第043回ライトアップジャーナル / 「ニュース女子」沖縄ヘイトデマ問題 | 私にとって人間的なもので無縁なものはない

第043回ライトアップジャーナル / 「ニュース女子」沖縄ヘイトデマ問題



第43回 自由なラジオ Light UP!
 市民が本当に政治を変えることができるのか?

http://jiyunaradio.jp/personality/archive/043/
Personality
西谷文和(ジャーナリスト)
Guest
西郷南海子(みなこ)さん(安保関連法に反対するママの会発起人・京都大学大学院教育研究科在学)

2015年9月19日の安保法制強行採決から早1年4ヶ月。当時、抗議行動の波は全国各地に広がり、学生団体SEALDs(シールズ)などが一躍注目を集めました。そんな反対行動の中心になった団体のひとつに、子どもを持つお母さんたちの会がいたことをご存知でしょうか?安保関連法に反対するママの会(通称ママの会)。今回は、この会の発起人である西郷南海子さんをゲストに迎え、ママたちが安保法反対に立ち上がった理由、経緯から、今後、市民が政治を変えるためにはどのような方法が適切だと考えるかなどについて、ジャーナリストの西谷文和がインタビューします。
※お知らせ:西郷南海子さんと絵本作家浜田桂子さんの共著「だれのこどももころさせない」が3月に刊行されます。是非、チェックしてみて下さい。
だれのこどもも ころさせない


https://youtu.be/gmgV0K1CR6k?t=19m5s

19分05秒~第043回 ライトアップジャーナル
小出裕章さん電話インタビュー at LOFT9 Shibuya

http://jiyunaradio.jp/personality/journal/journal-043/

西谷文和:
さて、今日の“Light Up!ジャーナル”ではですね、昨年末、12月29日に東京渋谷の LOFT9 Shibuyaで市民のための自由なラジオ“Light Up!” 大忘年会が開催されました。
その時に、元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにお電話をお繋ぎして、先生のご意見をお伺いしました。
舞台上の進行はいまにしのりゆきさん、木内みどりさん、おしどりマコさん・ケンさんです。
そして、豪華ゲストとして山本太郎参議院議員、映画監督で弁護士の河合弘之さん、元東京電力社員の蓮池透さんでお送りしました。
それでは、このイベントにおける小出裕章さんへの電話生中継をぜひお聴きください。

小出裕章
もしもし。

いまにしのりゆき
小出先生ですか?

小出さん:
はい、そうです。

いまにし:
まいどです。いまにしのりゆきです。よろしくお願いします。

小出さん:
はい、こんばんわ。よろしくお願いします。なんか素晴らしいメンバーですね。

いまにし:
どうぞ、小出先生。太郎ちゃんどうぞ、小出先生。

山本太郎参議院議員:
お元気でしたか?

小出さん:
はい、なんとか生きています。

山本さん:
長生きしてもらわないと困りますよね。ありがとうございます。

いまにし:
河合先生は小出先生はお久しぶり?

河合弘之さん:
小出先生、弁護士の河合です。いつもお世話になります。

小出さん:
はいはい、こちらこそ。つい先日、河合さんの映画、また拝見させて頂きました。

河合さん:
ありがとうございます。

小出さん:
ありがとうございます。

河合さん:
もう長野に引っ込んじゃったんでしたっけ?

小出さん:
はい。松本市に今は住んでいます。

河合さん:
東京に出てきて、もっと僕たちを助けて欲しいんですけど。

小出さん:
はい、ありがとうございます。私も京都大学を定年退職しましたので、そろそろ引退させて頂けるんじゃないかなと思いながらはいましたけれども。

河合さん:
ダメダメ。

小出さん:
まだ、やらなければいけない事が残っていることは承知しています。

河合さん:
小出先生ね、あのね福島第一原発、今廃炉の作業やってるじゃないですか。だけど、本当にできるのかなあっていう疑問を僕持っててですね。10年後の福島第一原発ってどうなっていると思われます?

小出さん:
今の状態が続いてると思います。
東京電力は溶け落ちた炉心を掴み出して、どこかに隔離するというようなことを言ってるわけですけれども、そんな事は10年後もまだ出来ていないと思いますし、汚染水対策も、まだ10年後にも続いてると私は思いますので、基本的には今の状況がまだ10年後に続いてるだろうと思います

1号基大爆発する1時間前のドライベント空撮写真
1号機が大爆発する1時間前のドライベント(超高濃度放射性物質放出)空撮写真

河合さん:
それでね、仮に例えば40年後に持ち出せたとしますよね。デブリを。でも、それをどこに捨てるつもりで取り出す努力をしてるんだろうか?

