本当はやってはいけなかったのです 小出裕章先生 | 私にとって人間的なもので無縁なものはない

本当はやってはいけなかったのです 小出裕章先生



福島の女子たちが"楽しい"を発信!
~被災地発のポップな活動(ラジオフォーラム#52)

http://youtu.be/tnlkAf0coGE?t=14m28s
小出裕章ジャーナル 14分28秒~
聞き手:
12月2日に原子力規制庁が東海村にある東海再処理施設、これは日本原子力研究開発機構の施設ということですが、そこにプルトニウム溶液と高レベル放射性廃液があって、それについての調査報告をまとめました。
「潜在的な危険の原因」の現況
プルトニウム溶液及び高放射性廃液の貯蔵量の推移
廃液が430立方メートル、それだけの量が処理されずに残っていて、安全装置が壊れると沸騰して放射性物質が飛散したり、水素爆発が起こしたりする恐れがあるということです。まず、東海村の再処理施設ってどういう施設なんですか?

小出さん:
はい、皆さん、再処理というような言葉を聞くと、この施設が放射能のゴミを何か処理してくれる、始末をしてくれると思われる方がいらっしゃるようですが、それは全くの誤解です。

再処理という作業は原子炉を運転して出てきた使用済みの燃料の中からプルトニウムという物資を取り出すため、それを目的にした工場です。
で、プルトニウムというのは長崎原爆の材料になった物質でして、元々は、米国がマンハッタン計画という原爆製造計画を進める中で、
トリニティー
どうしてもプルトニウムを取り出したいとして開発された技術です。
再処理工程の概要
で、東海再処理施設でも、これまで、ふげんという原子炉が日本にはあったのですが、そこから出てきた使用済み燃料を、ふげんというのは敦賀にあったのですが、敦賀から東海村まで持ってきまして、その使用済み燃料を元々は固体なのですけれども、それをドロドロの液体にまず溶かしまして、溶かした液体の中からプルトニウムという物質を分離しようというそのために作られた工場でした。
PUREX法による再処理工程(東海再処理施設)

聞き手:
ということは、再処理施設という言葉を聞いたら、頭の中でプルトニウム抽出施設と置き換えないといけないわけですね?

小出さん:
そうです。その通りです。

聞き手:
プルトニウムなのだから危ないものだということはわかりますけれど、安全装置が壊れると沸騰して水素爆発が起こるというのは、これは要するに、原発で冷却が止まると熱くなって爆発するという、今回の起こったことと同じことが起こるということですか?
安全確保の仕組み

小出さん:
全く同じようなことが起こります。使用済みの燃料というは、膨大な放射性物質を抱えてしまっていますので、常に発熱をしています。その熱を冷やせなければ温度が上がってしまいますし、今、東海再処理施設には液体になった使用済み燃料を液体にしてしまった廃液がたくさん残っているのです。

で、それが常に発熱をしていますので、それを冷やせない限りは液体が沸騰してしまう、ということは簡単に起きてしまいますし、膨大な放射線が飛び交っていますので、水素も日常的に生成されてしまっていますので、それをきちっと処理できなければ、福島第一原子力発電所で起きたような水素爆発が起きてしまいます。
世界における再処理施設の火災・爆発事故例

聞き手:
430立方メートル残っているというわけですけど、実際もっとあったわけですよね。残っているというからには。

小出さん:
これまで、東海再処理施設というのは1977年から運転を始めた、はずだったと思います。たしか、2006年までは曲がりなりにも運転されてきたのですけれども、この再処理という作業は猛烈な危険を抱えている作業でして、度々事故を起こしたり、故障で機械が動かなくなったりしまして、1977年から2006年まで30年間、一応曲がりなりにも動いていたわけですけれども、その期間の施設の稼働率、設備利用率と私たちは呼んでいますが、20%にも満たないというほどの悲惨な運転履歴を残してきました。
再処理施設建家配置図
アスファルト固化処理施設
火災発生場所
で、2006年に一応はお金儲けのための運転はやめたのですけれども、でも、その時までに処理ができない廃液が残ってしまっていましたし、施設自身も故障や事故が続いて運転できないまま、すでに6年間停止してしまっていたのです。


聞き手:
そうすると、その危なっかしいものをいつまでそこに置いておくのだ、ということが今回の調査でも問題になったのだと思いますが、結局どうすることになっているのですかね?

