沖縄の涙と希望 | 私にとって人間的なもので無縁なものはない

沖縄の涙と希望



知事選4氏が立候補 辺野古争点に論戦
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-233871-storytopic-3.html
 任期満了に伴う第12回県知事選が30日告示され、午前9時までに、届け出順に無所属新人で元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)、無所属新人で元参院議員の喜納昌吉氏(66)、無所属新人で前那覇市長の翁長雄志氏(64)、無所属現職の仲井真弘多氏(75)の4人が立候補を届け出た。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題を最大の争点に、保守分裂の混戦が展開される。各候補は出発式の後、県内各地へ遊説に繰り出した。投開票は11月16日。
 普天間問題では仲井真知事が昨年12月、辺野古沖の埋め立てを承認。問題は山場を迎えており、政府が早期着工を目指す中、各候補は移設の賛否をめぐり激しい論戦を展開している。
 仲井真氏は普天間の危険性除去の観点で移設計画を推進、翁長氏は「米軍基地は経済発展の阻害要因」などと訴え辺野古の新基地建設反対を強調、下地氏は県民投票による解決策を提示し、喜納氏は辺野古移設阻止へ埋め立て承認の取り消しを掲げている。
 カジノ誘致も重要な争点だ。子育て、教育政策、経済振興などでも各候補が独自の政策を主張している。
 30日、仲井真氏は本島中南部で街頭演説し、夜は沖縄支部総決起大会に臨む。翁長氏は辺野古、沖縄市などで遊説し、那覇市で支部総決起大会を開く。
 下地氏は那覇市内各地や浦添市、宜野湾市などで街頭演説する。喜納氏は南城市の久高島で第一声を放ち、斎場御嶽、首里城などを回る。



沖縄知事選 保守分裂激戦に 焦る政権、空約束?
(東京新聞【こちら特報部】)2014年10月29日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014102902000172.html
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題が最大争点となる沖縄県知事選(11月16日投開票)が30日、告示される。保守陣営が分裂し、激戦の様相だ。政府・自民党は選挙結果にかかわらず移設を推進する方針。だが、敗北すれば安倍晋三首相の政権運営に大きな支障が出る可能性もあり、てこ入れに躍起だ。
(三沢典丈、榊原崇仁)

沖縄知事選 保守分裂激戦に焦る政権、空約束?_1

辺野古移設が最大争点

 「新基地を容認して、(その代わりに)振興策を取ってくるような県政に県民は傷ついてる。全人生をかけて頑張りたい」。翁長雄志(おながたけし)・前那覇市長(六四)は二十八日、那覇市内で開かれた集会で支持を訴えた。
 翁長氏は、自民党県連幹事長に就いたこともある県内保守政界の重鎮。前回知事選では、仲井真弘多(ひろかず)知事(七五)の選対本部長を務めた。その翁長氏が今、米軍普天間飛行場の辺野古移設を容認した仲井真氏に反旗を翻している。翁長氏は二十一日の政策発表で「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地は造らせない」と表明。埋め立て承認の取り消しや撤回も検討すると主張する。
 過去四回の知事選は、いずれも保革対決の構図だった。今回は、保守が分裂。那覇市議や経済界の一部が翁長氏を支持。翁長氏は、共産、社民、地域政党・沖縄社会大衆党などに支援の輪を広げる。公明党は自主投票を決め、民主党は特定候補を支援しない方針だ。
 翁長氏の優勢が伝えられる中、自民党の推薦を受ける仲井真氏も巻き返しに躍起だ。二十七日、那覇市内で開かれた支援者の集会では、埋め立てを承認したことについて「県外が理想的と考えて取り組んできたが難しい。ぐっと我慢してのみ込まざるを得なかった」と理解を求めた。
 仲井真氏は「普天間飛行場の危険性除去が最優先」という立場で、辺野古移設の推進を明確にしている。
「普天間は五年以内に閉鎖状態にすると政府が確約した」と成果を強調した。仲井真氏の後援会の知念光弘専務理事は、翁長氏の陣営に対し、「もはや共産党と一体化している。保守分裂というより、従来通りの保革対決だ」と攻撃材料にする。
 知事選には、県民投票の実施を主張する元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(五三)と、埋め立て承認を「取り消すか撤回」と訴える元民主党参院議員の喜納(きな)昌吉氏(六六)も立候補する予定だ。
 仲井真氏も前回知事選では、県外移設を公約に掲げていた。当時、仲井真氏を支持した塾経営の沢田清さん(六九)は、辺野古移設を容認したことに、これ以上の背信はないと感じたという。「私の祖父やおじも戦争で殺された。沖縄戦県民の四人に一人が本土の盾として死んだ。それが今でも年配の人の心にトラウマ(心的外傷)として残っている。新基地の建設は絶対に許せない」
 翁長氏陣営の平良朝敬・副選対本部長は「中央では、県内移設は既成事実のように報じられているが、県民のほとんどが認めておらず、仲井真氏が移設を認めたことに対する怒りは収まっていないイデオロギーを捨てたオール沖縄の闘いだ」と語気を強める。

