷を発射

し敵艦艇に発見されずに帰還することは事実上不可

能だったから、出撃がすなわち戦死となる。
 このころは日本本土に敵のB29が頻繁に来襲する

こととなっていたから、湾内の日本艦艇はほとんど抵

抗もできずに破壊されるか行動不能となっていた。
 乗る船が無くなった海軍軍人は陸に上がって陸戦

部隊となった。つまりは予備役である。
 祖父はここ神島で大学時代の研究を、軍の指導で

続けたようである。
 神島は伊勢湾内の孤島で、橋が通じていないから

鳥羽から市営の巡航船に乗ることとなる。
 港には巡航船に乗る人用に駐車場も設けてあった

から便利であった。
 「福田さんですか。お待ちしてました。」
 港には60歳くらいのお婆さんが待っていてくれた。
 こちらから無理なことを言っているのに、気を遣って

貰って悪いことをした。
 お婆さんは港近くで今田商店という雑貨屋を経営し

ていた。
 戦前からずっと雑貨屋を営んでいるという。島は三

重からも、対岸の愛知からもかなりの距離が有った

から、こういった雑貨店は重宝するのであろう。
 祖父はここの二階に下宿していたらしい。
 手紙に書かれたとおり、二階の押入の天井板を押し

てみると板が動いて天井裏が見れるようになっていた。
 「あった、あったよ。」
 懐中電灯で照らしてみるとブリキの缶が見えた。
 ホコリにまみれた缶を引き出してみると、上に森永ミ

ルクキャラメルと書かれた小さな空き缶が載っていた。
 「戦争中の慰問用のキャラメルだね。懐かしい。」
 お婆さんがそう説明してくれた。
 戦争中、慰問袋の中にこの缶入りキャラメルが入れ

られたらしい。過酷な戦場でも傷まないようにとの配慮

からだろう。
 ネットで売れそうなので、ホコリを落としてポケットの

中に入れた。
 「このブリキ缶を、開けずに海に放り込め、と書いてあ

る。」
 ブリキ缶は結構重たい物である。勝手に開かないよう

にふたの継ぎ目にロウで厳重に目張りがしてあった。
 「港で海に放り込んだら漁師の人に叱られるよ。人気

のないところへ行きな。」
 お婆さんの助言通り、私は少し人気のないところでこ

っそり処分しようと、その缶を持ち出した。
             4
 「奇麗な所ね。」
 泉美が嬉しそうに笑った。
 遊歩道を通って監的哨(かんてきしょう)の跡へ行く。
 コンクリートの廃墟がある。戦争中に陸軍が高射砲の

着弾を観測した施設らしい。
 三島由起夫の潮騒の舞台になった所である。
 主人公がこの施設で結ばれる所だ。
 二階建てになっているので屋上へと上ることも出来る。

景色がすばらしい。
 「来て良かったわね。」
 特に何もないところだが、それだけに都会にはない自

然を味わうことが出来る。
 観光も終わったことだし、そろそろ遺言通り缶を捨て

ようと遊歩道を下りかけたときである。
 「その缶を渡すように・・。」
 振り向くとサングラスをかけた金髪の美女がピストル

を構えていた。
 「何の冗談ですか。」
 私達夫婦は震え上がった。
 まさかこんなことになるとは思ってもいなかった。
 「それは、旧日本海軍のF計画に関する物でしょう。」
 なぜかこの外人は、祖父の携わった作戦を知っている

ようだ。
 「米軍の古い資料を見ていたらF計画の文書を見つけ

たのよ。当時の占領軍は荒唐無稽な作戦と判断して、

気にもとめなかったらしいけどね。」
 流暢な日本語である。何者だろうか。
 「あなたは一体?」
 彼女は口元に少し薄笑いを浮かべた。
 「私はロージー・カツラ。あるところで兵器の開発に携

わっている日系人よ。」
 祖父の作った物が現代の兵器にも適用できるというの

か?この汚いブリキ缶に入った物が・・。
 「この計画の主要メンバーの一人だった、福田少尉に

も老人ホームでお会いしたわ。彼は口が堅くて知らない

の一点張りだった。彼の死を聞いて、ずっと親族であるあ

なたの動きを監視してたのよ。」
 うわあ、尾行や盗聴とかされてたのか。私のような小市

民に・・・。
 「さあ、おとなしく渡しなさい。」
 元々こんな物、頼まれたから取りに来ただけで何の未

練もない。彼女の足元に放り投げた。
 「どっ、どうぞ。お受け取りになってください。」
 あわてて放り投げたので、缶の蓋が開いてしまった。
 中からところてんのような物がグニャリと出てきた。
 「これが福田樹脂ね?」
 ミス・ロージーは、はみ出たところてんのような物に何気

なく指先で触れていた。
 「きゃあ、何これ?」
 彼女はあわてて指を引っ込める。
 ぐにゃりとそれは缶から紐のように長くのびて彼女の衣

服にくっついた。
 「とっ、取れない。」
 ハエ取り紙のようになっていて、ネチャリとしぶとくっつ

いてくる。
 「強力な接着剤だったのかな。」
 私達三人はブリキ缶を見て、ぞっとした。缶がひとりで

に震えているのだ。生きているように見えた。
 やがて缶の蓋が開き、中の物が吹き出してきた。
 「いやあ、ちょっと助けて。」
 吹き出た内容物はミス・ロージーの足に絡みついた。
 「うっ、動けないわ。」
 缶の中の物は明らかに質量が増しているように見えた。

後から後から膨らんでくる。
 「なんなのこれ?説明書とかなかった?」
 ロージーさんはパニックになって必死で福田樹脂から

逃れようともがいた。
 「あのう、あまりバタバタすると練った水飴みたいになっ

て、かえって硬く結びつくようですよ。」
 彼女の両足はほとんど身動きできなくなってきている。
 「説明書・・?あっ、あのキャラメルの缶だわ。」
 妻が森永キャラメルのカンカンのことを思い出した。
 あわてて中を開けると何か文字の書いた文書がでてき

た。
 「これは敵の優勢な機動部隊、特にM4シャーマン戦車

に対抗するために作られた兵器である。」
 私はみんなに呼んで聞かせた
 「この兵器は太陽光にさらすと内部の葉緑素が反応し、

無限に細胞分裂を繰り返し広がっていく・・。」
 蓋を開けてはいけなかったのだ。
 「手に付いた場合はベンジンまたはシンナーで速やかに

ふき取ること。」
 今更そんなこと判っても仕方ない。
 「増殖スピードは著しく速く、数分で質量は倍になる。設

置した後は速やかに現場を離れること。」 
 確かに見る間に広がりつつある。
 私達二人は後ずさりして逃げようとした。
 「待ちなさい、見捨てる気?」
 ロージーさんはピストルを構えた。
 「どうにもなりませんよ。助けを呼ばないと・・。」
 彼女は泣きそうな顔をした。
 「お願いここに居て・・・。私、助からないような気

