ウスッペラ~(・3・) とどまるところを知らない劣化・幼稚化 (´・_・`) | 私にとって人間的なもので無縁なものはない

ウスッペラ~(・3・) とどまるところを知らない劣化・幼稚化 (´・_・`)




「無知の無恥」が国を滅ぼす?
(東京新聞【こちら特報部】)2015年3月7日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015030702000170.html
 昔から「知らないことを恥じるな」という。知ったかぶりをするより、謙虚に学ぶことが大切という意味だ。しかし、もし「謙虚に学ぶ」という暗黙の了解がなくなれば、ただの恥知らずになる。最近、そうした「無知の無恥」が目に余るように思える。それも権力の中枢、周辺で横行している。「反知性主義」という言葉が流行しているが、現実はさらにその一歩先を進んではいないか。
(榊原崇仁、沢田千秋)

4つのケースで検証

「無知の無恥」が国を滅ぼす?_1

補助金問題や人種隔離論争

開き直る首相や識者

●実例1

 「知らなかった」と恥じるのではなく、開き直る異様な光景が国会で続いていた。与野党に広がる補助金に絡む政治資金問題だ。
 政治資金規正法では、国から補助金をもらう企業は交付决定から一年間、政治活動に寄付できない。
 だが、複数の国会議員たちはこうした寄付を受けていた。ただ、政治家は企業への補助金の交付決定を知らなければ、罪に問われない。「法の不備」だ。
 不備である以上、違法性はなくても、倫理的には頭を下げるのが当然だ。しかし、安倍首相は先月二十七日の衆院予算委員会で「知らなければ違法行為ではないということは法律に明記されており、違法行為ではないことは明らか」と問題視しない姿勢を示した。
 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は「問題は違法性だけではない。補助金の一部が寄付されたと考えられる。補助金の元は税金だ。企業は自らに利益を誘導するため、政治家側に寄付しているのだろうが、その原資に税金が使われることが許されるのか」と憤る。
 首相も今月三日までに、三社から同様の寄付金計百八十四万円を受けていたことが判明。首相は「国からの補助金については知らなかった」と釈明した。
 だが、第一次政権当時も首相が代表を務めていた自民党支部に対し、国の補助金を受けた山口県の企業から五十万円の献金があったことが指摘されている

●実例2

 「知らない」で済ます姿勢は、安倍首相に近い有識者にも見られる。一三年十月まで安倍政権の教育再生実行会議の委員だった作家の曽野綾子氏もそうだ。
 同氏は移民政策に関連して、産経新聞のコラムで「二十~二十年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」と持論を展開した。
 これに対し、南アフリカの駐日大使やNPO法人「アフリカ日本協議会」(東京)などは、国際的に非難を浴びた同国のアパルトヘイト(人種隔離)を擁護する記述だと非難した。
 しかし、曽野氏は「飛躍した発想。そう考える人たちの悪意」などと反論。民放のラジオで「アパルトヘイトの問題点は何か」と問われると、「全く分からない。見たこともない。私か
行ったころには(アパルトヘイトは)もう崩れていた」と無知を決め込んだ

 曽野氏が初めて南アフリカを訪れたのは一九九二年ごろという。アフリカ日本協議会の津山直子代表理事は「まだ人種差別が色濃く残っていた時期。人種ごとの居住区も多くあった。黒人の人びとに選挙権が与えられたのも、九四年のことだ」と再批判している。