沖縄知事選 保守分裂激戦に焦る政権、空約束?_2

「県民を愚弄」

 県民感情は複雑だ。沖縄は、差別を受け、中央政治に翻弄(ほんろう)されてきた歴史があ
る。大学職員の男性(四一)は「基地問題がこのまま安倍政権の思惑通りになると思うと不安。知事より安倍首相が怖い。でも翁長氏も、
もともとは自民党。移設を止めることなどできないのでは」。普天間飛行場近くに住む男性(七二)は「普天間飛行場の廃止は住民の長年の悲願。移設はもう止められない」とあきらめたよう
に話した。
 政府は、選挙結果にかかわらず、辺野古移設を進める方針だ。だが、結果次第では、移設推進の旗を振る安倍政権の消長にも大きく影響しかねない。仲井真氏を側面支援するための、施策を次々繰り出している。
 防衛省沖縄防衛局は八月十八日に辺野古沖の地質を調べる海底ボーリング調査を開始。九月三日には、埋め立て工事の工法を一部変更する申請を県に届け出ている。名護市が管理する区域に土砂運搬用のベルトコンベヤーを設置するのを取りやめ、トラックで運ぶなどの計画変更だ。移設に反対する稲嶺進名護市長との事前協議をしなくて済むようにすることが狙いとみられている。変更の承認判断は知事選後になる見通しで、移設に反対する候補者が当選すれば、移設スケジュールがとん挫する可能性もある。
 菅義偉官房長官は九月十七日、普天間飛行場を二〇一九年二月までに運用停止にすると表明した。五年以内の運用停止を強調することで、沖縄の負担軽減をアピールしたものだ。ただ、これが実現するかどうかはかなりあやしい
 今月二日に開かれた日米外交・防衛当局の協議機関「日米合同委員会」で、米側が「(一九年二月の運用停止は)空想のような見通し。米側と調整もなく発表したことは迷惑だ」と非難したとされる。昨年四月の日米合意では「二二年度以降」としており、米側は「五年以内」を非現実的とみているのだ
 今年七月には、普天間飛行場の新型輸送機「オスプレイ」が佐賀空港(佐賀県)を暫定的に利用する案を打ち出した。これも沖縄の負担軽減策だが、米側か難色を示したため、結局、見直しを迫られた
 日米両政府は今月二十日、在日米軍基地への環境調査に関する新協定について大筋合意したと発表した。米軍基地内で土壌汚染などがないか、日本側が調査する権限を認めるとしており、基地の返還後の活用を円滑に進める狙いがある。沖縄県が長年求めてきた措置で、仲井真知事も感謝の意向を示した。だが、日本側の調査権がどの程度まで確保されるか明記されておらず、実効性は担保されていない。
 日米両政府が[二年にまとめた在日米軍再編をめぐる中間報告では、普天問飛行場の大規模改修が盛り込まれている。
 米側か示した補修計画は八年間、総額二百億円超。一四年度は格納庫や飛行場警備フェンスなど九ヵ所を修繕しており、一八、一九年度には滑走路や誘導路も改修する。このまま本格的に補修が続けば、・辺野古に新基地が完成しても普天間飛行場は長期的に使用されることになりかねない。
 なりふり構わない「空手形」のような施策を繰り出す安倍政権に対し、沖縄国際大の照屋寛之教授(政治学)は「実現の見通しがない約束ばかり出してくるのは、沖縄県民を愚弄(ぐろう)したやり口だ。そんな子どもだましが通じるわけがない」と切り捨てる。「安倍首相が辺野古移設を目指すのは沖縄の負担軽減のためとは思えない。自らの名を歴史に残すため、歴代首相が見送った移設を実現させようとしているだけだろう。一人の功名心のため、沖縄が犠牲にされていいはずがない

