只今暴走加速中凸(゚Д゚#) 首相「人間のくずと報道されても気にしない」 | 私にとって人間的なもので無縁なものはない

只今暴走加速中凸(゚Д゚#) 首相「人間のくずと報道されても気にしない」






集団的自衛権 首相「法案を提出」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014021102000131.html
 安倍晋三首相は十日の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使容認に関し「自衛隊が動くには、根拠法の改正が必要だ。将来、国会で議論するのは間違いない」と、関連法案を国会に提出すると明言した。時期には触れなかった。首相は、集団的自衛権をめぐる憲法解釈見直しに関し議論している有識者会議について「後世の批判に耐えるよう、(行使容認のための)緻密な論理構成を行ってもらっている」と指摘。四月にも報告書がまとまった後、与党協議などを経て「(憲法)解釈をどうするか、内閣法制局を中心に政府一体で判断する」と述べた。
 集団的自衛権行使の必要性が生じる事態としては、米国が攻撃され、その後に起きる日本有事で日米共同の対処が難しくなる恐れのあるケースなどを挙げた。
 想定する事例が非現実的だという質問に対しては、「相手がどうするか分からないから大変。あらかじめ相手の思惑を決めて防衛政策を立てるなら、こんな簡単で安易で危険なものはない」と反論した。
 一方、政府の解釈で憲法九条が認めているとする個別的自衛権でも、行使するには一定の要件を満たさなければならないとも言及。「自衛権全般にかかっている制約がある」と述べた上で、憲法解釈の見直しに際しても「(集団的自衛権を)全体的に認めるということはない」と強調した。



安倍総理・施政方針演説~第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説~(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/183shiseihoushin.html

石破茂幹事長(ぶら下がり記者会見)(自民党)
https://www.jimin.jp/activity/press/chief_secretary/123517.html

演説を逆に読めば 首相の本心みえた
(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-10/2014021002_03_1.html
 通常国会を「好循環実現国会」と名づけた安倍晋三首相。国会冒頭の施政方針演説では、震災復興、経済、社会保障の順に語り、集団的自衛権行使や改憲は最後の方でした。自民党の石破茂幹事長は演説直後の会見で、「(政策の)優先順位を明快に示した」と首相を持ち上げました。

 しかし、代表質問、予算委員会で論戦が始まると、この優先順位は逆転しました。

 日本共産党の佐々木憲昭議員は3日の衆院予算委員会で「大企業には内部留保がたまっている。賃上げと雇用の安定、下請け企業の単価引き上げは十分できる」とただしました。

 これに対して首相は「総理大臣とはいえ、給料を上げると言って上がるわけではない」と述べ、最優先に取り組むと言った国民的な課題にまともに向き合わない姿勢を示しました。

 一方で首相は、石破氏が“後回し”にするかのように語った集団的自衛権行使や改憲などには、維新の会やみんなの党ら改憲野党からの働きかけもあり、熱弁をふるいました。

 首相の施政方針演説を最後から逆に読み返したら、首相の本心が見えました。

 (慎)

国家主義色に染めた戦前日本を取り戻す


首相 高飛車答弁
憲法軽視 我田引水
「民主主義と無縁」厳しい批判も

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-09/2014020902_02_1.html
 通常国会開幕から2週間余。安倍晋三首相は「丁寧な対話を心掛け、真摯(しんし)に国政運営に当たっていく」(2013年1月の所信表明)との誓いもすっかりほごにして、あらゆる国政問題で民意を軽んじ、高飛車な答弁を繰り返しています。

 (竹原東吾)

 目に余るのは、憲法を軽視する態度です。政権の暴走=国家権力を縛る立憲主義の考え方を過去の思想のように扱い、改憲姿勢をむき出しにしています。

 憲法改定にいたる厳格な手続きを定めた憲法96条も「国会議員のたった3分の1(の反対)で国民の6、7割が(改憲を)望んでいたとしても、それを拒否するのはおかしい。改正すべきだ」(4日)と主張しています。昨年、改憲派からでさえ「邪道」という厳しい批判を受け、なりを潜めていた持論の「96条改定」をここにきて蒸し返した格好です。