「無知の無恥」が国を滅ぼす?_2

行き着く先 国際的孤立

●実例3

 改憲をめぐる動きの中でも「無知」はうごめく。
 自民党憲法改正推進本部の礒崎陽輔事務局長(参院議員)は一二年、憲法によって権力を縛る「立憲主義」について「この言葉は学生時代の憲法講義では聴いたことがない。昔からある学説なのか」と自身のツイッターに書き込んだ。
 磯崎氏は一九八二年に東大法学部を卒業。同時期に同じ学部を卒業した護憲派の伊藤真弁護士は「授業で立憲主義に触れることはあまりなくても、それは基本的なことだったから。そもそも明治憲法制定時にもあった原則。勉強してなかったのだろう」と皮肉る。
 むしろ、伊藤弁護士は知らないふりをして立憲主義を軽く扱おうとしているのでは」と疑う。というのも、礒崎氏の現行憲法を軽んじる姿勢は最近の言動からもうかがえるからだ
 例えば、先月二十一日に盛岡市内であった自民党の会合。礒崎氏は「改憲を国民に一回味わってもらう。『怖いものではない』となったら、二回目以降は難しいことをやっていこうと思う」と語っている。

改憲、文民統制でも…

主張通す方便?

●実例4

 最新の「無知」は、六日に閣議決定された「文官統制」を廃止する防衛省設置法改正案にまつわる。
 文官統制は文民統制(シビリアンコントロール)の一形態で、防衛省で大臣を支える背広組(文官)が自衛隊の制服組より優位にあることを意味する。
 中谷元防衛相は先月二十七日の会見で「文官統制の規定は軍部が暴走した戦前の反省から作られたのか」と問われ、「その辺は私、その後生まれたわけで、当時、どういう趣旨かは分からない」と発言した。
 本当なのか。中谷防衛相は五七年十月生まれの五十七歳。誕生した後も、文民統制の成立については、しばしば語られてきた。
 例えば、七〇年四月の衆院本会議で、佐藤栄作首相(当時)は「自衛隊は政治優先のシビリアンコントロールが貫かれ、その背景には戦前の苦い経験があることを忘れてはならない」と答弁。七三年十二月の衆院建設委員会では、大村襄治官房副長官(同)が「(文民統制を意味する)憲法六六条は、国の政治が武断政治に陥ることを防ぐ目的で…」と明言している。
 首都大学東京の木村草太准教授(憲法)は「軍国主義の反省に立ち、憲法九条ができ、軍人が閣僚にならないよう六六条ができた。生年月日にかかわらない常識だ」と切り捨てた。

「何でもあり」まん延

 こうした「無知」を恥じない発言の横行について、上智大の中野晃一教授(政治学)は「古代ギリシャの哲学者プラトンは『知識がない人間の統治は不正義』と言った」と批判する。
 中野教授は今日の事態は小泉純一郎元首相の登場から始まったと指摘する。小泉氏は二〇〇三年、自衛隊のイラク派遣を非戦闘地域に限定することに絡んで、「どこが戦闘地域か、私に聞かれたって分かるわけがない」と開き直った。
 「辞任に追い込まれても全くおかしくない暴言だったのに結局、許されてしまった。小泉氏は従来、支配的だった建前の政治をバカにし、『そんなことを知らなくて何か悪い』とタブーを破るポーズで改革者を装って、大衆の支持を集めた」(中野教授)
 この手法が第三次安倍政権下の今日まで続いているという。ただ、この劇薬的な手法は副作用を伴う。
 中野教授は「事態は政治の枠にとどまらない。首相や有名人の無知や差別的発言がまかり通れば、国民にも何でもありの雰囲気がはびこる」とし、「国民は知性を守る戦いを挑まれている」と警鐘を鳴らす
 放置すれば、待っているのは日本の国際的な孤立だという。「立憲主義への無知やアパルトヘイトの肯定は、人類が打ち立ててきた原理原則や英知に対する挑戦だ。生ぬるい態度をとっていると、日本だけが世界からどんどん外れていき、孤立するだろう

「無知の無恥」が国を滅ぼす?_デスクメモ


マイナンバー アベノミクス 安全保障
度が過ぎる!?メディア戦略
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年3月10日

 安倍政権になってから、政府広報の予算が激増している。安倍晋三首相の進める経済政策や積極的平和主義などをPR。批判の根強い政策に関しても、メリットばかりを強調する。国民を誘導するようなあからさまなメディア戦略との見方もある。
(林啓太)