沖縄知事選保守分裂激戦に焦る政権空約束デスクメ





「沖縄の涙と希望」

 沖縄の青い海・青い空を見たことがありますか?
 沖縄では、昨年の1月末、県内の41市町村長・議長・県議、県議会全会派が署名をした歴史的文書「建白書」をつくりあげ、安倍首相に新基地断念を直接要請してきました。
 私たちの沖縄には、島ぐるみのたたかいで不可能といわれた本土復帰を全国と連帯して実現した世界に誇る歴史を持っています。
 沖縄の政治が変われば、日本の政治経済は大きく変わります。
 今沖縄で吹いている風を感じてください。私たちは一人一人が歴史を彩る主人公です。
 私はこの小さいながらも守礼の国・沖縄という地に生を受け30年、米軍基地と一緒に暮らしてきました。今もなお基地があることで起きる、事件や事故が後を絶ちません。
 次の世代に手渡すなら、「基地のない平和で豊かな沖縄」でありたい。青い海と青い空。三線(さんしん)と太鼓の音色が響き渡るこの島を守りたい。そのためなら、何度でも立ち上がり何度でも叫び続けます。
 オジーやオバーたちの頬をつたいこぼれ落ちた涙は、今の時代を生きる私たちの足元を照らし、のこした言葉は道標となり、希望の道へと続いています。
 小さな島の揺るがない大きなおもいは、沖縄・日本を変える力にかわります。


小渡沙百合


沖縄『建白書』



前泊博盛×堤未果 「日米地位協定について」2014.08.13

http://youtu.be/_qukoB5UABE

沖国大米軍ヘリ墜落事件


沖国大がアメリカに占領された日
8・13米軍ヘリ墜落事件から見えてきた沖縄/日本の縮図
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B2%AD%B9%F1%C2%E7%A4%AC%A5%A2%A5%E1%A5%EA%A5%AB%A4%CB%C0%EA%CE%CE%A4%B5%A4%EC%A4%BF%C6%FC
黒澤 亜里子
沖国大がアメリカに占領された日
なぜ事件は起こったのか?
2004年8月13日、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した。米軍による不当な占拠、証拠隠滅、放射能汚染の実態・・・・・・当事者たちによる迫真のドキュメントと検証により浮かび上がった 「7日間の真実」。黒焦げになった壁の保存運動から見えてきた、日常の細部を浸潤する巨大な暴力。米軍基地の75パーセントが集中する沖縄からの緊急報告。