 集団的自衛権を行使しなければ「日米同盟に対するダメージは計り知れない」(6日)といい、歴代政権が継承してきた“行使できない”という憲法解釈の変更に何のためらいもみせません。自らに課されている憲法尊重・擁護義務(憲法99条)もどこ吹く風です。

 首相は、米軍沖縄新基地建設に断固反対する稲嶺進市長が圧勝した名護市長選(1月)の受けとめを問われても、「地方自治体の首長選であり、政府としてコメントは差し控えたい」(6日、日本共産党の仁比聡平参院議員への答弁)と黙殺する姿勢を示しました。

 ところが、同じ質問で仁比氏が米軍岩国基地(山口県)の大増強・騒音激化を批判すると、「岩国においては首長選、衆院選、参院選でご理解いただき、われわれが勝利した」などとにわかに“民意”を持ち出して、基地被害を正当化しました。政権の都合にあわせて民意をえり分ける我田引水ぶりです。

 首相の一連の言動について法政大学大原社会問題研究所の五十嵐仁教授は、おごり、高ぶりが露呈してきたと強調し、次のように指摘しています。「聞く耳を持ち丁寧に説明しようという意思の片鱗(へんりん)もうかがわれない。『力強い』というのが口癖の安倍首相らしい『力の政治』のごり押しで、内容・手法ともに民主主義とは無縁の政治家だと言わなければなりません」

安倍首相答弁録

■憲法


 国家権力を縛るものだという考え方はあるが、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方だ。憲法は日本という国の形、理想と未来を語るもの(2月3日、衆院予算委)

■集団的自衛権

 行使が認められるという判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は当たらない(2月5日、参院予算委)

■原発

 新興国における原発の導入は今後も拡大していく。国際的な観点で原子力政策を進めていかなければならない(1月28日、衆院本会議)

■靖国神社参拝

 国のためにたたかって尊い命を犠牲にした方々に対し、尊崇の念を表し、ご冥福をお祈りした。世界共通のリーダーの姿勢だ(1月29日、衆院本会議)

■秘密保護法

 (恣意的な秘密指定の懸念は)誤った報道、皆さん方(=日本共産党)がつくったパンフレットが懸念を醸成していった(6日、参院予算委)

■NHK籾井会長「慰安婦」暴言

 会長をはじめNHKの職員のみなさんには、いかなる政治的な圧力に屈することなく中立公平な放送を続けてほしい(1月29日、参院本会議)

■憲法96条改定 

憲法96条は憲法改正について「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」で国会が発議し、国民投票の過半数の賛成を必要とすると定めています。安倍首相や自民党は、この国会の発議要件を「過半数」に緩めようとしています。



【経済】日本の給与レベルは16年ぶりの低水準、アベノミクスが新たな壁に直面=海外メディア(フィスコ)
http://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201402100116
米メディアはこのほど、日本の給与水準が低下し続けているため、給与の引き上げなどを通じてデフレの脱却を目指す「アベノミクス」が新たな壁に直面しているとの見方を示した。また、多くの中小企業の賃上げが見送られている中、一部の大手企業のベースアップだけで4月の消費税引き上げの悪影響を解消できるかどうか現時点では不明だと指摘した。

このほか、英経済学者トム・オーリック氏も最新リポートで、日本の少子高齢化の進行が給与水準を低下させる主因だとの見方を示した。顧客の絶対数が減少している中、賃上げの実施はほぼ不可能だと分析した。

統計によると、2013年12月の日本の平均基本給与(ボーナスと残業代を除く)は前年同月比0.2%減の24万1525円にとどまったという。給与水準は19カ月連続で低下し、16年ぶりの低水準を記録したという。

《ZN》





首相「人間のくずと報道されても気にしない」 予算委(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG2D3PMHG2DUTFK003.html
 安倍晋三首相は12日午前の衆院予算委員会で、NHK経営委員で作家の百田尚樹氏が東京都知事選の特定候補の応援演説で他候補を「人間のくず」と呼んだことについて、「ある夕刊紙は私のことをほぼ毎日のように『人間のくず』と報道しておりますが、私は別に気にしませんけどね」と笑いながら答弁した。閣僚の一部からも笑いがもれた。