度が過ぎる!?メディア戦略

安倍政権広報予算 激増
識者 「国民は踊らされないで」


 「マイナンバーは、自分だけの番号。自分専用の番号で、いろいろ便利になっていく」。女優の上戸彩さんが声を弾ませる。九日から全国百十四のテレビ局で流れているマイナンバー制度をPRする政府広報のCMだ。
 マイナンバー制度には、個人情報の流出や成り済まし被害などマイナス面の指摘もあるが、これらには一切触れていない
 政府広報とは、内閣府の政府広報室が扱う政府の政策などの宣伝活動のこと。テレビのCMやラジオ番組、新聞・雑誌の広告、街角のポスターなどを通じてPRする。最近では、インターネット上のバナー広告まで活用している。この政府広報予算が、安倍政権になって跳ね上がっているのだ。
 二〇一五年度の政府広報の予算案は、前年度比三割増八十三億円。野田政権時代の一二年度に四十億円だった政府広報予算は、安倍政権の一三年度に四十四億円に増加。一四年度には、さらに二十一億円を上積みし、六十五億円になった。この増加分は、主に「消費税増税の理解を得るため」に使われたという。
 一五年度予算案の増額分は、ほぽすべてを外国向けの「国際広報」の強化に充てるという。政府広報室の担当者は「最近の領土や主権を取り巻く厳しい情勢などを踏まえて、戦後七十年の節目に、国際社会で事実関係に関する正しい認識と、わが国の基本的立場や政策に関する理解の浸透を図りたい」と話す。
 全国のFMラジオ三十八局で流す政府広報のラジオ番組「ウィークリー ニッポン!!」で今年二月、正社員との差別的扱いを禁止する改正パートタイム労働法を特集。同法は派遣やパートの正社員への転換を難しくするとの指摘がある
 昨年十一月に漫画誌「週刊ヤングジャンプ」と女性誌「non-no」に「成長戦略でチャレンジー 日本」と題した広告が載った。
 「有効求人倍率が二十二年ぶりの高水準」、「賃上げ率が過去十五年間で最高」などと、アベノミクスの「成果」を強調した内容だ。
 安倍政権の安全保障政策の宣伝にも使っている。昨年三月には「週刊文春」と「女性セブン」で一三年十二月に閣議決定した国家安全保障戦略を解説。女性セブンでは「日本や世界の平和と安全を守り続けることで、子どもたちが豊かに暮らす未来が確実に守られる」とPRした。
 いじめや自殺対策、薬物対策などの政府広報は必要だろう。だが、国民の間で評価が分かれる政策について、一方的に宣伝するのは、どうなのか
 一橋大の稲葉哲郎教授(政治コミュニケーション論)は「国民の目に留まる機会が増えれば増えるほど、当然ながら認知度は高まる」と指摘する。政府の進める政策が自然と国民に浸透していく効果がある。
 明治大の西川伸一教授(政治学)は「安倍政権の最終目標は、憲法九条の改正だ。戦争のできる軍隊を持つことを許容する世論を巧妙な手口で形成しようとしている」とみる。「安倍政権の政府広報の利用は度を越えている。国民は政府広報に踊らされないよう目を凝らす必要がある


元首相、NHK会長…問題発言の常習者
キャラで許していいの?
(東京新聞【こちら特報部】ニュースの追跡)2015年3月13日

元首相にNHKトップ、有名作家…。最近、地位も名誉もある人の問題発言が目立っている。何度も連発されると、いちいち突っ込むのがバカらしくなってくるが、それぞれ影響力があるだけに、「ああいうキャラクターだから仕方がない」では済まされない。
(三沢典丈)

キャラで許していいの?