小出さん:
いずれにしても、廃液の状態でこれからずっと保管を続けるということは本当に難しいことです。廃液は加熱されるとすぐに蒸発してしまいますし、放射性物質が沸騰して吹き出してくるということになってしまいますし、タンクなんかにどこかに割れが起きるとまた漏れてきてしまうということになりますので、とにかく何としても固体にしたいということだと思います。
リスク評価

聞き手:
それは稼働率20%だったという中で、できるんですか。

小出さん:
大変だろうと思います。30年間で処理できた使用済み燃料というのは1100トン程度だったと思いますし、大体1トンの使用済み燃料を溶かしますと1立方メートルの廃液ができるのですが、今、430立方メートルあるということで、たぶんそれを処理しようとすれば何十年、たしか原子力規制委員会の計画では20年ぐらいかかるということだったと思います

けれども、これから長い期間頑張らばらなければいけないし、施設はまた事故や故障が起きるでしょうから、本当にいつになって終わるのか分からないというそういう状態になってしまっています。
高放射性廃液固化安定化の期間短縮に向けた取組み

聞き手:
30年かけて1100トンぐらいですね。今、430トン分残っていると。

小出さん:
何十年かかかるだろうと思います。

聞き手:
なるほど。それはじゃあ、東海村で動かせないということなんですね。東海村でやらざるを得ない?

小出さん:
六ヶ所再処理工場というのを日本は作ろうとしたわけですけれども、六ヶ所の再処理工場すらが動いていませんし、廃液をガラスに固めようとするところで止まってしまっていますので、六ヶ所に送ったところでやはりできないだろうと思います。
六ヶ所核燃料サイクル施設配置図
核燃料サイクル施設の概要


聞き手:
そうやって20年かけてやるしかないということなのですかね?

小出さん:
たぶん、そうだと思います。再処理というのに手をつけたことそのものが間違いだったわけで、本当はやってはいけなかったのです。ただし、時間をもう元に戻すことができませんので、すでに溶かしてしまった廃液は何としても固体にするということをやらざるを得ないと思います。

聞き手:
この安全装置というのは、かなりしっかり設計されているものなんですかね?

小出さん:
もちろん、施設を設計するときには事故が起きないように、として安全装置等をたくさんつけるわけですけども、残念ながら安全装置がきちっと動かないということはよくあることでして、福島第一原子力発電所だってもちろん安全装置がついていたのですけれども、それでも事故はやはり起きてしまうわけですから、これからまた東海再処理施設で廃液を処理しようとすれば、様々な事故、故障が起きるのだろうと思います。

聞き手:
結局、手をつけてはいけないものに手をつけてしまったからこうなるということですね。

小出さん:
ということだと思います。


プルトニウム元年・Ⅲ 
隠される被ばく ヒロシマは...(1993年8月放送)


http://youtu.be/Elu824XjEZQ


米国の核施設 ハンフォード他

http://youtu.be/Z5VH6siqHTw


米・核兵器工場元労働者たちの告発

http://youtu.be/UUSqTgK9hi0


「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク
http://www.soshinet.org/

シリーズ:六ヶ所再処理のここが問題(美浜の会)
http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/rokkasho_series.htm



小出裕章氏&広瀬隆氏 講演会 @豊島公会堂

http://youtu.be/On6RIEY5Nfw



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安倍内閣 新エネ基本計画案
再稼働あおる日米財界 自民党議連も呼応

(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-05/2014010501_03_1.html
 安倍内閣は、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(会長・三村明夫新日鉄住金相談役名誉会長)が了承した「エネルギー基本計画案」最終案(昨年12月13日)を関係閣僚会議で確定し、1月中に閣議決定しようとしています。

原発再稼働がねらわれている玄海原発と川内原発(写真)原発再稼働がねらわれている九州電力・玄海原発(上)と同川内原発
 
新しいエネルギー基本計画案は、東電福島第1原発事故を受け民主党政権が打ち出した「2030年代の原発ゼロ」目標を投げ捨て、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けます。

 原発再稼働の推進を明記し、実現の見通しも立たない危険な核燃料再処理(サイクル)事業も「着実に推進する」としています。原発押しつけ政治復活の指針となる内容となっています。

運営も異常

 原発ゼロを願う世論に逆行の資源エネルギー調査会基本政策分科会は運営も極めて異常です。

 昨年10月28日には、民主党政権当時から「国家安全保障上の観点からも日本は『原子力国家』であり続ける必要がある」(「日経」2012年9月13日付)と主張し続けてきた、ジョン・ハムレ元米国防副長官(米戦略国際問題研究所=CSIS所長)をわざわざ分科会に招き「原発を再開するしか選択肢はない」と語らせました。