 首相はその上で「経営委員が個人的に行ったものについて、政府としてコメントすべきではないと考えている」と答弁した。

 民主党の大串博志氏が「任命した首相として何らかの責任を感じないのか」と質問したのに答えた。


都知事選勝利で慢心暴走 止まらない安倍首相の「原発推進」
(日刊ゲンダイ)
http://gendai.net/articles/view/news/147902
 予想通り、都知事選で脱原発派を封じ込めた安倍首相が、原発再稼働に前のめりになっている。

「有識者会議が昨年12月、新たなエネルギー基本計画について、原発を『基盤となる重要なベース電源』とする原案をまとめましたが、突然の都知事選で『原発ゼロ』が争点になってしまった。この原案を無理やり閣議決定すると、かえって脱原発派が勢いづくと判断した政府は、1月に予定していた閣議決定を先送りしたのです。場合によっては、基本計画を修正する可能性もあったが、原発即ゼロを訴えた細川元首相らが敗れたことで、当初の基本計画のまま進められることになりました」(経産省関係者)

 このエネルギー基本計画は今月中にも閣議決定される。現在、稼働している原発はないが、適合性審査を申請している9原発16基のうち、関電の大飯原発3、4号機、九電の川内原発1、2号機など6原発10基については、春にも「審査合格」が出される見通しだという。次々と再稼働が認められるのは確実な情勢だ。


Japon: un gouverneur pro-nucléaire élu à Tokyo(日本:東京都知事に原発推進派が選ばれた)rfi
http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20140210-gouverneur-pro-nucleaire-elu-tokyo-shinzo-abe-reacteurs-redemarrage/
舛添
福島の事故から3年、東京都民は、与党の保守政党が支持する原発推進派の桝添要一氏を知事に選んだ。安全であると判定された原子炉の再始動を望む安倍晋三首相にとって、これはグッドニュースだ。

原子炉の再始動は時間がかかる怖れがある。新しい原子力規制当局は発電所の安全基準を根本から強化した。電力会社は、津波・テロ攻撃・航空機事故に耐えられるようにしなければならない。活断層の上に建設された原発は不可。さらに、原子力施設の耐震性も見直さなければならない。発電所から30km未満に位置する市町村は避難計画を策定しておかなければならない。以前は、10km圏内に位置する市町村だけがこれを行っていた。

原発にゴーサインを出した選挙

現在、全部で50基ある日本の原子炉は全て停止している。しかし、12基の原子炉を再始動するために4事業者が書類を提出した。東京都知事選で原発推進派が勝利したので、この4社は原子力当局から得られる承認がもっと早くなるのか?反原発の圧力の下で、東京都知事選が日本の原子力の将来についての住民投票に変わったのは確かだ。福島の事故以降日本国民は疑い深くなり、安全面で国民に保証を与えるよう新しい原子力規制当局に強く要求している。例えば、原子炉が溶融した場合に、放射性物質を留めておきながら圧力を下げることができるよう、当局は電力会社に、福島原発の原子炉と同型である沸騰水型原子炉全てに、特別なベント装置の設置を義務づけたいと考えている。たとえ原子炉が安全と判断されても、電力会社は最終的に、原子炉を再稼働する前に地元自治体の同意を得なければならない。

原子炉2基の再稼働が間近

少なくとも2基の原子炉が数ヵ月のうちに再稼働することになる。先々には50基のうち30基が再稼働されるだろう。残りは少しずつ解体されることになる。代替となる原子炉は必要とされない。福島の事故以前は、原子力は電力生産の30%を占めていた。代替エネルギーへの支持に興味が集まっている。その普及までは、石油とガスの輸入代金が貿易赤字を大きくする。円が安くなれば、それが追い打ちとなる。