鈍感 冷笑… マスメディアに責任

 鳩山由紀夫元首相は十日、ロシアがウクライナから一方的に併合したクリミア半島入りした。十一日には現地で記者会見し、「憲法に従い、クリミア住民の意思を反映していた」と、併合を容認する考えを示した。日本政府の意向に反する言動は、日本の外交に影響を及ぼしかねない。鳩山氏は、そのとっぴな言動から「宇宙人」とからかわれてきた。首相在任中に直面した沖縄の米軍普天間飛行場移設問題では、移設先について「最低でも県外」とぶち上げたものの、結局は名護市辺野古に転換。米紙から「ルーピー(間抜け)」と評された。政治評論家の浅川博忠氏は「元総理としての自覚がなさすぎる。祖父の故鳩山一郎元首相ゆかりの人が『あの人には困った』とこぼしていた」とあきれ顔だ。
 問題発言の常習者といえば、やはり籾井勝人NHK会長だろう。昨年一月の就任会見で、慰安婦について「どこの国にもあった」と発言。先月の定例記者会見では、慰安婦関連の番組について「政府のスタンスがよく見えない中で放送するのが本当に妥当かを、慎重に考えなければ」と政府の姿勢におもねった。
 アパルトヘイト(人種隔離)を容認するかのようなコラムが批判を浴びた作家の曽野綾子氏の差別的発言は枚挙にいとまがない。二〇〇九年のコラムで「『基地の町』で午前一時過ぎに基地の近くを出歩く女性は、性的商売をしていると思われても仕方がない」、一三年の雑誌の寄稿では、セクハラ、マクバラの改善を訴える企業の女性社員に向かって「出産したらお辞めなさい」といった具合だ。
 新聞やテレビは、この手の問題発言に鈍感だ。籾井氏を当初こそ指弾したものの、ここ数力月は通り一遍の報道にとどまっている。曽野氏のアパルトヘイトコラムは、海外メディアが先んじて問題視した。振り返れば、「三国人」などの問題発言を繰り返した石原慎太郎氏にも甘かった。こんなことでいいのか。
 コラムニストの小田嶋隆氏は「石原氏や曽野氏のような『ぶっちやけギャラ』を『無神経だけど正直者』と、支持する層は年配者を中心に一定数いる。ネットで本音主義がまかり通り、差別語が飛び交う今、彼らの需要は高まっている。マスメディアは、それを知っているから批判しない」とみる。「だが、コラムで問題があったなら、連載を終わらせるなど毅然(きぜん)とした措置を取るべきだ」
 上智大の碓井広義教授(メディア論)も「マスメディアは彼らを『困ったちゃん』とみなし、『いつものことだから』と冷笑、無視する。その結果、問題発言を取り上げず、取り上げても批判しない」と指摘した上で、ジャーナリズムに警鐘を鳴らす。
 「メディアが伝えなかったことは、一般市民には『なかったこと』になるし、批判されないと、彼らは自分の言動が肯定されたと思い込む。やはり彼らの言動を批判的に取り上げ、その背後にある本質的な問題をきちんと解説するのがメディア本来の役割。そうしないとジャーナリズムに対する信頼感を損ねかねない


石原慎太郎妄言録

こんなものを見つけましたので引用します。

2003-03-21 [書評]斎藤貴男著「空疎な小皇帝ー「石原慎太郎」という問題」(岩波書店)その2
http://www.himajin.net/diary/p.php3?80/10/10
 さて、著者が「あとがき」の中で言及している「オウム真理教」との関係について触れておきたい。著者としては、確証をつかむまでの取材ができなかったために書かなかったようである。

 1995年(平成7年)4月、石原慎太郎は突然衆議院議員辞職を表明した。地元の後援会にも知らされず、全く唐突であった。日本の政治に失望したという趣旨の意見を残しているが、とってつけたような感じである。なぜ唐突にやめるのか、全くその説明としては不十分であった。