がするの。」
 客観的に見てそうだろうけど、自ら蒔いた種でしょうが。

私達まで道連れにしなくても。
 「あなた説明書を・・・。」
 続きを読めと妻が促した。助かる術が書いてあるかも知

れない。
 「これはアメーバのような原形質流動をすることができ、

仮足により自立的に活動することが可能である。」
 細胞内部の物質を流動化さして自ら動くことが可能なの

だ。ますますタチが悪い。
 そういえば、だんだんこっちに近づいてくる。
 「この、化け物め。」
 ロージーさんは自分の足元を撃ってこの生物兵器の息

の根を止めようとした。
 「銃撃・砲撃は一時的に樹脂に空洞を穿つのみで、すぐ

に塞がって効力はない。むしろ拡散させて危険である、と

書いてある。」
 これはまずい。取り込まれたら本当に動けなくなって、と

んでもないことになりそうだ。 
 「あのう、私達は逃げてもいいですか?」
 彼女は必死の形相で銃をこちらに向けた。
 「お願い、助けてくれたらなんでもする。お嫁さんになっ

てあげてもいい。そんなちんちくりんのブスより私の方が

いいでしょう。」
 うむ、と妻の方を見てみる。
 確かにそうかも知れんが、命あっての物種だろう。
 「あんた、何見比べてるのよ。」
 しまった、気づかれたようだ。
 しかし冗談抜きで、このままでは三人とも死を待つだけ

である。  
 「あっ、あれは何だ。」
 私は海の方を指さして大声を出した。二人がそっちの方

を見る。
 「えいっ。」
 妻を蹴っ飛ばしてロージーさんにぶっつける。
 ふたりはそのまま倒れ込んだ。 
 「ちょっと待っててくれ。助けを呼んでくる。」
 見る間に福田樹脂は広がりつつあった。
 「待ちなさい、この人でなし!」
 置き去りにされた二人が大声でののしった。
 合理的に考えて、三人が死ぬより一人だけでも助かった

方が良いに決まっている。
               5
 キャラメルの缶にはこの生物の弱点は書いてなかった。
 たぶん火は有効だろうが妻も焼き殺すことになるだろう。
 また、成長スピードが速いので小さな火では樹脂の拡

散を防ぐことはできない。
 私は港まで走ると今田商店にかけこんだ。
 「おばさん、塩をあるだけください。」
 荷物を運ぶ台車にボール買いした食塩を積み込むと、

あわてて坂を駈け上った。
 「祖父は最初に海に投げ込めと言っていた。陸生生物

だから海の中では生きられないのだ。」
 それなら塩にも弱いはずだと考えたのである。
 特に根拠はない。
 外れたらそれまでである。
 既に樹脂は10メートル四方に広がっていた。
 真ん中に妻達が固まっている。
 「このろくでなし、悪魔!」
 私の顔を見るなり罵詈雑言を浴びせかけてくる。
 まだ元気なようである。
 「えいやっ。」
 思い切り塩をぶちまけると見る間に動きは鈍くなり、硬く

なっていく。
 死ぬと硬化するようで、文字通りの透明な樹脂に変化

していった。
 広がらないように縁から塩を撒いていくと何とか拡散は

防げた。最後に妻達に塩をかけると二人は透明な彫像の

ようになった。
 島中が樹脂に覆われる所だった。
 祖父がこの島を実験場に選んだのは、失敗しても犠牲

が島民だけに止まるからであろう。
 酷いやり方である。
 「兵器として使われなかったのは、敵味方を区別なく攻

撃するからか?」
 本土で使用したら日本国中が固まってしまうこととなる。
 「早く助けて!」
 とりあえず妻を切り取る。樹脂は硬くなるともろいようで、

ナイフで簡単に切れた。
 「私は?」
 ロージーさんがこちらを訴えるような目で見る。助ける義

理はないが・・・。
 とりあえず銃を奪って海に捨てる。
 「悪い人でもなさそうだし・・・。」
 樹脂を切ってあげると彼女は礼を言って消えた。福田樹

脂が使い物にならなくなった以上、私達に用はないみたい

だった。
 「私を蹴飛ばして逃げたとき、もう戻ってこないのかと

思ったわ。あなたそんな人じゃないのに、疑って悪かった

。」
 泉美はそう謝ると腕を組み、ほっぺにキスをした。
 塩が効かなかったら逃げたであろうことは、やはり黙って

おこうと思う。



大池田のがらくた箱


これは米軍のシャーマン戦車 茨城県の土浦市にありま

す。

  

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        喧嘩の後には


大池田のがらくた箱

             1
 「まったく、女の子のくせに男の子と殴り合いのけんか

をするなんて・・・。」
 母親が金切り声をあげた。
 「おまけに相手を病院送りにしたそうじゃないか。」
 父も呆れた顔をしている。
 小田栄一との決闘・・・。
 誰か一部始終を見ていた人が居て、救急車を呼んだ

らしい。
 大騒ぎになってしまった。
 あれからクラスの女子たちは、私を恐れて妙にびくび

くしている。
 元々クラスで孤立していたのに、今は前より状況は悪

くなった。
 「いいか、もう少し女の子らしくするんだ。」
 父親はカンカンになって怒っている。
 大事な娘が怪我をしないか心配なのだろう。
 「少しはおとなしくなるよう、花嫁修業をさせることにし

たからね。」
 母親はそう言ってパンフレットを差し出した。
 華道教室への申込書である。
 「お父さんの知り合いのツテを頼って、特別に個人指導

してもらうことにしたの。」
 家にわざわざ出向いて華道の指導をしてくれるそうだ。
 たぶん通うことにしたらサボっていかないと思っている

のだろう。
 「まだ若いのにかなり実力がある人なのよ。」
 とってもおしとやかな人だと、母は羨ましそうだった。
 私は気が乗らなかったが、入門しないという選択肢は

ないようである。
             2
 その日は先生が来るというので、早朝から母親はバタ

バタと忙しそうにしていた。
 「着物も一人で着られるようにならないと・・・。」
 私に着物を着せながら母親はブツブツとそう言った。
 長身の私は、和服が似合わない。
 ニューハーフの人が着物を着ているように見えてしまう