原発「ベース電源」維持…国の計画に再稼働方針(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20140210-OYT1T01605.htm
 政府は国の中長期のエネルギー政策を示す新たな「エネルギー基本計画」で、原子力発電を「ベース電源」と位置づけ、原子力規制委員会が安全を確認した原発については再稼働させることを明記する方針を固めた。

 月内にも閣議決定することを目指す。

 経済産業省の有識者会議は昨年12月、原発を「基盤となる重要なベース電源」とする原案をまとめた。しかし、与党内からも、「原発の役割を重視しすぎている」との批判が出た。このため、政府は1月に予定していた閣議決定を見送り、内容の修正を検討していた。

 9日投開票された東京都知事選では、原発の「即ゼロ」を訴えた細川護熙元首相らが敗れた。政府は原発の活用に一定の理解が得られる、と判断。原発を「ベース電源」とする位置付けは修正しないことにした。

(2014年2月11日13時41分 読売新聞)




都知事選の結果受け原発政策に期待 立地市、町長「活用方針明確に」(福井新聞)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/48514.html
 東京都知事選で舛添要一氏が脱原発を訴えた候補らを破って初当選したことを受け、全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長で福井県の河瀬一治敦賀市長は10日、市役所で記者団に「都民が冷静に判断された結果」と語った。国のエネルギー基本計画について、原発を基幹電源として活用する方針を早く明確に示すよう重ねて求めた。

 河瀬市長は「舛添さんは政策が近い方なので良かった」と率直な感想を述べ、エネルギー政策への影響は「一地方選だが、あれだけ大きな街の選挙。ある程度影響はあると思う」と語った。

 美浜町の山口治太郎町長も同日の記者会見で、「今原発ゼロにしてどうするのかという都民の意見も総合的に反映された結果」と述べた。政府が修正に着手した基本計画案については「今後与党内で議論されるが、早く決めてほしい。原発の活用方針が明確に盛り込まれることを期待している」と強調した。




あーあ!(・ω・`)



○●○●○●○●○●



秘密法検討時 法務省が懸念 過失の処罰「慎重に」
政府 法成立まで隠す 入手資料で判明

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-11/2014021101_01_1.html
 昨年12月、自民、公明両党が強行成立させた秘密保護法は、ミスや予期しないトラブルでの過失による情報漏えいまでも処罰対象としています。これに対して法務省が法案検討時に「慎重に検討する必要がある」と処罰対象が際限なく広がることに、懸念を表明していたことが10日、本紙が情報公開で入手した資料で判明しました。秘密保護法案について政府内に慎重論があったことがわかったのは初めてです。(矢野昌弘)

 秘密保護法案の作成をめぐって、政府は2011年に「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」を開催し、法案の骨格づくりをすすめました。

 この会議は同年8月に報告書をまとめています。報告書づくりにあたっては、法務省や防衛省などの各省庁と会議を取り仕切った内閣情報調査室で文案についてやりとりしています。

 本紙はこれまで、こうした省庁間のやりとりについて情報公開請求をしてきましたが、多くの文書が“墨塗り”で隠されてきました。

 今回、秘密保護法成立後の昨年12月中旬に、改めて本紙が請求した資料でやりとりの一端が判明しました。

 11年5月に法務省が内閣情報調査室に提出した文書によると、有識者会議が、過失による情報漏えいまで処罰することが「適当である」としたことについて、法務省は「考えられる」と表現を弱めるよう求めています。

 その理由について、法務省は「過失犯処罰規定が置かれると、その処罰範囲は相当程度広くなり得る」と指摘しています。

 その一例として、「マニュアル違反を犯した末端の者だけでなく、マニュアルの不備により漏えいした場合にそのマニュアルを制定した者など」と処罰対象が際限なく広がることを挙げています。

 その上で、「慎重に考える必要」「過失犯処罰規定を置くことを相当と結論づけることは危険である」とのべています。

 秘密保護法では、過失による情報漏えいについて「2年以下の禁錮または50万円以下の罰金」と定めています。

 また法務省は、「法律案を作成する場合、本報告書(案)の記述にかかわらず、罰則に関する規定について法務省刑事局と十分な時間的余裕を持って協議する必要がある」と指摘。秘密保護法案が刑罰法規として運用上の問題が多数ある点に懸念を表明しています。