小出さん:
ご存知だと思いますけれども、1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所という所で、やはり大きな事故が起こりました。その事故でも、溶け落ちたデブリ自身には全く手を付けられないまま、現在も時が過ぎています。既に事故が起きてから30年経っているのですけれども、溶け落ちたデブリに近づくことが出来ないまま、とにかく石棺で覆うということをやってきたのです。初め覆った石棺が30年経ってボロボロになってしまいまして、11月29日に新たに第二石棺という、より巨大な覆いで封じ込めるということをやったわけですけれども。その第二石棺は、たぶん100年持つという計画で造られました。つまり、これから100年経ってもまだ溶け落ちたデブリには手を付けられないという、そういう状態なのです。
福島の原子炉も溶け落ちてもうすぐ6年になるわけですけれども、手を付ける等ということは当然できないと思いますし、今、ご質問下さった方、「40年後」とおっしゃましたけれども、到底、手も付けられないだろうと私は思います。


石棺(右)と新シェルター

河合さん:
はい、ありがとうございました。

山本太郎さん:
今の河合先生の続きの質問を山本がします。
じゃあ、どういうスタイルを持って現状をおさめていくのが最大の理想と。どういう終息方法、終息しないにしても、これ以上被害を広げないために、どういう手を打つのが一番有効だと思われますか?

小出さん:
2011年3月に事故が起きたわけですけれども、5月の段階で、溶け落ちた炉心が地下水に接触してしまうと、もう手の打ちようがないので、一刻も早く地下に遮水壁、「地下ダム」とそれを呼んだ方もいらっしゃいましたけど、そういう物を建設して、汚染水が海へ流れないようにするしかないと私は言ったのですけれども。

遮水壁

残念ながら、東京電力がそれをやってくれないまま時が過ぎてしまいました。

※遮水壁の建設、2年前に見送る 東電、経営破綻を懸念(朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201309170778.html

でも、時が過ぎても、どうせやらざるを得ないことだったわけで、2年ぐらい前から、凍土壁という遮水壁を造ろうと、東京電力と国がやってきました。しかし、凍土壁なんてものは、地面を凍らせた壁を造ると言っているのですけれども、そんな物が長い間、維持できる道理もないので、私はできないと発言してきましたし、結局、今でも出来ないままになってしまっています。

凍土壁

一刻も早く、もっとしっかりとした遮水壁を造って、汚染水がこれ以上増えないような対策をしなければいけませんし、もっと根本的に言うなら、もう水で冷却するということを諦めて、例えば空冷というような形で、汚染水の増加を防いで、海への流出を防ぐということをやるべきだと思います

乾式貯蔵キャスクの概要

おしどりマコ:
小出先生、おしどりマコです。お久しぶりです。

小出さん:
はいはい、マコさん?

おしどりマコ:
はい。早口すぎましたよね?すみません。

おしどりケン:
僕も聞き取れなかったよ。

おしどりマコ:
ごめんごめん。
あのね小出先生、先程のデブリの置き場所なんですけど、私、それ調べていて。私も取り出せないと。取り出すの物凄い難しいと思うんですけど、一応、取り出したデブリの保管場所っていうのは用意されていて、それは、福島第一原発の敷地内の5、6号機の北側の7、8号機の予定地。そこを取り出したデブリの保管場所として空けてあるんですよ。なので、今、汚染水の問題でタンクがもう足りなくなって逼迫していて、本来使わないはずの漏れやすいタンクまでしょうがないから使わないといけない。それで、漏れやすいタンクを「よーし、もう一度再利用して漏れました」っていうことが続いてるんですけど。なんで、空きスペースがあるのに、タンクを置けるのに造らないんだっていうことを取材していったら、一応、そこは将来デブリを取り出した後に、一応仮置き場として置く場所として、用地として残してあるという風なことは、一応、回答として出てきたね。という事があったんですよ。だから、仮置き場なんで、永久の恒久的なものではないんですけどっていう事を聞きました。