のだ。
 お花以外にも着物の着付けとかも教えてくれるそうであ

る。
 「着物なんか・・・。」
 できれば着たくなかったが、お嬢様である私は両親に

は逆らえない。
 お嬢様とはそういう生き物なのだ。
 「さあ、綺麗になったわよ。」
 母親が髪をセットしてくれた。着物に合わせて髪もアッ

プした。
 「あっ、満更でもないかな・・・。」
 姿見で見ると、新しい着物の柄は私によく似合ってい

るようだった。
 落ち着いた感じの、大人びた色合いにしたのがよかっ

たようである。
 そうしている間にチャイムが鳴り、先生が来たようだっ

た。
 客間に行くと、先生は母親に案内されて既に座って待

っていた。
 「わたくし、華道草月流で師範を務めさせていただいて

います。」
 お花の先生はそう言って深々と頭を下げた。
 この声、どこかで聞いたことがあるような。
 先生が頭を上げて目が合ったとき、見慣れた顔が目の

前にあった。
 「おまえは勅使河原真由美!」
 草月流の家元もたしか勅使河原・・・。まさか、親戚なの

か?
 こんな奴に教えを受けないといけないのか・・・。
 だいたい、こいつのどこがおしとやかなのだ。
 いろんな思いが交錯し、混乱したまま立ちすくんでいる

と、勅使河原はパンパンと両手を叩いた。
 「はい!さっさと座りなさい。最初に言っておくけど、

私の指導は厳しいわよ。」
 勅使河原は学校に居る時と打って変わって、とっても

偉そうにしていた。
 「くうう・・・。」
 腹立つなあ・・・。
 その日から地獄の花嫁修業がはじまった。
            3
 その後、勅使河原師範に厳しく指導を受けた西園寺さん

は、メキメキと頭角を現し、その実力と美貌で門人の尊敬

を集め、たくさんのお弟子さんを抱えるようになったそう

です。
 (草月流、西園寺一派というらしい・・・。)


 良いこの皆さまへ
 勅使河原さんとは、何だかんだ言いながらも仲が良かっ

たみたいですね(。・ω・)ノ゙




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           西園寺の危機
             1
 「先輩、一緒に帰りましょう。」
 6限目が終わると小さな下級生が出口で立って待

っていた。
 ラブレターをくれた伊藤千春だった。
 このところ毎日待っていてくれている。
 「クスクス。やっぱりあなた達、付き合っているのね

。」
 勅使河原真由美が私達二人をめざとく見つけると、

笑いながらそう冷かして帰っていった。
 「ふん、なんとでもいえ。このアホ!」
 別に断る理由もないので、後輩と帰ることにして

いる。
 千春は私の左手に巻きつくように両手でしがみ

ついて歩く。
 「ちょっと離れなさい、歩くのに邪魔。」
 そうやって叱っても離そうとしなかった。
 「だあって・・・。」
 困った子だと思うが、妹のようにかわいいので邪険

にもできなかった。
 「先輩、私を守ってくださいね。」
 私の手を右手をしっかりと握りながら、千春は小さ

な声でそうつぶやいた。
 「なに?どうしたの?」
 千春は、何かに怯えているようにも見える。
 「最近、誰かの視線を感じるのです。」
 誰が見ているのかわからないのだが、物陰から自

分を見ているような気がするという。
 千春は勘の良い子のようである。
 「なんか悪意があるような、いやらしい視線。」
暗い道を一人で歩いていると、遠くから誰かの足音

がするという。
 不思議に思って立ち止まったり、スピードを落とし

たりすると、相手も歩調を合わせ距離を置いてつ

いてくるらしい。
 誰なのか気になるが、怖くて振り向けないという。
 「千春は可愛いからな。男の視線を集めるのも無

理はない。」
 どうも聞いた限りでは気のせいともいえないような

状況だ。
 その日はちょっと買い物があったので、地下鉄を降

りて家の近くまで来るとあたりは暗くなっていた。
 「ここでお別れね。」
 千春とは割と家が近かったが、別の町なのでずっ

と一緒に帰るというわけにはいかない。
 「嫌です、ついてきてください。」
 そうはいっても、千春のマンションまで付いていって

は、かなりの遠回りになってしまう。
 「駄目だよ。私の帰るのが遅くなっちゃうじゃない。」
 千春を腕から無理に引き離した。
 「こわいです、何をされるか・・・。」
 そう言いながら、彼女は渋々と一人で暗い道を帰っ

ていった。
 「さあ、早く帰ってご飯食べないと・・・。」
 私はそう独り言を言って、千春と別れると自宅へと

向かう・・・、ように見せかけた。
 100m程歩くと、後ろを向いて引き返す。
 誰かが付けていれば、そいつの後ろに回れるはず

である。
 千春と別れた交差点からしばらく進むと、急に彼女

の悲鳴が聞こえた。
 「きゃああ、何するの。」
 声のした方へと、あわてて駆け出す。
 千春の声は暗い路地からしたようである。
 路地には黒い服を着た大男に千春が両肩を掴まれ

ていた。
 「早く西園寺と別れるのだ。さもないと・・・。」
 千春の顔は恐怖でひきつっていた。
「おまえ、かわいい私の後輩に何をしている。」
男はあわててこちらを振り向いた。
 「手を離せ!許さん!」
 そう言いながら、自分でも意識しないうちに、急に右

拳が相手の顔へと伸びていった。
 「うむ!」
 相手は、まさか女の子に殴られるとは思っていたよう

で、油断していたようだ。
 カウンターが相手のあごにあたって、そのまま後ろ向

きに倒れた。
 「こいつめ!」
 無我夢中で倒れた相手に馬乗りになると、そのまま

殴り続けた。
 「死ね!この痴漢め!」
 相手は倒れたまま、私の両こぶしの洗礼を受け続け

る。
 「先輩、もうやめて!死んじゃいます。」
 千春の悲鳴で我に返ると、組み敷いた相手はすでに

気絶してグッタリとしていた。
 ちょっとやり過ぎたみたいだ。
 相手が動かなくなったため、急に緊張が途切れて、肩

の力が抜けた。 
 「うっ、何かお尻にあたる。」
 その途端、急にお尻に固いものが当たっているのに気

付いた。
 「先輩、こいつ勃起したまま気絶しています。」
 千春が男のズボンを覗き込んで、不気味そうにそう報

告した。
 「うぎゃあ、汚い!」
 あわてて男の体から飛びのいた。
 女の子から暴力を受けると興奮する性質のようだ。
 「こいつ、よく見たらレスリング部の小田栄一じゃない