 この有識者会議をめぐっては、議事録がなく、会議参加者がメモを破棄したなどとして、作成過程が明らかになっていませ ん。

提出前公開なら審議違っていた
自由法曹団秘密保護法対策プロジェクトチーム責任者
田中隆弁護士


 「過失でも罰せられる」と威嚇されれば“秘密”にかかわる公務員などは、萎縮せざるをえません。過失犯処罰規定は、この法律の中核部分です。この点を法務省が、「慎重に検討すべき」としたことは注目すべきです。

 秘密保護法審議の国会議事録を私が読んだ限り、法務省が指摘した「マニュアル」のようなことが論点になることはありませんでした。

 昨年の法案提出前に、この事実が明らかになっていれば、国会審議や反対運動は違っていたはずです。安倍政権が検討過程を隠してきたことは、重大だと思います。

過失犯処罰規定に懸念を表明する法務省の文書
(写真)過失犯処罰規定に懸念を表明する法務省の文書



愛国心を安保戦略に盛り込む怪 「愛政府心」を強制か
(東京新聞)20131214こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013121402000143.html
 安倍政権は十七日に閣議決定する予定の国家安全保障戦略に「愛国心」を盛り込んだ。安全保障に「愛国心」はどこか不釣り合いだ。先月には、文部科学省が小中高の「愛国心」教育を強化すると発表している。だが、言葉を間違えているのではないか。狙いは「愛『政府』心」の押し付けとしか思えない。 (出田阿生、鈴木伸幸)

◆愛国心を安保戦略に盛り込む怪

「愛という言葉は、強制と全く逆の概念です。愛することを強いた瞬間、それはただの義務になる。しかも外交や安全保障の指針に、なぜ愛が必要なのか。ものすごく違和感がある」

個人の良心や信条を貫く難しさを芝居で描いてきた劇作家の永井愛さんの率直な思いだ。

「愛国心」は国家安全保障戦略の「社会的基盤の強化」の項目に盛り込まれる。具体的な文言は、「諸外国やその国民に対する敬意を表し、わが国と郷土を愛する心を養う」となる予定だ。しかし、字面を追っても意味がはっきりしない。

永井さんは「『国を愛する』の主語は、政府なのか、国民なのか。指針によって国民の義務になるのか。全く分からない。これほど曖昧では、いかようにも解釈できてしまう」と指摘する。「愛国心とは、愛『政府』心ではないかと思える。国民は政府に対して従順であれ、と」いうのが、最悪の解釈だ。

特定秘密保護法案の強行採決、武器輸出3原則見直し、教科書採択への介入、共謀罪創設への動き…。安倍政権の性急な動きは、集団的自衛権の容認、改憲の強行が狙いとしかみえない。

永井さんが脚本を手がけた、君が代の伴奏をめぐって思い悩む音楽教員を主人公にした「歌わせたい男たち」という芝居がある。「愛国心の強制は、既に学校現場では現実となり、しかも日常と化しています」

国旗国歌法が1999年に成立した。当時の小渕政権は「掲揚・斉唱を義務づけない」と約束したが、東京都は今春までに延べ450人の教職員を懲戒処分とした。今年9月には大阪府教委が府立学校に斉唱時の「口元監視」を通達するなど強制は進む一方だ。

「そもそも愛国心の定義や表現方法はさまざまなのに、統一の価値を押しつけるのは大変危険。愛国心の強制は、独裁国家の常套(じょうとう)手段。『なんか変だけど、仕方ない』と忍従を続ければ、行き着く先は恐怖政治になりかねない」

作家北原みのりさんは最近、安倍政権を熱烈に支持する女性団体を取材している。戦争中の被害を訴える元慰安婦を「うそつきの売春婦」、「韓流ドラマは有害」などと主張し、日の丸を手にデモをする団体だ。