いまにし:
けど、仮置き場という風なことであれば、また、いつ地震がくるかも分からないし。

おしどりマコ:
そうです。

いまにし:
今度きて、仮置き場が津波にあったら、もうどうにもならないですよね。小出先生。

小出さん:
もちろんそうです。ただ、私は先程からデブリ自身、取り出すことができないと言ってるわけで、結局、その7、8号機の建設予定地がデブリ置き場になるかどうかすらが、今の段階では全く不確定だと私は思います。それより前に、今、例えば、汚染水対策として、汚染水の中からセシウム137という放射性物質、或いは、ストロンチウム90という放射性物質を除去しているわけですけれども。除去するということは消したわけではないのです。それは、そのまま要するに取り除いた形のまま残ってしまっているわけで、膨大な危険物が汚染水からは除去されたけれども、また別の形で敷地内に溜まってきてしまっているのです。それを保管するということ自身が大変危険な困難なことで、今、それと格闘しているのです
その置き場も、どこかにやはりまたどんどん増強していかなければいけないわけで、7・8号機の敷地予定地ということも、その為に使わなければならなくなるかもしれないのです。
福島の事故というのは本当に過酷な事故で、これから何をどうやって出来るかということすらがよく見通せないという、そういう状況が今現在続いているのです

過酷な現場 収束いつ

いまにし:
という事で、小出先生、すいません、ありがとうございました。

小出先生:
いいえ。はい、ありがとうございました。


汚染水 外洋に垂れ流し 1年前に把握、放置

廃炉への道 2015 "核燃料デブリ" 未知なる闘い

http://dai.ly/x2qh8ns
事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の複数の原子炉を同時に「廃炉」する、世界でも例のない取り組みを長期間記録するシリーズの第3弾。数十年という廃炉への道における最大の難関、“核燃料デブリ”との闘いに迫る。
溶け落ちた核燃料が、原子炉の構造物などと混じり合った“核燃料デブリ”。今なお、人が一瞬で死に至る、数千シーベルトとも言われる放射線を出し続けている。デブリはどこにどのように溶け落ちているのか?宇宙線を使った“透視”や、小型のロボットカメラなど、最新の技術を使って、デブリの姿を捉えようという試みが急ピッチで進む。海外の研究では、チェルノブイリやスリーマイルとは違う“フクシマ・デブリ”の正体も少しずつ分かってきた。はたして、デブリを取り出して、廃炉を前進させることはできるのか?
番組では、核燃料デブリとの未知なる闘いの最前線をルポ。人類は果たして“核”を制御できるのか、その大命題と向き合う現場を見つめていく。



○●○●○●○●○●



東京MX「ニュース女子」沖縄ヘイトデマ問題 - 番組側が見解。

https://youtu.be/qCfHyUf_nso
MX「沖縄基地反対派に日当」報道、批判に対して番組が出した見解は「議論の一環として放送」(BuzzFeed News )
社説[「沖縄ヘイト」番組]真偽不明 悪意むき出し(沖縄タイムス)
番組は「沖縄ヘイト」 都内の編集者ら東京MXに抗議(琉球新報)
番組で沖縄ヘイト 東京MXテレビ基地問題特集(琉球新報)
東京MXテレビが沖縄ヘイト 高江抗議に「日当」「暴力」 辛淑玉さん、BPO申し立てへ(沖縄タイムス)
TOKYO MX「ニュース女子」が沖縄ヘイトデマを垂れ流すなどひどかった模様(NAVER まとめ)
「沖縄ヘイト」まん延 - こちら特報部(東京新聞)
「沖縄ヘイト」まん延
「右寄りTV番組」スポンサーでDHCに不買運動(オルタナ)
1月2日放送TOKYO-MXTV「ニュース女子」による「のりこえねっと」および共同代表・辛淑玉を誹謗中傷する虚偽報道に対する抗議声明(のりこえねっと)
「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる取材と証拠とは(BuzzFeed Japan)
東京MX 放送法違反疑いのデマ番組 「基地反対の人 金で雇われている」(しんぶん赤旗)
ヘイトデマ垂れ流しで大問題のMX『ニュース女子』も...化粧品会社のDHCはなぜ極右ヘイト番組をつくるのか(LITERA)


デマ・差別放送流した東京MX
DHC(化粧品製造販売)が最大スポンサー
「ニュース女子」制作も子会社

(しんぶん赤旗)2017年1月20日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-20/2017012001_04_1.html
 沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対している人は「金で雇われている」などとデマを放送して批判が殺到している東京の地上波テレビ局・MXテレビの最大のスポンサーが、デマを流した番組「ニュース女子」を提供した化粧品・健康食品製造販売のDHC(ディーエイチシー、吉田嘉明会長)で、同局の売り上げの1~2割超にのぼっていることが19日、本紙の調べで明らかになりました。
デマ・差別放送流し DHCが最大スポンサー