か。」
 インターハイにも出た、高校レスリング界屈指の選手

だった。
 甘いマスクで、女子にも人気がある。
 なぜか、幸せそうな顔をして眠っていた。
 「もしかして、こいつ・・・。千春じゃなくて、私のこ

とが好きだったのか?」
 千春がぴったりと私にくっついているのが邪魔だったの

か?
 それともヤキモチを焼いていたのだろうか?
 とにかく、妙な性癖のある男に好かれてしまったようだ

・・・。
 千春の方を見てみると、小さくなって震えている。
 「大丈夫か?」
 駆け寄って肩を抱いた。
 「うん・・・?少し顔が痛いかも・・・。」
 小田は190を超える大男である。興奮してしまって、彼

女を傷つけたのだろうか。
 「どれ、見せてみろ。」
 私は千春の顔を覗き込んだ。
 「えい!」
 そう言うと、彼女は猫のような素早さで私に唇を合わせ

てきた。
 「やった!先輩の唇いただき!」
 不意を突かれていきなり吸い付かれた。
 「なにを・・・!」
 あわてて千春を引き離す。
 「先輩の唇、柔らかいのですね。」
 千春は満足げに笑みを浮かべた。
 一瞬呆然となった私だったが、何をされたのか初めて気

が付いた。
 「ううっ・・・、初めてだったのに・・・。」
 あまりの衝撃に涙が一粒、頬を流れた。
 「ぶたないで!」
 千春があわてて両手で顔を覆った。もちろんそんな気力

などない・・・。
 「やっていいことと、悪いことがあるのだからな!」
 私は、そのまま道路にしゃがみこんでしまった。
 「先輩・・・、泣かないで。ごめんなさい。」
 こんな展開になって、彼女もあわてたようだ。
 千春は泣きじゃくる私の周りをグルグルと回って、何度も

何度もあやまり続けた。
               2
 そんなことがあってから、数年が過ぎた。
 ある日の日本武道館・・・。
 「やりました、日本の小田栄一、遂にWWE世界ヘビー

級チャンピオンのベルトを手に入れました。」
 リング上で小田はベルトを高々と上げ、観客に向かって

アピールしている。
 プロレス界、最高と言われるメジャータイトルWWE。
 ジャイアント馬場やジャンボ鶴田以来、やっと日本人が

手にすることができた。
 「まさに小田は、人類史上最強でしょう。」
 千春を襲った小田栄一は、その後アマレスでのオリンピ

ック金メダル獲得後、プロレスラーとして活躍していた。
 彼は打撃系の技も強く、立ち技のK-1や総合格闘技で

も負け知らずである。
 その日はたくさんの報道陣に囲まれ、彼は遅くまでみん

なの祝福を受けていた。
 深夜2時を回ってやっと人々が帰り、彼が着替えようと控

室に戻ったとき、一人の女性がロッカーの前に立ちすくん

でいた。
 腕組みをして、じっとこちらの方を見ている。
 その顔を見ると、小田は子供のようにニッコリと笑った。
 「ふっ、やったな。さすが私が選んだだけのことはある男

だ。」
 待っていたのは彼の同級生である、西園寺泉美である。
 「来てたのか?どこに居たんだ。」
 リングの上から、目につくようなところに彼女の姿はなか

った。
 「目立つところに居たら、お互いまずいでしょう?」
 そう言うと西園寺はツカツカと彼の元へと近づいて体を寄

せてきた。
 『今日ぐらいは甘えて見せてやるか・・・。』
 彼女は聞こえないような声で一言そうつぶやくと、小田栄

一の首に両手を回し、抱きついて見せた。
 「きょうはたっぷりとご褒美をあげるからな。」
 耳元でそうささやいて見せる。
 タイツの上からも、小田がすっごく興奮しているのがわか

った。
              3
 私の名は西園寺泉美。
 人類史上最強と言われた、WWE世界ヘビー級チャンピ

オン小田栄一を、唯一KOした経歴を持つ女。
 どうやら、そろそろ年貢を納めるときが来たらしい・・・。

 


良い子のみなさまへ
 どんなご褒美なんだろう・・・。
 (。・ω・)ノ゙




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        ラブレター

大池田のがらくた箱

            1
 下駄箱を開けると何か手紙のようなものがパ

ラリと落ちてきた。
 なんだろう?
 「ちょっと西園寺、それラブレターじゃないの。」
 偶然近くに居た、勅使河原がめざとくその光

景を見つけた。
 「うん、そうみたいだね。」
 誰だろか?こんなことする奴は・・・。
 そのまま手紙を鞄の中に押し込んだ。
 教室に帰ってみてみると、差出人は「伊藤千

春」と書いてある。
 「千春?聞いたことないな。そんな男の子居た

かな。」
 どうも年下らしい。
 私が油絵のコンクールで県知事賞を取ったこ

とや、陸上の中距離で全国大会に出たことを褒

めている。
 他にもいろいろと私の日常生活を書き綴ってあ

った。
 「よく調べてあるな。」
 よくいく店や好きな食べ物のことも書いてあった。
 「ストーカーかこいつは?」
 どうも知らずに付けられているような気がする。
 おかしい?そんな男、見かけたことはないのだ

が・・・。
 放課後に屋上で待っていると書いてある。
 鬱陶しい奴だったら、その時注意してやればい

い。
 「西園寺、嬉しそうね。初めてもらったの?」
 手紙を見ていると、いつの間にか勅使河原が横

に来ていた。
 「ふん、私の周りの男たちはこんなコソコソする

奴は居なかったからな。」
 勅使河原は好奇心旺盛な顔でじっと手紙を見て

いた。
 書いてあることが気になって仕方がないらしい。
 「まあいい、暇つぶしに会ってやるか。」
 私は手紙を、気のないそぶりをして鞄に押し込ん

だ。
 「ねえねえ、どんな人なんだろう?」
 勅使河原は興味津々のようだった。
 「おまえには村田君が居るじゃないか。」
 人の恋愛に口を出さなくていい。
 「彼とは別れたわ。」
 人から奪っておいて捨てたのか・・・。
 「なんだったらあげるわよ。口きいてあげようか

?」
 だれが、お前のお古なんか要るものか・・・。
            2
 放課後に屋上へ登ってみると誰も居なかった。
 「からかわれたのかな。」
 塔屋の後ろへと回ったときである。
 音もなく一人の人物がそっと私の後ろに回り、いき

なり両手でお尻を触ってきた。
 「きゃあ、何するの!」
 あわてて振り向くと、目をつぶったまま平手で顔を

打ってやった。
 「私をこんなとこに呼び出して、痴漢する気だった

のね。」
 その子は私にぶたれると、そのまま横へと跳ね飛

んでしまった。
 「あれ?軽い。」
 それもそのはず、小さな女の子だった。
 「先輩が悪いのですよ。そんな可愛いお尻している

から・・・。」
 女の子は頬を押さえてそう答えた。
 えっ、伊藤千春って女の子だったの?
 だから付けられていても気付かなかったんだ。
 「先輩、お慕い申しておりました。」
 千春は起き上がると私の右手にぴたりと寄り添って