「花時計」「そよ風」など名称からは何の団体か判然としないが、「愛国者と主張する40~50代の女性が中心で、プラカードやビラをかわいく手作りし、楽しそうに活動している」という。「震災以降、不安だから何かを信じたい。すがるような切実な気持ちが動機では」と北原さん。

◆愛は信頼からしか生まれぬ

だが、「秘密保護法成立を強行し、知る権利をないがしろにする政府は、いわばDV国家です。口で『おまえを守る』と言いながら毎日殴るDV男と同じ。愛は信頼からしか生まれない。愛国心の強制よりも、政府が国民に信頼される努力をするのが先でしょう」。

◆第1次政権で基本法に文言

安倍晋三首相の「愛国心」への執着ぶりは、前回の第1次政権でもいかんなく発揮された。7年前の2006年末、「法律で愛国心を縛ることになり危険」と教育現場が猛反発する中、第1次安倍政権は教育基本法の初改定を強行した。結果、「我が国と郷土を愛する」という「愛国心」の文言を盛り込むことに成功した。

教育基本法は1947年、「天皇や国家のために個人の命をささげるべきだ」とした戦前の教育が軍事国家を支えた反省から生まれた。「個人の尊厳」や「個人の価値」に重きを置き、国家が人の内面に踏み込まないように抑制してきたが、法改定が流れを変えた。

実は改定以前、政府が愛国心を強制しようとする動きは出ていた。02年に刷新された学習指導要領の学習目標に「国を愛する心情を育てるようにする」と明記されたことを受け、全国各地で多くの小学校が通知表に「愛国心」を評価する項目を設けるようになった。

福岡市では、福岡県弁護士会が「個人の思想、心情に関わる問題で公教育にふさわしくない」と指摘し、03年に項目は削除された。しかし、愛知県や埼玉県などで、「愛国心」評価が続いた。共産党が06年5月、国会で問題視し、当時の小泉純一郎首相から「あえてこういう項目を持たなくてもいい」という答弁を引き出した。

やめる学校が相次いだが、通知表は各学校の裁量で作られるため、評価を続ける学校は完全にはなくならない。文科省が集計していないため全体像は不明だが、少なくとも埼玉県内では継続している学校がある。

「愛国心」を評価すること自体がおかしな話だが、どう評価するかも大きな問題だ。

ある小学校教師は「愛国心を持ちなさいというのは価値観の押し付けだし、愛国心の表現法も千差万別です。五輪で『頑張れニッポン』と言えば『A』なのか?評価できるはずがない」と現場の困惑ぶりを話す。

それでも、安倍政権は愛国心への執着をやめない。文科省は先月、「愛国心」を養う内容の多い教科書を増やそうと検定基準を改定する方針を決めた。下村博文文科相は「現在の教科書は教育基本法の趣旨にのっとっていないのではないか」と記者会見で発言した。

道徳の教科化も取り沙汰されている。現在、道徳に検定教科書はなく成績も付けていないが、教科となれば点が付く。何年か先、道徳が「愛国心」を子どもにたたき込む教科に変貌してしまわないか心配だ。

◆批判なければ国は必ず過ち

名古屋大の愛敬(あいきょう)浩二教授(憲法学)は「真の愛国者ならば教科書の検定基準改定に反対すべきだ」と話す。「政府批判は、より良い国にしたいから。負の歴史を教えられたら自国を愛せない薄情な人は愛国者ではない。良い国を造るには自由にモノを言い、批判的にモノを考えることが必要だ。安倍政権は愛国心を強制し、秘密保護法で批判を抑え込もうとしているが、批判者のいない国は必ず過ちを犯す」

東大名誉教授で白梅学園大学学長の汐見稔幸氏はこう警告する。「現代は中央集権ではなく、市民が主人公となり自ら住みやすいコミュニティーを作る時代だ。20世紀に日本は拡大志向で戦争に走り、大失敗した。再び『国を愛せ』と強制して、同じ過ちを繰り返そうとしている。完全に時代に逆行している」