『ニュース女子』#91 2017年1月2日

https://youtu.be/gGnlO81rwcI
①「沖縄基地反対派はいま」
②「2017年日本の政治・経済はどう動くのか」
③「ニュース女子反省会」

MC:長谷川幸洋(東京中日新聞論説副主幹
吉木りさ(グラビアアイドル)
武田邦彦(中部大学教授)
藤井厳喜(国際政治学者)
須田慎一郎(経済ジャーナリスト)
井上和彦(軍事ジャーナリスト)
岸博幸(元経済産業相官僚)
上念司(経済評論家)
杉原杏璃(グラビアアイドル)
脊山麻理子(フリーアナウンサー)
八田亜矢子(タレント)
REINA(タレント)


MXテレビ「ニュース女子」の中傷報道に批判
高江市民特派員「やゆされ悔しい」
(東京新聞【こちら特報部】)2017年1月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017012002000119.html
 沖縄県東村(ひがしそん)高江周辺の米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する人たちを誹謗(ひぼう)中傷した東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の番組「ニュース女子」への批判が一段と高まっている。中でも怒り心頭に発しているのが、名指しされた市民団体「のりこえねっと」だ。カンパで捻出した資金から交通費相当の金銭を支給し、現地の様子を発信する「市民特派員」を派遣したが、番組は「基地反対派に日当」などとデマを垂れ流した。特派員が語る「放送されない真実」とは-。
(橋本誠、白名正和)

MXテレビ「ニュース女子」の中傷報道に批判_1

「沖縄ヘイト」堂々と

「日当」はデマ
滞在費賄えず


 「高江市民特派員」の募集は昨年九月、東京都内で開かれた「のりこえねっと」の集会で発表された。市民特派員には往復の飛行機代相当の五万円を支給。高江到着後に会員制交流サイト(SNS)で発信するほか、千文字程度の報告も依頼した。「高江に行きたいが、体が悪くて行けない」「高江の状況が許せない」といった個人を中心に多くのカンパが寄せられ、計十六人を派遣した
 では、特派員の話を聞いてみよう。
 東京都豊島区の女性(六六)は昨年十二月、八泊九日の日程で沖縄に滞在した。一九九五年の米兵による少女暴行事件を機にほぽ毎年、沖縄に足を運んできた。
 今回の訪問は、先月二十二日の米軍北部訓練場の部分返還式を前に、「高江の人びとが何を訴えているのか、行ってこの目で確かめて多くの人に広めなければならないと考えた」。那覇から反対グループのバスに同乗して高江に日参した。オスプレイが大破した名護市の海岸にも駆けつけた。
 東京―那覇間は格安航空券で往復二万円弱、宿泊は一泊五千円の安ホテルで計四万円。レンタカー代や食費を加えた総額は計十万円強で、五万円の支給では半分程度しか賄えない。女性は「自腹を切ってでも沖縄の声を伝えようと考える人を少しでも支えるのがカンパ。『ニュース女子』にやゆされて、とても平静な気持ちではいられない。悔しい」と表情を曇らせる
 都内に住む田村誠さん(四七)は昨年九月に約二週間滞在し、十万円ほどの持ち出しになった。現地では機動隊の様子に目を見張った。「市民が機動隊に暴力をふるっているなどと言われたが、機動隊のほうが市民に暴力をふるっていた
 早朝から五十台近い警察車両が市民を排除する様子などをスマホで撮影し、ツイッターで発信。本土の友人らは「本当にひどいね」「ここが同じ日本なのか」と驚いていたという。
 鹿児島県在住の自営業男性(四六)は昨年十月、往復約三万円のフェリーで丸一日かけて渡航。滞在中の十日間のほとんどは、反対する人たちのテントで寝泊まりした。「一日でも長くいられるように切り詰めた。カンパしてくれた人は、現地に行きたくても行けない人で、自分は自営業なので時間がつくれる
 九月下旬に訪問したフリーライターの高野俊一さん(五四)の場合、五万円は飛行機代やレンタカー代でほぽ消えた。高江の座り込みの写真をツイッターで発信。
 「何があったかはニュースを見れば分かるので、沖縄の人がどんな気持ちでいるのかを書こうと思った
 伐採されて丸裸になった「やんばるの森」で、地元の人たちが悲しむ姿が強く印象に残った。「切り株に座ったり、歩き回ったり、落ち込みようがすごかった。ものすごく重い歴史を背負っている沖縄で、大事にしていたものがまた殺されたという感じで声をかけられなかった」