きた。
 「女同士だからいいじゃないですか。」
 そう言うと千春は、また私のお尻に触れた。
 「ダメに決まっているでしょ!」
 私は千春の手を振り払うと、コツンと頭を小突いてや

った。
 「うわーん、先輩が怒った。」
 千春はそう言って両手で顔を押さえた。
 「泣くな・・・!」
 彼女は泣きながら、私の胸へと飛び込んでくる。
 「うえーん、ぷにぷに・・・。」
 そう言って、顔を私の乳房に押し付けてきた。
 グリグリしている。
 「わー、やめて。くすぐったい。」
 千春はくっついて離れようとしない。
 「先輩・・・、私の処女をあなたに捧げます。」
 「いらんわ、そんなもの。」
 この光景を、ドアの横からそっと窺っている人物が居

た。
 「大もてね、西園寺。くすくす・・・。」
 「勅使河原、来てたのか・・・。」
 彼女は楽しそうな顔をして、私達をじっと見つめている。
 笑いをこらえるのに必死のようだった。
 「付き合ってあげたらいいじゃない。お似合いよ、クス

クス。」
 馬鹿にしやがって・・・。
 きっとみんなに言いふらす気だろう。
 それにしても、私の美しさに気付く男は居ないものな

のか・・・・?
             3
 散々な目にあった、その日の帰り道、駅前で変な男が

私のところへと近寄ってきた。
 「私は、風間プロダクションのスカウトです。」
 遂に来たか。
 いつかは来るとは思ってはいたが・・・。
 「一目見てほれぼれとしました。カモシカのようにきれ

いで長い脚、すばらしい!」
 ふっ、私の美貌に気付くとは、やはりプロのスカウトは

違うな。
 いいだろう、芸能人になるのも悪くない・・・。
 男は私の顔を真剣なまなざしで見つめると、こう切り出

した。
 「あなた、ムエタイ(キックボクシング)やりませんか?

。」
 手足が長いと有利だという。
 「誰がやるか!馬鹿!」



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                             究極対決



大池田のがらくた箱


           1
 「ああっ、また夕食の時間だな。」
 クラスメートの村田君がそう言ってため息を

ついた。
 彼はスポーツの特待生として、遠い街からこ

の学園へ来ている。
 私、西園寺泉美とは隣り合わせに座っていた。
 「どうしたの?憂鬱そうに・・・?」
 普通、みんな夕飯は楽しみなはずなのに

・・・。
 「ぼくは下宿で自炊しているので、何を食べる

か考えるのが面倒なんだよ。」
 スーパーの惣菜を買って食べているらしいけ

れど、ずっと続けているので飽きてきたようだ。
 「困ったことにぼくは全然料理ができなくて

・・・。」
 ご飯は炊けるけど、卵焼きもうまくできないら

しい。
 「ウインナーとか焼くと変な匂いがして・・・

。」
 食欲が失せるという。
 『ふっ、何を言っているのだ?この下等動物は

・・・。』
 どうやったらそんな風になるのだろうか。
 そう思ったけど、さすがに口に出して言うことは

慎んだ。
 惣菜ばかり食べていると太ってしまうので困っ

ているらしい。。
 「鍋とかお好み焼きとか作ったらどうなの?」
 これなら彼でも作れるだろう。
 お好み焼きと聞いて、村田君は「はーっ」とため

息をついた。
 「お好み焼きというものがもう一つ好きになれな

いんだ。」
 お好み焼きが嫌い・・・。
 聞き捨てならないことを聞いてしまった。
 「それはあなたが美味しいお好み焼きを食べた

ことがないからだわ。」
 村田君はかったるそうに答える。
 「でもこっちの町に来てから、美味しいお好み焼

きをたべたことがない。」
 うちの町のお好み焼きが気に入らない?
 関西でも屈指の、お好み焼きの美味しい街とい

われているうちの町が・・・。
 学校一の料理の天才と言われている、この西園

寺泉美がひと肌脱ぐときがきたようだ。
 「よろしい、私が究極のお好み焼きを食べさせて

あげるわ。」
 野球部屈指の左ピッチャーである村田君と、お

近づきになれるチャンスかもしれない。
 彼の下宿へ行く約束をしていたとき、後ろから熱

い視線を感じた。
 「待ちなさい!西園寺泉美。」
 振り返ると、隣のクラスのちんまりした子が立っ

ていた。
 「あなたは勅使河原真由美(てしがわらまゆみ)。

学校一長い名前といわれている子ね。」
 確か野球部のマネージャーをしていた子だ。
 「学校一名前が長いからといって自慢しないで

・・・。」
 「失礼ね、そんなこと自慢するはずないでしょう。」
 勅使河原の目はなぜか敵意に満ちている。
 「横からしゃしゃり出てこないで、これは私たち野

球部の問題なの。」
 部員の健康管理は勅使河原の役目なのかも

・・・。
 まあ、この態度から見て、それだけじゃないでし

ょうけどね。
 「あなたがだらしないから、彼がひもじい思いをし

ているのでしょう?」
 そう言われて、勅使河原はぐっと言葉に詰まって

しまった。
 「そっ・・・、そんなことないから。いいわ、

じゃあ料理で勝負しましょうよ。」
 負けた方が彼から手を引くということになってしま

った。
 もちろん、目でものを言っているので村田君には

わからない。
 「いいわ、学校一料理がうまいと言われている私と、

学校一長い名前のあなた。よい勝負になりそうね。」
 「自慢していないって、言ってるでしょう!」
 三日後に、学校の家庭科室で雌雄を決することに

なった。
 この場合、村田君の意向(どっちが好きだとか)な

ど、もちろん関係がない・・・。
           2
 お好み焼きは単純な料理だから、技の優越で勝

敗はつけにくい。
 私、西園寺泉美は食材にこだわることにした。
 朝早くから黒門市場へ行って新鮮な材料を仕入

れた。
 「おじさん、生きのいいイカとかある?」
 こういうこともあろうかと、普段から私はちょくちょく

市場に顔を出しているのだ。
 「おっ、泉美さんじゃないか。いいよ、とびきり生き

のいいの持っていってよ。」
 豚肉、卵、最高の材料が手に入った。
 ソースももちろん、お好み焼き用のおたふくソース

である。
 「なに、このソースは?」
 勅使河原と対面したとき、一目見て勝ったと思った。
 見たこともない製品だった。犬の絵が描かれたシ

ールが貼ってある。
 「これはブルドックソースよ。」
 ブルドック?イカリソースならまだしも・・・、

そんなのお好み焼きに使うなんて聞いたことがない。
 「じゃあ、私から先に行くわね。」

 私は自信満々で、鉄板にお好み焼きのタネを敷き

始めた。
 空いている鉄板の隅で、野菜と焼きそばを炒める。
 やがて、誰が食べても美味いというであろう自慢の

一品ができた。
 私のはキャベツをたくさん使った広島風である。彼

は野菜が不足しているから健康にいいと思ったのだ。
 ふっくらと仕上がっている。
 「どうですか?私のお好み焼きは・・・。」
 意に反して、村田君は難しい顔をして食べている。
 「・・・。やっぱりこれは僕には・・・。」
 口に合わないらしい。
 「なぜ・・?これが気に入らないの?最高の食