20131214東京新聞こちら特報部



属国日本を米戦略に組み込む「共通戦略目標」
(新世紀ジャーナル)2005年3月
http://www.21c-journal.net/news/531kyot.html
背景に世界的戦略関係の変化

 日米両国は2月19日に日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、アジアと世界で日米が一体となって軍事対処するための「共通戦略目標」について合意し発表した。

 合意された日米の中心的な戦略目標は、

1.国際テロや大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散といった新たに発生している脅威への対処。
2.アジア太平洋地域における不透明性や不確実性への対処

である。
 「共同発表」によると,日米の共通の戦略目標には更に以下の点が含まれる。

(1)アジア太平洋地域における平和と安定
(2)朝鮮半島の核計画、弾道ミサイル問題
(3)台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決
(4)中国が軍事分野における透明性を高めるよう促す
(5)北方領土問題の解決を通じて日露関係を正常化
(6)東南アジアを支援
(7)不安定を招くような武器及び軍事技術の売却及び移転をしないよう促す
(8)海上交通の安全
(9)国際平和協力活動や開発支援における日米のパートナーシップを更に強化する
(10)大量破壊兵器及びその運搬手段の削減と不拡散を推進

 以上のような日米の共通戦略目標の下で今後自衛隊と米軍の「役割や任務、能力について検討」し米軍の編成の見直しを進めることになる。

 こうした日米の戦略協議は、小泉首相がアメリカの首脳に呼応する「世界の中の日米同盟」「日米同盟は世界の平和と安定の礎(いしずえ)」の具体化といえるものである。

 既に日本政府は昨年末に新「防衛計画の大綱」を決定しており、その大綱は自衛隊の海外派兵を「本来任務」に位置付けている。

 とくに今回の戦略会議が注目を集めたのは「台湾海峡」問題の平和的解決を日米安保の「共通戦略目標」に盛り込んでいることである。中国政府はこのことについて日米安保が二国間の枠組みを超え、中国の国家主義の枠内の問題を加えたことに内政干渉として「断固反対」している。  「戦略目標」が主要には対中国、対北朝鮮に向けられたものであることは明らかである。  協議ではライス米国務長官が、「地球規模のパートナーとして新たな脅威に対処する」と繰り返し言及したといわれている。この発言に示されているのは日本がアメリカの覇権戦略に組み込まれたことであり、「日本はミサイル防衛を高度に自動化し、アメリカのシステムと統合すべきだ」(シュナイダー米国防長官顧問)との要求、更には米軍から出されている米軍と自衛隊の役割分担及び在日米軍基地の移転や再配置はその具体化なのである。  今後数ヶ月かけて2プラス2でこれらの作業が進むことになる。その後、秋に予定されている日米首脳会談による新たな日米安保共同宣言の発表へと日程が組まれている。  重要なことは、日本の米戦略への組込みは、日本の憲法と矛盾する集団的自衛権のなし崩し的容認、もしくは政府解釈の変更につながること、更にはアメリカが日本の「普通の国」化をどこまで認めるかという問題に直面する。

 これについてはアメリカ政府内で対アジア・太平洋戦略の立案に携わってきた米国防大学のジェームズ・プリスタップ(ヘリテージ財団のアジア研究センターの責任者)は、「日米同盟は米英同盟のようになるべきだと思うが、決して日本が米国のような核保有国になることを期待しているわけではない」と語っている。つまりアメリカは日本を自立させる気はなく、属国のまま自己の戦略に奉仕させようと考えているのである。  米軍と自衛隊の基地共同利用による一体化とミサイル防衛システムの一体化は、日本の属国固定化の狙いが秘められている。

<再編・流動化する世界の地政学的力関係>  戦略協議による地球規模での日米同盟推進の背景にあるのは、第一にEUの経済・政治統合と、それによるフランスやドイツのイラク戦争への反対、トルコの基地提供拒否で北大西洋条約機構(NATO)がもはやアメリカにとって軍事同盟として機能しなくなったこと。

 第二にプーチンのロシアが国家主義的傾向を強め、イラク戦争に反対し、アメリカの敵国であるイランと関係を強め、更には自国通貨ルーブルをユーロに連動させる新制度を導入したこと。