Ⅰ 8・13米軍ヘリ墜落事件 事件の意味と背景
 大学が米軍に 「占領」 された七日間 検証ドキュメント  黒澤亜里子
 事件とその波紋
  その時、沖縄国際大学キャンパスで起こったこと  石川朋子
  大学に米軍ヘリが落ちた日  来間泰男
  地域住民の立場から  栄野川安邦
  NO FLY ZONE コンサート 沖縄国際大学から沖縄、日本そして世界へ  狩俣恵一
  あるゼミナールの軌跡  稲福みき子
  マーからワジーが  仲里効
  資源化される沖縄の命  新城郁夫
  経験から紡ぎだされる言葉を抵抗の想像力に向けるために  阿部小涼
 大学は何を蹂躙されたか
  痛恨とともに振り返る  照屋寛之
  教職員の心理的被害  星野公夫
 放射能汚染を検証する
  放射能汚染の危険性 消えたストロンチウム90  小出裕章
  沖国大などによる土壌汚染調査  新垣武
 基地の中の日常
  普天間基地はなぜ危険なのか  ピーター・シンプソン(訳=佐藤学)
  絶えまなく続く米軍用機墜落事故  石原昌家
  ねらわれる女性たち  宮城晴美
 基地依存経済の縮図
  県の基地容認政策の犠牲者 ヘリ墜落の沖縄国際大学と宜野湾市  来間泰男
  SACOに揺れる島 普天間基地の移設先、名護市の現状  大城敬人
 岐路に立つ沖縄/日本
  「最後の警告」 は生かせるか  新崎盛暉
  米軍のグローバル再編と日本の米軍基地  梅林宏道

Ⅱ 「黒こげの壁」 への想像力を問う 「記憶」 の継承と発信
 「記憶の場」 を考える
  風景の政治学  田仲康博
  「黒い壁」 の保存と文化財指定  吉浜忍
  傷痕はなぜ残さねばならないか 広島原爆ドームと長崎原爆遺構の経験に学ぶ  江上幹幸
  歴史の証言者としての 「壁」  藤波潔
  記憶と忘却との闘争  鄭根埴
  東アジアからの眼差し 体験と歴史認識を共有する場  坂元ひろ子
  記憶の場のなかで生きること  岩崎稔
  現場の力、アートとしての 「壁」 修学旅行生と佐喜眞美術館  佐喜眞道夫
  生きた教材としての 「壁」  花崎為継
  語り合う 「壁」 署名運動、アメリカの大学生との交流体験から  安達菜子
 可能性としての大学
  「壁」 は誰のものか 大学の公共性への問い  小熊誠
  建学の理念と 「黒い壁」  垣花豊順
  旅は終わらない 「最終決定」 への手法を問う  稲福日出夫
 二つの建物が語りたかった物語 ペルー館と琉球政府立法院  真喜志好一
 たじろがず見よ
  目取真俊 「虹の鳥」 論 日常の細部を浸潤する〈暴力〉  黒澤亜里子
  友の足音 〈沖縄〉に応答する試み  鵜飼哲
  銃口はどこへ向けられたか 〈場〉を開いてゆくために  屋嘉比収


米軍ヘリ墜落事故: 報道機関の質問に対する回答
(米国大使館)2004年9月3日
http://japan2.usembassy.gov/j/p/tpj-20040903-61.html


DAYS JAPAN 11月号「私たちは子どもを守る」





通用しない
安倍・仲井真陣営の
「基地押し付け」論
(しんぶん赤旗)2014年10月26~30日

 オナガ雄志候補(前那覇市長)の勝利で米軍新基地建設をやめさせることが最大の焦点となる沖縄県知事選(30日告示、H月16日投票)。日本共産党の志位和夫委員長は那覇市内での演説会(16日)で、安倍・仲井真陣営の示す「基地押し付け」論の根拠について、一つ一つ丁寧に反論し、その道理のなさを浮き彫りにしました。