材を用意したのに。」
 ショックだった。負けるはずがないと思っていたのに

・・・。
 「今度は私の番ね。」
 落ち込む私を尻目に、勅使河原はボールに入れたお

好み焼き粉を取り出した。見た目、勅使河原のお好み

焼きは、水分が多すぎるように見える。
 水に混ぜた粉が、透き通ったような色をしていた。
 「ちょっと、それじゃ・・・。」
 固まるはずがない。
 それにあらかじめソースを入れてしまっているようだ。
 彼女はそれを鉄板に丸く引くと、土手を作るように丸い

輪を作り、焼き始めた。
 「この焼き方は・・・。」
 ぐつぐつと煮え始めると、村田君はコテを使ってうまそ

うに食べ始める。
 「うん、これだ。僕はこれが食べたかったんだ。」
 勅使河原は勝ち誇ったような顔で私の方を見た。
 「これ、もんじゃ焼きじゃないの!」
 もんじゃ焼きとお好み焼きは全く違う料理である。
 「汚いわ、彼の出身地をあらかじめ調べていたのね。」
お好み焼きはもんじゃ焼きから進化したといわれている。
 お好み焼きを恐竜だとしたら、もんじゃ焼きはさしずめ

両生類ということになるだろう。
 東京の下町の駄菓子屋などで、子供たちに人気のある

料理だった。
 「料理を食べようとする人がどういう志向なのか、先に

調べていても何も卑怯なことじゃないでしょ。」
 くっ、・・・、マネジャーの地位を悪用するなんて、

汚い奴。
 「関西に来て、もんじゃ焼きを食べようとするなんて、愚

かな・・・。」
 でも、村田君の美味しそうな顔を見ていると、敗北を認

めざるを得なかった。
 勅使河原の姦計にはまってしまった・・・。
 「これで勝ったとか思わないことね、勅使河原。私はあ

なたより名前の長い人を知っている。蘇我倉山田石川麻

呂というのよ。」
 「歴史上の人物(大化の改新)じゃないの。それに名前

なんか自慢していないって言ってるでしょ!」
 お好み焼きと違ってもんじゃ焼きは具が固まらず、ひっ

くり返すことができない。
 だから箸ではなく、焼きながらコテで食べることになるの

だ。
 「ふん、言っておくが、生煮えのイカにはアニサキス(寄

生虫)が居ることがあるからな。」
 村田君は食べていたもんじゃ焼きを吐き出して、ゴホゴ

ホと咳き込んでいる。
 (注・意地悪で言っているだけで、大丈夫ですよ。)
 「きゃー、何てこと言うのよ。ちょー性格悪い。」
 関西人と関東人との間には、越えられない壁(納豆とか

・・・)があるようである。
              3
 「ふふっ、こんな変な男なんかお前にくれてやる。悔しく

なんかないから・・・。」
 もんじゃ焼きのような中途半端な料理が好きな男は、食

通の私には相応しくない。
 「せいぜい、二人で真っ黒なおつゆのうどん作って食べる

がいいわ。」
 (注・関西の人で、関東のうどんを気味悪がる人が居ます

。)
 私は家庭科室の柱にもたれながら、余裕の腕組みをして

二人を見送った。
 勅使河原の奴は、彼と仲良く手を組んで帰って行く。
 「あれっ、なんで涙が・・・。」
 全然悲しくなんかないのに・・・。
 床の上にポツリと・・・、大粒の涙が一つこぼれ落ちた。



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        手作りチョコ


大池田のがらくた箱

            1
 「いよいよ、明日はバレンタインね。」
 クラスの女の子たちが集まって騒いでいる。
 「ねえ、ねえ。誰にあげる?」
 「やっぱり野球部の高木君かな。」
 「私はサッカー部の山口先輩。」
 私は少し離れた席で次の授業の予習をしていた。
 「ねえ、チョコはどうするの?」
 「私は手作りにするよ。明治の板チョコ、たくさん買

ってあるんだ。」
 「いいな、やり方教えてよ。」
 「私もやりたい。彼が喜ぶから・・・。」
 どうやらみんな手作りチョコに夢中のようだ。
 彼のハートを掴むには、市販の高級チョコよりそっ

ちの方がいいに決まっている。
 「ふっ、何を愚かな。」
 私はクラスの子たちの会話を聞いていて、独り言を

つぶやいた。
 「そんなの、単に買ってきたチョコを溶かして、ハー

ト形の型に入れてるだけじゃない。」
 料理のうちにも入らない。
 小学生でもできることである。
 「私のは違う。究極の手作りよ。」
 私の名は西園寺泉美。
 旧華族の血筋を引く、究極のお嬢様。
 料理の腕は学校一と自負している。
 「ふふふっ、究極の手作りチョコというものを、見せ

てあげられないのが残念だわ。」
 そう言って私は、参考書の陰からクラスの馬鹿な子

たちを眺め、ひっそりと一人で笑みを浮かべた。
             2
 テーブルの前には黒光りしたカカオ豆が並べられて

いる。
 実はカカオ豆というのは、日本ではなかなか手に入

らないものなのだ。
 いくら私の父が旧財閥系企業の重役でも、こればか

りはどうにもならない。
 「この日のために、私は森長製菓の工場を企業訪問

して、高級なカカオ豆を分けてもらっているのよ。」
 工場を見学に来た人に豆を分けてくれる企業がある

のだ。
 面白くもない工場見学を、それだけのために毎年続

けている。
 「クラスメートの子たちとは、気合が違うの。」
 もらってきた豆を120度の温度で焙煎する。これには

コツがあり、焙煎の仕方によりチョコレートの風味は全

く違ったものになってしまう。コーヒーの焙煎と同じよう

なものだ。
 「さあ、いよいよ始めるわよ。」
 豆を砕き、皮と胚芽を取り除く。
 ミキサーで豆を細かく砕いた。
 カカオ豆はカカオマスという状態になる。
 カカオ豆にはカカオバターという油が入っているため、