 しかし、彼は議員辞職をせざるを得ない、大きな事情を抱えていた。

 オウム真理教は、1984年(昭和59年)2月に任意団体「オウム神仙の会」として設立された。その後、1989年(平成元年)8月に、東京都から「宗教法人オウム真理教」の認定を得ている。東京都は頑なに認定を拒否し続けていたのにもかかわらずである。

 一方、石原裕次郎は1978年(昭和53年)、舌ガンのため慶應病院に最初の入院をする。翌年東大病院に転院して再び手術を受ける。ここで病魔を克服したかと思ったが、1981年(昭和56年)、解離性大動脈瘤で再び慶應病院に運ばれる。生還率3%、6時間33分の大手術に耐える。しかし、その後も1984年(昭和59年)に肝細胞ガンで、1985年(昭和60年)に胆内単胆菅炎でと毎年慶應病院に入退院を繰り返し、1987年(昭和62年)7月17日に永眠。

 オウム真理教と石原裕次郎になんの関係があるのかと思われるであろう。キーワードは「慶應病院」である。1981年に解離性大動脈瘤で入院したときの執刀医がだれであったか、そこに鍵がある。この大手術の執刀を行ったのは、心臓外科医としての林郁夫だった。

 1987年に石原裕次郎が亡くなった2年後、オウム真理教は宗教法人になっている。頑なに宗教法人認定を拒否されていたオウム真理教としては、好き勝手なことをするためにはなんとしても宗教法人の認定を受けたかった。林郁夫から1988年に運輸大臣であった石原慎太郎に、状況打開の依頼がいったことは想像に難くない。実際、石原慎太郎は運輸大臣の肩書きを背景に東京都にプレッシャーをかけ、オウム真理教はまんまと宗教法人に成りおおせている。

 石原慎太郎が議員辞職を表明した直前の1995年3月20日、地下鉄サリン事件が起きる。宗教法人を隠れ蓑にしなかったら、このようなとんでもないテロをオウム真理教は起こせたであろうか。当時、政権は村山富市首相であり、自民党は戦後もっとも弱体化していた不安定な時期であった阪神淡路大震災の不手際で政府は批判を受け、そして地下鉄サリン事件である。その原因を作った人物が元閣僚経験者で衆議院の赤い絨毯の上で踏ん反り返っていることが衆人の知れるところとなったら、自民党はひっくり返ってしまう。表面的には強がりを言っていたが、詰め腹を切らされたことは、想像に難くない

 その時の思いつきと自分の人気がどうやったら出るかしか考えられず、自分の言動がどのような影響を与えるか想像できない。そして、本書を読めばわかるが、本当に節操がない。政治家として最も不適切な人物と言わざるを得ない。そして、オウム真理教に対するものも、きちんと責任を取っていない。もっとも、へたに取ればとんでもないことになってしまうが。

 そんな人物が東京都知事として君臨しているのである。東京に住んでいれば実感するが、この4年間で確実で東京は住みにくくなった。それは、不況のせいではない。福祉の切り捨てをやっているのである。節操もなく弱者への思いやりもく気も小さい、そんな人物をあなたはさらに4年、都知事として仰ぎたいか。

(´・д・`)


幻冬舎の見城氏


飲み食いさせれりゃ、こっちのものよ~


大新聞・テレビが作る「戦う国」日本


「日本の大新聞は権力側に立って国民を見下ろしている」
注目の人 直撃インタビュー
(日刊ゲンダイ)2015年3月13日

 相変わらず安倍政権の支持率は高いが、不思議なことだ。庶民にアペノミクスの恩恵はまったくないし、イスラム国の人質事件は最悪の結末に終わった。政治とカネの醜聞が噴出し、大臣がまた辞任した。そんな中で、安倍政権は平和憲法をかなぐり捨てる法整備を進めているのに、世論は怒るわけでもない。その理由を尋ねると、来日して12年になるジャーナリストからは明快な答えが返ってきた。
 「報じない大メディアが悪いのです」―。

日本の大新聞は権力側に立って国民を見下ろしてい

国の根幹が変わるのに新聞が反論を載せない異常

-この調子でいくと、今月中にも自衛隊が世界中に出ていって、戦争協力する法案が提出されることになります。国の形が完全に変わってしまうのに、日本人は関心も示さない。どう思いますか?