 分科会で出た原発推進に対する反対意見の併記を求める委員に対し、三村会長は「(併記は)恥ずかしい」と拒否。12月6日の計画原案提示からわずか1週間で審議を打ち切り、了承してしまいました。

 経産省は、拙速な同分科会による計画原案了承(同13日)さえ待たずに、1週間も早く(6日)パブリックコメントの募集(意見公募)を開始。乱暴な“フライング”まで犯して再稼働を急ぐ姿勢です。

 “今でしょ”と安倍政権に便乗する原発推進派議員らの動きも活発化。自民党議員がつくる「電力安定供給推進議員連盟」(細田博之会長)は、原発の新増設を「エネルギー基本計画」に盛り込むよう求める提言書を菅義偉官房長官に提出(昨年12月24日)しました。

財界の要求

 原発推進に固執する背景には米国や日米財界の要求があります。

 第50回「日米財界人会議」(米ワシントン市)は共同声明(同11月15日採択)で、「エネルギー源として原子力を引き続き活用していくことが重要である」と強調しました。声明の付属文書では「福島第1原発事故の経験を活かした最先端の安全技術を備える原発の輸出促進に向けて、日米両国が協力すべきだ」と求めました。

 日本の経済同友会も「夏季セミナー 東北アピール」(同7月)で「新規制基準に基づく再稼働を着実かつ迅速に進める」ための体制強化を求めました。

安倍内閣 新エネ基本計画案
反対世論へ敵意あらわ 首相“踏ん張りどころ”

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-06/2014010602_04_1.html
「再稼働反対」アピールする国会大包囲の参加者(写真)「再稼働反対」とアピールする再稼働反対☆国会大包囲の参加者=2013年12月22日、国会正門前

 米国や財界の原発推進の要求に呼応するように安倍晋三首相は昨年、原発売り込みでトルコを2度も訪問し、原発輸出セールスの先頭に立ってきました。

秘密法以上に

 エネルギー基本計画最終案の了承をうけ、「(原子力規制委員会の)厳しい基準で安全と判断されたところは再稼働したい」(昨年12月20日のTBS番組)と宣言。参院選初当選組の自民党参院議員との昼食会(同11日)で、「電力の安定供給には(原発)再稼働が必要だ」「ここが踏ん張りどころだ。決断するときには秘密保護法以上に国民世論は厳しくなるかもしれない」と世論に挑戦する決意まで語っています。

 規制基準に基づく再稼働審査のハードルを下げる狙いで昨年末(12月25日)には、自民党原子力規制に関するプロジェクトチーム(PT)が原子力規制委員会・田中俊一委員長に申し入れ、異例の面談。PT座長の塩崎恭久衆院議員は、電力会社はじめ原子力の利害関係者からの積極的な意見聴取を規制委に求め、規制委の「生まれ変わり」を期待する提言を田中委員長に手渡しました。

 強引な原発推進の動きには自民党内からも異論が出ています。

 「脱原発をめざす首長会議」主催の勉強会(同15日)で、河野太郎衆院議員は基本計画案に対し「見るも無残な、恥ずかしい素案が出てきた。エネ庁(経産省資源エネルギー庁)の人たちには福島の事故はなかったもんなんだろうか」と述べました。河野氏が代表世話人を務める自民党のエネルギー政策議員連盟は、同計画案の見直しを求める提言を年末にまとめました。

正念場迎える

 原発ゼロ、再稼働反対の運動は全国に広がり、安倍政権と対峙(たいじ)しています。首都圏反原発連合が主催した年末の「12・22再稼働反対☆国会大包囲」行動(12月22日)には、東京・日比谷野外音楽堂や国会正門前などに1万5000人規模の人々が参加しました。

 原発再稼働ゼロで年越しとなりました。原発推進の暴走は世論との矛盾を一層深めることになり、再稼働に踏み出す安倍政権との対決は年始から正念場を迎えています。

 (おわり)
 (林信誠)


2014/01/06
本日パブコメ提出期限!
原発回帰の政府「エネルギー基本計画」に市民らが抗議の緊急記者会見
(IWJ)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118741
 資源エネルギー庁が取りまとめた「エネルギー基本計画」に対するパブリックコメント(意見公募)の締め切り日の1月6日、脱原発を訴える市民団体らは経産省前の脱原発テント前で「エネルギー基本計画の閣議決定を許すな」と題した記者会見を開いた。