MXテレビ「ニュース女子」の中傷報道に批判_2

カンパの思い 踏みにじる

 東京都内の四十代自営業男性は昨年十月に高江へ飛んだ。座り込みの現場を撮影し、夜に泊まったネットカフェからツイッターで発信。飛行機代やレンタカー代を含む滞在費は計約五万五千円。「どうやって余らせたら日当になるのか
 北関東に住む四十代会社員男性は昨年十月末から三日間、初めて高江を訪問した。抗議行動をビデオカメラで撮影する傍ら、貴重な自然にも目を向けた。「空気が澄んでいて夜明けは星が近く見え、海と山が交差する場所で日の出の太陽が見える。機動隊の暴力がすごいのに、抗議の人たちが前向きに頑張っているのも印象的だった
 昨年十一月八日から十四日まで沖縄に滞在した外山麻貴さん(四一)は、木が伐採される場面に遭遇した。
 「現地では、取り決めで切ってはいけないはずの太い木もどんどん伐採された。防衛局員が居合わせても、注意すらしない
 五万円は一回で使い切らず、再訪時に役立てた。
 「全国の期待を背負って行くのだから、大事に使わなければいけない。できる限り節約しなければいけない」。東京からの往復は格安航空会社(LCC)を利用した。「反対する人たちのテントに泊まり込み、食事も用意されるものを食べた。現地ではシャワーなしでの一週間だった
 京都府の大学院生早瀬道生さん(二四)は九月下旬から約一ヵ月間滞在し、抗議行動の様子をツイッターで発信した。「沖縄のことは本土に住んでいたら分からないので、知らないまま番組を見たら信じてしまったかもしれないと怖くなった。現地にメディアが来ていないわけではないが、伝えられないことは市民が補っていく必要がある

「ネットのガセネタ拡散一線越えた」

番組側 釈明も謝罪もせず

 首都圏の市民有志ら約六十人が十九日昼、東京都千代田区の東京MX本社前で抗議行動を展開した。参加者たちはマイクで「番組内容はありえないウソだ」「許せない」と声を上げる。放送内容の訂正と謝罪を求める申し入れ書をMXの担当者に手渡しヽE齢に乗せて「沖縄を返せ」を歌って締めくくった。
  「ニュース女子」は一月二日の放送で、「報道されない真実」と称して基地問題を特集し、ヘリパッド建設に反対する人たちを「テロリスト」に例えるなどして中傷した。のりこえねっとも引き合いに出され、出演者が「反対派は日当をもらっている」「何らかの組織に雇われている」と発言。共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんは「差別と戦ってきたカリスマでお金がガンガン集まる」とやゆされた。
 のりこえねっとは直ちに抗議声明を公表。沖縄地方紙の「琉球新報」「沖縄タイムス」は、社会面や社説で「番組で沖縄ヘイト」「取材せず偏見拡散」と批判した。
 しかし、「ニュース女子」は九日の放送で、出演者が「日当五万円はデマじゃない」「財源はわからない。基金のようなものもあるだろう」と反論。十六日の放送の最後にテロップで「様々なメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送致しました」との見解を示した。今のところ釈明や謝罪はない。
 辛さんは「デマは議論ではない。あのテロップを見て怒らない人はいないだろう。MXは何か問題で何を批判されているのかが分かっていない」と一蹴する。
 今回の事態を受けて、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、MXテレビに報告を求めることを独自に決めた。報告を踏まえて今後、委員会で議題にするかを討議した上で審議・審理入りし、結果を公表することになる。
 これとは別に辛さんは、放送によって人権が侵害されたとして、BPOの放送人権委員会に被害の救済を申し立てる方針だ。辛さんは「闘い続ける」と力を込める。「私個人がけんかを売られただけではない。政治とメディアの中心である東京のテレビ局が、ネット上のガセネタの類いを堂々と報じたという点で一線を越えた。日本社会が沖縄への差別にどう向き合うかが問われている

MXテレビ「ニュース女子」の中傷報道に批判_デス


We Shall Overcome

https://youtu.be/RJUkOLGLgwg
Pete Seeger