 第三に資本主義の市場経済化による中国とインドの発展である。

 これらによる世界の地政学的な戦略関係が多極化へと急速に進んでおり、アメリカの一極支配は危機に直面していることがブッシュの日米同盟重視の動機なのである。

 更には米軍の変革(トランスフォーメーション)の要因としては、情報ネットワークの発達、長距離精密兵器の普及、敵レーダー回避能力の向上、戦闘ロボットの開発など軍事技術面での革命的発展が米軍の少数精鋭・機動化による再配置を要求している。  この米軍の変革に日米同盟をセットにしているのである。つまりアメリカは、自立しつつあるEU、強いロシアを目指すプーチン、アジアの盟主の地位を目指す中国の地域覇権主義、これらの多極化勢力に対抗する上で、世界第二位の経済力を持つ日本に属国のままでアメリカの戦略に軍事協力させる道を追及しているのである。  ブッシュは、イラクの泥沼化の中で米国内の高まる撤兵圧力をかわすために、又イラクでの経済的負担を軽減するための「米欧強調」を演出する外交をおこなった。しかし、今も米欧間の対立は依然として無くなっていないし、この協調は戦略関係を変更するものとならない。

 イタリアの女性記者がイラクでゲリラ勢力に拉致され、一ヶ月ぶりに開放された後、帰国途上でアメリカ軍に銃撃を受けた事件は、イタリア人民の反米の声を高めており、ブッシュにとって打撃となっている。

 ブッシュとネオコンの戦略である北東アジアから東南アジア、インド、中東に至る「不安定の弧」は、EUとロシア、中国の多極化「連合」をにらんだものである。この可能性を高めている「連合」の巨大な市場と軍事力を考えた場合、日米同盟なしにはアメリカは覇権国としての地位を守ることは不可能となっている。

 日本にとってはアメリカの戦争体制への組込みは、戦争の道であり、同時にそれは亡国の道にほかならず、自立と平和を目指す日本の広範な人々は、日本の民族的生存のために小泉とブッシュの「世界の中の日米同盟」を許してはならないのである。  日本は対米自立による平和主義を民族の存続をかけて目指すべき局面にきているのである。



【秘密保護法 言わねばならないこと】
(14)歴史家、検証できぬ 作家 半藤 一利氏(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014021202000122.html
 特定秘密保護法によって「秘密指定」の期間が事実上の無期限となれば、時の政府が何を考え、どう動いたのか、後世に教訓とするための検証が不可能となる。歴史をやる人間にとっては、あり得ない話だ。
 参院での審議時間は二十二時間。郵政民営化関連法の九十三時間や改正教育基本法といった過去の重要法に比べると、あまりにも短い。これにもっと国民は怒るべきだ。
 安倍晋三首相は防衛問題に妙なこだわりがあるようだが、それが次から次へと変な法律を生んでいくのでは、と思う。首相は「言論の自由や知る権利を侵すものではない」と言うが、政権が代わった後もそうであるという保証はない。しかも、戦時中に出たさまざまな法律も、当時の政府は議会答弁で同じようなことを言っていた。
 秘密保護法の本質は「お上が決めた情報だけを報じればいい」だ。戦前も一朝一夕のうちに戦争へ進んだわけではない。しかし、新聞は政府が認めた情報しか伝えなかった。多くの国民にとっては、いつの間にか米英との戦争へ突入していった。
 今回、新聞記者の皆さんも当初は、あまり危機感を持たなかったのではないか。いわんや雑誌ジャーナリズムは「それは何ですか」という感じだった。野球ならば九回裏ぐらいまで試合が進んでから、やっと大騒ぎしたという印象だ。
 国民主権の根源は、言論の自由だ。それが失われるとしたら、心の底から恐ろしさを感じる。「国家権力」という言葉が新聞から消えている。マスコミは萎縮せずに頑張ってほしい。
 はんどう・かずとし 1930年生まれ。作家。「ノモンハンの夏」「昭和史」など、近現代史の著作多数。