 こうなっているのは2つの大きな要因がありますね。ひとつは自民党一強、野党不在の政治状況。もうひとつはメディアが安倍政権を怖がって批判を控えていることです。

 -やっぱり、怖がっているように見えますか?

 見えますよ。日本はいま、これまでとは全く異なる国家をつくろうとしている。憲法に基づいた平和主義を守るのではなく、米国や英国の仲間になろうとしている。果たして、それでいいのか。大きな岐路、重要な局面に立っているのに、そうした議論が何もないじゃないですか。これは本当に不思議なことです。恐らく多くの国民は、戦後以来の大きな変化が起こっていることすら知らないんじゃないですか。私は何も新聞に反安倍のキャンペーンをやれと言っているわけではないんです。安倍政権はこういうことをやろうとしているけれども、そこにはこういう問題点や危険性がある。こういう別の意見もある。せめてさまざまな立場の見方を紹介して、幅広い議論を喚起することか必要なんじゃないですか

 -しかし、それすら大新聞はめったにやらない。何か安全保障の問題はタブー視されているような印象すらありますね。

 なぜ、タブー視されるのでしょうか。9・11の直後、米国では国を守るためには団結しなければダメだという危機感がメディアの批判精神を鈍らせました。これは大きな失敗でした。あの時こそ、メディアは冷静になって、きちんとブッシュ政権に問うべきだったんです。本当にイラクに大量破壊兵器はあるのか。本当に、この戦争をしなければいけないのか。しかし、それをやらなかった。それと同じ失敗を日本のメディアは犯そうとしていますね。いま、日本の国家はどういう危機に直面しているのでしょうか?台頭する中国への不安や懸念ですか?イスラム国の脅威ですか?そんな小さなことでジャーナリズムが批判精神を失うのでしょうか

 -イスラム国の人質事件ではニューヨーク・夕イムズ紙に掲載された風刺画が非常に印象に残っています。「イスラム国は平和主義から逸脱する日本を後押しするか」というタイトルで、車夫(=日本人)の鼻先にイスラム国の旗をぶら下げ、「憲法改正」の車を走らせる安倍首相が描かれていた。キャプションには「安倍晋三”大統領”は復讐を呼びかけた」とあった。

 ニューヨーク・タイムズの論評を扱う部署には複数の風刺画家がいます。そのうちのひとりがアイデアを提示した。私が関わったわけじゃありません。

政治利用されたイスラム国の人質事件

 -ということは、米国人は一般的に安倍首相のことを、そういう目で見ているということですね

 そうだと思いますね。ひとりがアイデアを出して、みんながそうだね、と賛同したわけでしょうからね。

 -それなのに、日本の大メディアは風刺画どころか、安倍政権が人質救出に何をしたのか、しなかったのか。イスラム国と戦う国への2億ドル支援演説の是非もほとんど論じていませんね。

 私は中東で調査をしたわけではありませんが、東京から見ている限り、安倍政権はあらゆるルートを駆使したわけではないでしょう。最初からあきらめていたように見えます。身代金の支払いにしても早い段階から拒否しているし、この事件を政治的に利用し、テロに屈しないと宣言して米英の一員であることを国内外にアピールするのが狙いだったように感じました

 -人質救出に全力を挙げると言っていましたけどね。

 政治っていうのは、みんなそんなもんですよ。オバマ政権も一緒です。ただ違うのはメディアが政府の言い分をうのみにするかどぅかです。私は列強の仲間入りをしたいという安倍首相が悪いとは言いません。彼は素直に自分のやりたいことをやっている。それは就任前の言動から容易に推測できたことです。問題はそれに疑問も挟まず、従って何の質問もせず、説明も求めないメディアの方です。だから、安倍首相が積極的
平和主義を唱えれば、多くの国民が何の疑問も持たずに”そんなもんか”と思ってしまう。ここが危険なところです

