1月3日午後3時から宮川彬良&アンサンブル・ベガが、新たなヤマトの室内楽を発表すると聞き、快適な寝正月を切り上げて、コンサートが行われる兵庫県立芸術文化センターに行ってきました。

宮川彬良&アンサンブル・ベガは1997年結成。阪神・淡路大震災で心沈んだ人々が明るい笑顔を取り戻すことを願い、宝塚ベガホールを本拠に活動をスタート。作・編曲、ピアノ、そして、司会の宮川彬良と各オーケストラ主席演奏者8名から構成されています。近年は、NHK教育テレビ「クインテット」の演奏を担当したことでも有名です。メンバーは、辻井淳さん(第一ヴァイオリン、新眞二さん(コントラバス)、日々浩一さん(第2ヴァイオリン)、鈴木豊人さん(クラリネット)、馬渕昌子さん(ヴィオラ)、星野規雄さん(ファゴット)、近藤浩志さん(チェロ)、池田重一さん(ホルン)で、ゲストに安富泰一郎さん(テノール)、安藤るりさん(ソプラノ)とオペラ歌手が参加しておられました。パンフレットを一読しただけで「錚々たるメンバーだ」と分かります。

会場は年始早々にも関わらず、ほぼ満杯でありました。会場には、ちらほらヤマトファンらしき姿もあり、私も会釈したり、旧交を温めたり。話題はもっぱらヤマト2202のことでした(決まっているじゃないですか。)やがて、コンサート開始です。
2012年や2015年のコンサートを彷彿とさせる宮川彬良さんの軽妙なトークにリードされながら、さまざまな楽曲が演奏されていきます。ヤマトはその中で「室内楽のモンタージュ。宇宙戦艦ヤマト(2017)として演奏されました。「来たぞ!」と興奮する心を抑えて、じっと耳を澄ませます。曲の冒頭は、いわゆる「悲壮なヤマト(ボレロ)」から始まりました。ガミラスの脅威、絶望に包まれた地球をイメージさせます。次に演奏されたモチーフは、ヤマトの主題歌をソフトにアレンジした新しいバージョンです。私の脳裏には、地球のために立ち上がろうとするヤマト乗組員たちの決心、そして、ヤマトの発進を描いているように思えました。そのあとに来たのは、「真っ赤なスカーフ」のモチーフで演奏の雰囲気としては、「交響組曲版」のアレンジを施されたバージョンでした。発進して家族との別れ、旅の途中の人間ドラマなどをイメージしました。そして、「さらば宇宙戦艦ヤマト」より登場したモチーフが遂に登場。「都市帝国」です。敵との激しい戦い。ヤマトはどうなってしまうのか!ひとしきり流れた後に、勝利のテーマ「大河ヤマトのテーマ」が登場します。ヤマトファンとしては、血沸き肉躍る瞬間です。楽器のことを詳しく知らないので正確に描けないのが申し訳ないですが、大きめの弦楽器を太鼓というか鼓のように掌で叩いてドラムのような音を出しておられました。オリジナルの「大河ヤマトのテーマ」とは当然、楽器編成が違うのですが、目の前の小編成が不思議なくらい迫力のサウンドでした。目をつぶって聞いて「今のオーケストラです」といわれても私は疑わないでしょう。それだけ、音に重みとか厚みがありました。「大河ヤマトのテーマ」の最後は皆様ご存知のように、勝利宣言というべき女性スキャットによる締めです。前述のオペラ歌手安藤るりさんが見事に歌い上げてくれました。多くのお客さんが「ここで曲が終わった」と思って拍手しました。先が読めないライブゆえの難しさです。しかし、演奏の力強さがお客さんをヤマトの世界に戻しました。「大河ヤマトのテーマ」の後、やはり全体を締めるのは、マーチ調の力強い主題曲です。
終演後、万雷の拍手でありました。
聞きながら、「これで今年2017年も頑張れそうだ」と気持ちを新たにいたしました。
残念なのは、現時点では、この「室内楽のためのモンタージュ、宇宙戦艦ヤマト(2017)」はCDでは聞けないことですが、ヤマト2202の製作が進んでいく中で、ぜひサウンドトラックなどで聞けるようになる日を祈りたいと思います。
また、個人的な希望としては、音楽劇的なヤマトラジオドラマコンサートみたいな企画を妄想しています。新ディスコアレンジで踊り狂うおう~みたいな企画とか。腰の調子整えて待ってます(笑い)

参考までにヤマト以外の曲も含めた演奏曲

第1部主人公たちの物語
・すみれの花咲く部屋
・ペニー・レイン
・ウィーン、我が夢の街
・大きな古時計
・室内楽のためのモンタージュ 宇宙戦艦ヤマト(2017)

第2部きらめく☆オペらキラへの招待!
・歌劇「あしたの瞳」~もう一つの未来から
・室内楽のためのソナタ「ブラック・ジャック」

これらはパンフレット記載分で、実際には、ダニーボーイなど数曲の追加がありました。
パワフルで、ユーモラスで、ペーソス溢れるひとときで、大いに癒され、元気をいただけるステージでした。