通用しない安倍・仲井真陣営の基地押し付け論_1

陸海空一体運用で5倍に

 安倍晉三首相は普天聞基地(沖縄県宜野湾市)と、名護市辺野古を埋め立ててつくる新基地の面積を単純に比べて、「面積は3分の1になる」と「負担軽減」の効果を強調しています。
 しかし、サンゴジュゴンの”美(ちゅ)ら海”を、10トントラック換算で約350万台もの土砂で埋め立てて基地をつくること自体、途方もない環境破壊です。そのうえ、建設されるのは、単なる普天間の「移設」とはかけ離れた、巨大な最新鋭基地です
 そもそも現在の普天間の滑走路は1本(2800メートル)だけですが、新基地ではV字に並ぶ2本(各1800メートル)になります。飛行場エリアには272メートルの係船機能付き護岸が設けられ、強襲揚陸艦も接岸可能に。新基地に24機配備されるMV99一オスプレイをそのまま強襲揚陸艦の艦上に積んで、出撃できるようになります。
通用しない安倍仲井真陣営の基地押し付け論写真1
 飛行場には弾薬搭載エリアも新設されます。軍用機に弾薬を積む際、今は普天間から嘉手納基地まで飛んでいって補充していますが、新基地では弾薬庫エリア(=辺野古弾薬庠)との一体運用となり、その手間もなくなります。
 新基地の飛行場エリアは、陸上部の弾薬庠エリアや、演習場エリア(キャンプーシュワブ)、大規模再編が進む庁舎エリアなどの既存施設と完全に一体運用されます。飛行場だけの単純な面積比較は全く無意味。これらを一つの基地とみなせば新基地の面積は普天間の約5倍になります。
 沖縄で今でもオスプレイが危険な訓練を繰り返す北部訓練場やキャンプーハンセン、伊江島補助飛行場といった訓練場も利用しやすくなります。さらに新基地の耐用年数は200年(米国防総省報告書)。県中・北部の住民に孫子の代まで負担を強いることになります

通用しない安倍・仲井真陣営の基地押し付け論_2

「三つの機能が一つに減る」?
真っ赤なウソ 米軍次第で増強

 安倍首相は「現在の普天間基地は、オスプレイの運用機能、空中給油機の運用機能、緊急時の外来機の受け入れ機能という三つの機能を持っている。辺野古に移る機能はオスプレイの運用機能だけであり、他の二つは本土に移るから、機能は三つが一つに減る」と語っています。
 この理屈は、真っ赤なウソです。
 2012年10月に普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備された12機のオスプレイはい13年3月から県外での訓練を開始しました。ところが、同年8~9月の追加配備(12機)をへて普天間基地での離着陸回数は増加。オスプレイは住宅地上空も頻繁に飛行しています。県外への「訓練移転」では、「負担軽減」にならないことは事実が証明しています。
通用しない安倍仲井真陣営の基地押し付け論写真2
 他の二つの機能はどうでしょうか。
 空中給油機KC130は8月26日までに岩国基地(山口県岩国市)に移駐したものの、その2日には、普天間基地に舞い戻ってきました。宜野湾市の目視調査によれば、移駐完了後も10回飛来(7日時点)。タッチ・アンド・ゴー訓練や深夜の訓練も行っています。
 外来機の受け入れも「なくなる」根拠はまったくありません。
 2006年の「米軍再編」合意で、「基地負担軽減」を口実に、嘉手納基地のF15戦闘機の訓練の一部が県外に移転されることになりました。ところが、逆に航空機の騒音は増加しました。「負担軽減」が名ばかりなのは、米国本土などからの外来機の飛来が増えたためです。
 辺野古新基地への外来機の飛来も「米軍の運用状況による」(江渡聡徳防衛相)のが現実です。