 -積極的平和主義で、米国と一緒になって戦う。それが日本を守ることになる。こういう主張
の政治家、官僚、学者、評論家たちは、米国がやっていることが正義であるという大前提に立っていますね。ただし、そういう人々の多くは、アーミテージ元国務副長官に代表されるジャパンハンドラーと呼ばれる人としか付き合っていない。このほど、ファクラーさんが出された孫崎享さん(元外務省国際情報局長)との対談本、「崖っぶち国家日本の決断」(日本文芸社)の中には、こういうことが書いてあって、本当に驚きました。ハンドラーという言葉は[犬を扱う]ようなイメージだというし、そのジャパンハンドラーの人々が米国を動かしているわけでもない。これは非常におかしなことだと思います。

 ジャパンハンドラーの人々は非常に保守的で、オバマ政権にも入っていないし、決して米国の意見を代表しているわけではありません。それなのに、自民党の政治家や外務省の官僚はジャパンハンドラーに頼ってしまう。

ごく一部の人が管理し動かしている日米同盟

 -対談本でファクラー
さんは、「ジャパンハンドラーは『既得権益集団』で、コンサルティンググループなどをつくり、強欲な商売をしている」とおっしゃっていた。

 鳩山政権の時に脱官僚を唱えた瞬間、日米関係かぶっ壊れたでしよ?あんなにすぐ壊れるものかと驚きました。このことは日米のパイプがいかに細いかの裏返しです。一部の自民党の政治家や官僚とジャパンハンドラーとの付き合いしかないのです。日米関係に関わっている人は非常に少数で、そういう人が同盟関係を管理している。だから、普天閧基地の移転問題にしても辺野古しかないという結論になってしまう。もっと幅広い人脈と付き合っていれば、さまざまな意見、
選択肢が出てくるはずです。

こんな民主主義国家見たことない

 -集団的自衛権についても、それが日米同盟では当たり前ということになってしまう。

 確かに戦後70年間、米国と一緒にやってきて、ある意味、安全だった過去の実績はあります。でも、今後もそれでいいのか。平和憲法を捨てず、平和主義を貫く選択肢もあるし、鳩山政権や小沢一郎氏か唱えたようなアジア重視の道もある。どちらがいいかは国民が考えた上で決めるべきです。

 -ところが、日本人には、それを判断する情報すら与えられていないんですよ。新聞が選択肢すら報じないものだから。

 日本のエリートの上の方で、物事が決まっている。大きな新聞はそちらの方を見て記事を書いている。そんな印象ですね。新聞社は読者の側に立って、権力を見ていない。権力者の側に立って、国民を見下ろしている。そんなふうに感じます。こんな新聞を国民は信じますか?

 -このまま米国追随路線をエスカレートさせたら、この国はどうなっていくと思われますか?

 イスラム国のような事件がまた起こりますよ。米英豪仏などと同じ一員になれば、彼らの敵か日本の敵にもなる。日本人はそこまでの覚悟をしているのでしょうか。いずれにしても、民主主義国家でこれほど異常な一党支配の国は私の知る限り、見たことがない。戦前と似ていると言う人がいますが、野党不在で政権と違う意見を許さないという雰囲気においては、似ているかもしれません。健全な民主主義に不可欠なのは議論なのに、それを忘れているとしか思えません


他国の台頭を阻止
米国は
①同盟国であっても政治・経済的秩序を覆す国の台頭を許さない
②必要ならば米国単独で軍事行動をとる


日米合同委員会とは

https://youtu.be/aPa90pTvDoo


これ本当なんでしょうか??↓
メディア裏社会