あまり続けるとモーターが過熱して壊れてしまう。
 「ここからが力仕事!」
 いくらか細かくなったカカオマスをすり鉢に入れて、す

りこ木でさらに粒子を細かくする。
 「ふ~、終わったわ。」
 別に買ってきたカカオバターを加える。
 このカカオバターも、大きな百貨店とかに行かないと

置いてないことが多い。
 カカオバターは混ぜやすいように、あらかじめ包丁で

細かく刻んでおかなければならない。
 粉砂糖、粉ミルクを加え、更に細かくなるようすり続け

る。
 カカオバターが固まって、よく混ざらないようであれば、

湯せんをする。
 「ふ~っ、やっとなめらかになってきたわ。」
 よく混ぜないとチョコレートの風味がでないのである。
 「さあ、やっと湯せんできるわ。」
 チョコの味を均一なものにするために湯せんをする。
 この場合、40~50度に温度を管理する必要がある。
 待つこと一時間、できたチョコレートの生地を一旦冷水

に入れる。
 更にもう一度湯せんして、好みの型にチョコレートを流

し込む。
 「やった!できたわ。」
 型に入れたチョコ生地を冷蔵庫に入れて、やっと究極

の手作りチョコレートは完成した。
 カカオ豆からチョコレートを作るには、これだけの手間

と技術が要るのである。
 私のクラスでは、料理の天才である、この西園寺泉美

以外は絶対に不可能なのだ。
              3
 校庭の隅の公孫樹の木の下、その日、私は彼とともに

そこに佇んでいた。
 「どうだった、チョコレートの味は?」
 昨日のバレンタイン、彼には私の自慢のチョコレートを

手渡した。
 彼の喜んだ顔が、初めて出会った時のようで嬉しかっ

た。
 「うん、懐かしい味だったよ。昔、駄菓子屋でこんな妙な

味のチョコレート売ってたよね。」
 彼はそう言って無邪気に喜んで見せた。
 「・・・・・。」
 妙な味・・・?
 みょうな・・・?
 私はこだわりの乙女、西園寺泉美。
 厳選されたカカオ豆から、自分の力だけでチョコレートを

作る女。
 でも・・・。
 なぜか、バレンタインの後、彼と別れることが多い・・・。


 よい子の皆様へ
 個人の力で森永やロッテを上回るのはなかなか難しいよ

うです(。・ω・)ノ゙




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山 名:高山

所在地:三重県南伊勢町

標 高:497m 難易度:★(5段階評価)

登山年月日:平成20年2月24日(日) 天候:晴   同行者:なし


登山日誌

10時少しくらい前から登ろうとするが、登り口が判りにくい。特に現場は、1車線で信号による時間差で交互通行する昔からの狭い道で駐車スペースなど見あたらない。結局、信号機傍の堤防に駐車する。車が小さいので邪魔にならない。小さい坂(峠)を登って戻り、郵便局の交差点から山側に右折した。すぐに住宅地に入って少し迷ったが真っ直ぐ進むと防災施設があり、大きな駐車場があった。ここに止めればよかったのである。


大池田の登山日記  (国土地理院の地図。登山道は記載されていません)


大池田の登山日記   (防災施設)


そこから疑似木でできた階段があり、新しく作っている国道260号線の工事現場に出る。正面に切り通しを無理矢理ユンボで歩道を拵えたような危なっかしい道があったので、そのまま登ると昔からの登山道に入った。


大池田の登山日記  (切り通しの道、今にも崩れそうでした)



大池田の登山日記  (昔からの登山道、社に通じています)

道はかなりはっきしていて社まで続いている。難視聴地域なのか、左手にテレビのアンテナが建ててあった。最初の登り口は恐ろしい急坂だったが、尾根に出ると割と楽で、ハクラクさんの社に出る。稲作をこの地に伝えた人と登山書には書いてあるが、白楽と書くのであろうか。鳥居もあり賽銭箱も置いてある。間伐材を立木に縛っただけのベンチがあったので休憩した。かなり汗を掻いていたが、一気に寒くなる。


大池田の登山日記  (ハクラクさん)

そこから先は道は悪くなり、尾根の鞍部までには道が消えそうになっていて、滑落すると大変なことになりそうな所になっている。また、動物が驚いて跳ねたのか、実際に上から石が落ちてきて肝を冷やした。赤テープがしっかり付けてあるので、道を踏み外すことはないが。


大池田の登山日記  (急な坂、踏み跡を進みます。見えますか?)

尾根に出ると少し広くなっていて、傾斜は緩かったが最後の登り高低差100m位が結構しんどかった。坂も急なのは確かだが、何しろ足場が悪い。冬だったので落葉樹の小さな葉が坂道に敷き詰められ、乾燥しているので登山靴でも滑る、滑る。おまけにあまりつかむ木や岩がなく、不安定な登り下りを強いられて下山道でも苦労した。


大池田の登山日記



大池田の登山日記

大池田の登山日記

なんとか苦労して登ると樹木がかなり広範囲に刈られている所があって、この山ではここだけが展望がある。かなり広く刈ってあるので180度展望でき、眼下に熊野灘のリアス式海岸と南島の町並みが見渡せて壮大な景色だ。木や草が今後も茂ってこなければよいのだが。


大池田の登山日記

頂上でお握りを食べようと思ったが、風が恐ろしく強い。気温も8度を指している。体感気温はもっと低いだろう。1個食べると辛抱できなくなり、手も冷え切ってしまったので、下山してハクラクさんのところで食べた。


大池田の登山日記  (畑横の正式な登山口)

最初に登った切り通しの道を通らずに降りると、畑の横に出た。ここが今のところの正式な登山口で、新しくできる道に併せて小さな案内板が立っている。そこから階段をつたって町に出ると、タシカラ浦へ出るが狭い道に人家が密集してどこが出口かわからず迷路のようだった。登り始めの国道260号線の小さな峠に出た。

山 名:鳥屋ノ森山

所在地:串本町

標 高:457m     難易度:★★(5段階評価)

登山年月日:平成21年5月3日(日) 天候:晴   同行者:なし


11時半に登山口に着く。登山口は一枚岩へ行く手前の橋を右に曲がり、青色の橋をもう一度渡る。


大池田の登山日記   (この青い橋を渡る。対岸から写真映しています)


渡りきると右に折れるように書いてあり、しばらく進むと木の下に再度左に曲がるように小さな看板が出ていた。


大池田の登山日記  (木の下に小さな看板がありました。見落とさないように・・・。)