通用しない安倍・仲井真陣営の基地押し付け論_3

普天間基地が「固定化」される?
「県内移設」こそ最悪の固定化

 政府は、「辺野古に移設しなければ、普天間基地が固定化する」とどう喝しています。
 しかし、日米両政府が1996年に普天間返還で合意をしながら18年間も固定化したのはなぜか。それは「県内移設」という条件がついていたからです。県内たらいまわしでは問題が絶対に解決しないことは、18年間の歴史が証明しています
 だからこそ、昨年1月に「県民総意」を踏まえて政府に提出した「建白書」は、「普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」を求めています。「建白書」を裏切り、「県内移設」にしがみつくことこそ、最悪の「普天間基地固定化論」です。
 普天間基地は、米軍が戦時国際法をも無視して住民の土地を強奪した上に築かれたものです。無法に略奪した基地は、ただちに閉鎖して返還するのが、当たり前の道理です。
 昨年末、映画監督のオリバー・ストーン監督ら米有識者が出した声明も「(普天間)返還に条件がつくことは本来的に許されない」と指摘しています。
 仲井真知事も17日の公開討論会で、辺野古新基地に反対するオナガ雄志候補に対して「普天間基地が固定化しかねない」と批判しています。
 ところが仲井真氏は昨年11月に、こう述べていました。「固定化ということの意味を、軽々にお使いになるのは、自分が無能だという表現なのです」「固定化するという発想、言葉が出てくること自身が、一種の堕落だと思います」。まさに今、この発言が仲井真氏自身にはね返っています。
 オナガ氏は「沖縄県が移設先を探すという発想自体が間違い」と指摘しています。

通用しない安倍・仲井真陣営の基地押し付け論_4

海兵隊が抑止機能果たす?
「日本防衛」と無縁の「侵略力」

 沖縄に海兵隊がいることで抑止機能を果たし、平和と安定を手にできる-。安倍政権が新基地を沖縄に押し付ける言い分の一つです。しかし、海兵隊は平和のための「抑止力」ではなく世界へ殴りこむ「侵略力」です
 そもそも海兵隊は真っ先に敵陣に上陸し、襲いかかることを任務とする「殴り込み」部隊です。1982年、ワインバーガー米国防長官(当時)が「沖縄の海兵隊は日本の防衛には充てられていない」と議会への書面で証言しているように、日本の「防衛」とは無縁です。
 実際、海兵隊は沖縄からベトナム、イラク、アフガニスタンの各戦争に出動し、罪の無い多くの人々を殺りくしています。
 とりわけ、数千人の民間人を無差別に殺害したイラク西部ファルージャの戦闘(2004年)では、沖縄の第31海兵遠征隊がその最前線に立ちました。この部隊2200人はファルージャを含むアンバル州に展開。市街地を破壊しつくしました。
 ここには普天間基地のヘリ部隊も出動。イラク派兵を急いだずさんな整備が原因で、沖縄国際大学に墜落事故を起こしました。
 海兵隊は日常の訓練で「キル! キル! キル!(殺せ! 殺せ! 殺せ!)」と叫び、殺人訓練を行っています。その残虐性は住民にも向けられ、1995年の少女暴行事件などを起こしています(表)。
通用しない安倍仲井真陣営の基地押し付け論写真3
海兵隊が沖縄県民に与えているのは「平和」ではなく、恐怖と犠牲だけです。

由美子ちゃん事件(嘉手納幼女強姦殺人事件 - Wikipedia)