 エネルギー基本計画とは、2003年から約3年ごとに更新されている、日本のエネルギー政策の「指針」のことだ。今回の新たなエネルギー基本計画は1月中にも閣議決定される見通しで、現在、資源エネ庁がパブコメを募集している。

動画は本編にて( ^ω^)_凵 どうぞ

「原発回帰」へ ?「2030年代原発ゼロ」から一転

 今回の計画案には、さまざまな指摘がなされている。2012年の夏、民主党政権下で国家戦略室が募集したパブコメでは、国民の約9割が原発ゼロを訴え、政府主催の討論型世論調査でも、多くの市民が脱原発を望んだ。こうした国民的議論を踏まえ、資源エネ庁は「革新的エネルギー環境戦略」を取りまとめ、「政府が原発に依存しない社会をどう実現していくかという大きな『道筋』を示すことが重要」とし、「2030年代に原発稼働をゼロにする」と明記した。

 これが新たなの「エネルギー基本計画」の基板となるはずだった。しかし、政権交代で一転。原発は「基盤となる重要なベース電源」と位置づけ、「核燃サイクルを推進」し、「安全確認された原発は順次再稼働する」と、「原発回帰」を前面に打ち出すものとなった。

 また、前回更新時の2010年には開かれた地方公聴会も、今回は開かれる予定はない。福島第一原発事故後、初の更新であるにも関わらずだ。

「政権交代したからといって、国民の意志が変わったわけではない」

 経産省前テント広場代表の淵上太郎氏は、計画書について「『はじめに』ということで約1ページほど事故の反省などが書かれているが、その後の流れはそれとは無関係で、原発はいかに安くて、いかに必要か、ということが書かれている。前回のエネルギー基本計画とまったく同じ内容だ」と指摘。

 さらに、草案で、福島原発事故の「教訓を乗り越え、中長期的に責任あるエネルギー政策を講じなくてはならない~」と書かれていることに言及し、「乗り越えちゃいけないんです。教訓をそのまま受け止めて、次の政策に反映しなければいけない」と力強く訴え、「乗り越えることで完全に事故を忘れ、原発を推進しようというのが今回の決断だ」と断じた。

 環境NGO団体、FoE Japanの吉田明子氏は、「政権交代したからといって、国民の意志が変わったわけではない」と主張。民主党政権下での国民的議論にも不十分な点はあったが、今回よりも時間をかけ、巨額の予算を使って大々的に展開したと述べ、「(集積した国民の声を破棄するのであれば)前回と同等か、それ以上の国民的議論をするべきだ」と、拙速なプロセスを批判した。(IWJ・原佑介)



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安倍首相が今日(1/6)三重県伊勢市での記者会見の中で「一種の国家プロジェクトとしてさまざまな形でできることをバックアップしていきたい」と発言しました。「三重県の利益にもなると思うのですがリニア新幹線について」と質問者に質問させるのもおかしな話なのですが、原発の新増設には「可能な限り原発依存度を低減していく。新増設は現在全く想定していない」と言いながらリニア新幹線の運用には原発2~3基の電力が必要であること彼は知っているのでしょうか?
一方で、政府は米政府が米国内で進める超伝導リニア構想をめぐり、日本政府が総工費の半分程度を国際協力銀行(JBIC)を通じて融資する意向を米側に伝えていたそうです!
おそらくリニア実験線受注額No.1の鹿島建設や安藤ハザマあたりに受注させて儲けさせるつもりなのでしょう・・。
そんなお金(税金ですよね?)があるなら東日本大震災・福島原発事故補償に使いなさい《゚Д゚》!そして、原発再稼働を前提としたリニア新幹線の建設はやめなさい!!(;`O´)o


リニア中央新幹線:ルートや駅は着々……残された疑問 JR東海社長「絶対ペイしない」と仰天発言(毎日新聞)
http://mainichi.jp/feature/news/20131030mog00m020009000c.html

STOP! リニア中央新幹線計画
http://d.hatena.ne.jp/stoplinear/


リニア新幹線の使用電力は?


広瀬隆講演会「リニア新幹線と原発」前編

http://youtu.be/zCrCVQqNYCI

広瀬隆講演会「リニア新幹線と原発」後編1

http://youtu.be/Jfg2AwPhM-U

広瀬隆講演会「リニア新幹線と原発」後編2/質疑応答

http://youtu.be/fZs90F3-ivE