駐車スペースがないので狭い道を入っていくと民家に突っ込んでしまった。あわてて戻って、路上に止めようかと思ったが、奥に進むと駐車スペースがある。珍しいトンボの生息地だそうで、その見学用のスペースかも知れない。何も書いてなかったが駐車禁止とも書いてなかったので、そこに止めて道を戻る。



大池田の登山日記  (ここへ止める場合は直進してください。)


登山口は民家の奥ではなく、民家手前に川に降りる階段があり、小さな小川を渡って川沿いに進む。



大池田の登山日記  (涸れた川を渡った右手の階段が登山口です。)

大池田の登山日記  入口に小さな看板があります。

(直進すると民家へ行ってしまいます)


すぐに急傾斜になり息が切れるが、30分も歩かずに尾根に出る。そこからは多少の登りになるが、基本的には平衡したような尾根道で進むには楽である。ただ、距離が長い。進むに連れて、小さな偽ピークが何度も出てきて、そこまでかと思えばまた先がある。自然林に囲まれて何も見えないので、いつまで進むのかと思ってしまう。


大池田の登山日記  (自然林の尾根道)


大池田の登山日記  (暗い森を横切る)



大池田の登山日記  (虎ロープがある急傾斜)



大池田の登山日記  (尾根道)



大池田の登山日記  (頂上付近の暗い森)


頂上近くなると急に急傾斜になり、息が切れる。そこまで1時間以上歩いているのでこの登りはきつい。また、古いテープなので不鮮明で、道を失いやすい箇所もある。尾根沿いに真っ直ぐ進んでいて、急に広まった森に出てから、違う尾根に渡る箇所があるが、これなどよく見ないと直進してしまうだろう。
頂上近くで池野山方面と書かれた看板があり、林道から登っていく道があるが、この道は頼りない細道である。以前に林道から登ろうとして結局道を失い断念したことがある。主峰からみると尾根沿いのこの林道が見えるが、深い谷を渡らなければならない。昔の馬車道かなんかで真っ直ぐ進んでいる道ではなく結局は判らなくなってしまった。



大池田の登山日記  (山頂です)



大池田の登山日記  (山頂から見える風景)

標高は大したことはないが何しろ距離があるので、山頂まで2時間もかかってしまった。尾根道特有のアップダウンもあり、帰り道も同じくらい時間がかかり、3時半頃に着く。思いの外に手強く、足が棒になる。
車に乗ろうと思ったら、どこで付いたのか服がダニだらけになっていた。はたき落とすのに30分くらいかかった。附近の農家の人は何をやっているのだろうと思ったことだろう。

大池田の登山日記  (登山口の近くにある虫食岩)

帰路はゴールデンウィークで車が混んで7時に着いた。



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山 名:小峠山


所在地:奈良県上北山村


標 高:1,099m 難易度:★★★(5段階評価)


登山年月日:平成15年3月9日(日) 天候:晴   同行者:なし


登山日誌


 小峠山は北山村にある山であり、以前より登山口を調査するものの、それらしきものを
見つけることができなかった。昭文社の地図では前鬼口の近くから上れることとなってい
たが、それらしきものは見あたらなかった。
今回インターネットで登山口を知ることとなり、欣喜雀躍。早速登ることにする。


大池田の登山日記

奈良交通 水尻バス停

 

 登山口は意外なところ、奈良交通バス停「水尻」であった。何十回と前を通っていたの
だが。バス停水尻より約20m登ったところにセメントの階段があり、登山口はここであ
る。国道からは見えない所、階段上部の手すりの上に申し訳程度の案内板がつけてある。
少し登ると小さな墓地があり、尾根沿いにしっかりした道がついている。
 


大池田の登山日記
見にくいですがコンクリートの階段です。



大池田の登山日記
階段を上るとこのような道標が・・・。


 手入れされた檜林が延々と続く。案内板はほどんとなく、赤と黄色のテープ及び赤スプ
レーの丸印が目印。山が深いため見失えばただでは済まない。猟期の時は奈良のハンター
が入るだろう。慎重な行動が必要である。
 ただ、脇道がなく、尾根沿いに進めば良いので、慣れた人には登りやすい。登り口から
急登。踵が痛くなる程の急傾斜だ。しかも直登、高所を求めて一直線に登る。


 登り口から45分、675mピークに到着。ここに道標あり。下りの時には別の峰に入
りやすいため設けられたのであろう。迷って入らないよう、芝が数本積んである。
ここより傾斜は少し緩くなる。雪の跡が見られるようになる。風も強くなり寒さが厳し
い。北山村は尾鷲に比べ気温が低く、あまり寒い時期は登山は遠慮した方がよいだろう。
登る人は誰もなく、熊の恐怖が頭を覆う。雪で足場が悪くなると滑らないか不安である。
単独登山はすべての責任を自分で取るしかなく、滑って足を折ればそれで終いである。


 登り初めて1時間30分、道が平行になる。標高900m。これで終わりかと思えば、
そう甘くはない。再び息をつく急登、急登。あえぎながら高度を稼ぎ15分、開けた所に
出る。恐らくピーク926m。鹿の食害予防のためのフェンスがある。木が伐採され池原
ダムの貯水池や国道が見える。少し下って最後の登りに入る



大池田の登山日記

(写真若い頃のですね。池原ダムが見えます。登山道に鹿のネットが張られています)

伐採されて景色は良いが足場が悪く、下りは注意を要する。鹿のフェンス沿いに進み、
やがて地獄の登りは終わり、なだらかになる。積雪約2cmだが、気温は2度程。風強し。

登り始めて約2時間20分、やっと山頂に着く。



大池田の登山日記


 山頂は山名板の他、何もない。孔雀岳が見えるらしいが雲のためわからなかった。寒く
て長く居られるものではない。冷たくなったおにぎりと三ツ矢サイダーで食事、うまいわ
けがない。知人にメールを送ると「ああ、そう。」という返事。登らんとわからんよなあ、
この苦労。まあ、好きでやってんだけどね。



大池田の登山日記

(かなりぼけてしまっていますが、山頂の写真です)
 

 下りは慎重に。山が抜けたところがあるので、注意。滑らない限り大丈夫だけどね。下
りは約1時間30分。もとのバス停に戻る。同じ道に戻るのが一番確実である。山頂から
奥山に道は延びてるけど入らない方が無難だろう。

 

 バス停には午前中2本のバスが運行するようになっていたが、一つは朝早くだし、あて
にならない。自家用車で行くのがベスト。バス停に車を止めると住民に迷惑である。10
0m程国道を北に進むと白川橋があり、このたもとに7~8台の車が止められるから、自
動車はここに止めよう。
帰りは下北山村の温泉に入るのもよいだろう。


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