宮森小学校米軍機墜落事故 - Wikipedia

国場君れき殺事件

隆子ちゃん事件

沖縄米兵少女暴行事件 - Wikipedia

沖国大米軍ヘリ墜落事件 - Wikipedia

通用しない安倍・仲井真陣営の基地押し付け論_5

「島ぐるみ」のたたかい
県民一丸で日米両政府動かす

 1953年4月11日早朝、真和志村(現・那覇市)。米軍は同村銘苅、安謝、平野、岡野の4地区で住民を機関銃で脅し、ブルドーザーで農地をつぶし、強奪していきました。沖縄での「銃剣とブルドーザー」による土地強奪の始まりです。
 強奪はさらに宜野湾・伊佐浜、伊江村真謝、西崎へと広がり、住民の反対・抵抗運動が高まります。このような中、米国は56年6月、沖縄の基地の重要性と「長期保有」を確認した「プライス勧告」で、土地の「一括払い」=買い上げと、新たな強奪を強行する考えを示しました。
 住民の怒りは広がります。「土地の一括払いは行わない」などとした「4原則」貫徹の県民大会が同月、県内各地で開かれ、のべ20万人が参加。同年7月、那覇市内で開かれ、15万人が結集した大会には人民党、社会大衆党、民主党といった超党派が参加しました。いわゆる「島ぐるみ
闘争」の始まりです。
 この流れは祖国復帰運動へと発展し、不可能といわれた沖縄の本土復帰を勝ち取る大きな力になりました。
 復帰後は少女暴行事件に抗議する県民大会(95年10月)以来、大規模な県民大会が4回、開かれました。そのたびに県民は日本政府による分断攻撃にさらされてきましたが、「島ぐるみ」の新たなたたかいは広がり、発展していきました。
 その集大成が、県内41市町村の首長、議長、県議らが署名した、普天間基地の閉鎖・撤去と県内移設断念、オスプレイ配備撤回を求める「建白書」(13年1月)です。
 「建白書」の実現をめざすたたかいは、50年代以来の「島ぐるみ」をまっすぐに引き継いだものです。
 「建白書」の取りまとめで大きな役割を果たし、たたかいの先頭に立つオナガ雄志(たけし)候補が沖縄県知事になり、県民が一つになれば、日米両政府を必ず動かし、新しい歴史の扉を開くことになります。
(おわり)


沖縄10.21県民総決起大会(1995.10.21)

http://youtu.be/B2XpTyJ1-Ec


”血の同盟”より平和共同体
黙ってはいられない 2014
(しんぶん赤旗)2014年10月30日

沖縄国際大学大学院教授
元「琉球新報」論説委員長

前泊 博盛さん

”血の同盟”より平和共同体

 沖縄では事実が県民の前に明らかになるまで20年かかるんです
 普天間基地辺野古「移設」について、防衛省幹部は早くから「すべての計画はオスプレイのため」といっていましたが、2011年まで配備は隠され続けてきました。
 辺野古への新基地計画は、実は1966年に米海軍が構想していたものですベトナム戦争による米国の財政難で断念されましたが、今度は日本の税金で最新基地を提供しようというわけです

日本中の問題

 県民の命と財産をどう守るか。いま知事選で普天間と辺野古の問題に象徴されているわけですが、本質的には沖縄の基地全体の問題であり、沖縄の経済をどう発展させていくかという問題なんです。
 さらにいえば、国民の安全をどう守るかという、憲法日米安保に関わる日本全体の問題でもあります。

 安倍首相は集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲を強行し、日米の「抑止力」で日本を守るといいます。沖縄ではこれを「ゆくし(沖縄の方言で『うそ』)力」というんです。
 むしろ安倍さんが自ら、戦争しなきゃいけない環境をつくっているのではないか。靖国参拝などで中国や韓国の反日感情を高め、軍事力を強化したうえ、その力を背景に外交を展開しようとしています。
 「イスラム国」への空爆やイスラエルの非難決議に国連で唯一反対した対応をみても、米国は「おかしいんじゃないの」と世界中から思われています。その米国も今は血を流すのは嫌がっているんです。安倍さんのやり方を見ていると、日本だけが血を流したがっているみたいです。
 軍事力でなんでも解決できるというのは今や幻想です。〃血の同盟”なんて時代遅れのことはやめて、私はアジア共同体(AU)をつくるべきと考えています。アジア人同士で一滴の血も流さないという誓いこそ必要です。

 鍵は経済協力

 共産党の「北東アジア平和協力構想」は、軍事中心に物事を考える勢力にくさびを打ち込む点で重要な提言です。
 軍事に頼らない地域にしていくには、EU(欧州連合)にみるように域内の格差をなくし、みんなで豊かになるという経済協力体制の構築がポイントです。沖縄も、外交が活発な平和なアジアの中でこそ、交流・物流の拠点として発展できると思います。
  聞き手・写真 池田晋