新年一発目の好きな音楽アルバムの紹介は、私・かつぼうがお墓に持っていくであろう作品です。バンド名は「 NIGHTWISH 」(以下、同バンドと記載)で、アルバム名は 『 OCEANBORN 』 (以下、本作と記載 1998年作品)です。
本作を紹介する前に、同バンドの紹介を少し書きます。同バンドはフィンランド出身の5人組(現時点)です。最近、2代目のヴォーカリスト/アネッテ・オルゾンが、音楽性の相違(よくある理由ですよね~)で同バンドを脱退
してしまいました。後任が決まったと言うニュースは、今のところ聞いていません。
同バンドは、1996年というHM/HR暗黒時代に初代ヴォーカリスト/ターヤ・トゥルネン(女性)、キーボーディスト/トゥオーマス・ホロパイネン、ギタリスト/エンプ・ヴォリネンの3人で結成されました。1997年には記念すべき1stアルバムをリリースし、音楽性を昇華させた本作でブレイクしました。
歌唱力の高い女性ヴォーカル/シンフォニック/メロディアスという音から、同バンドを「ゴシックメタル」に分類している人もいますが、同バンドの音を効くとどちらかと言うと「パワメロ」です。まぁ、同バンドの音の素晴らしさを聴けば、分類はどうでもいいのですがね(だったら書くなって?)。
私が同バンドに出会ったのは2004年、5thアルバム 「 ONCE 」 のリリース後です。「ONCE」でハマってしまい、遡りました。
同バンドのファンの多くがそうだと思いますが、私・かつぼうは初代ヴォーカリストのターヤ嬢時代の音が好きです。同バンドの大きな特徴である「シンフォニック&オペラティック」は、ターヤ嬢時代に確立されたものですから。アネッテ嬢も頑張っていたとは思いますが(実際歌唱力は非常に高かったですし)、こればっかりは仕方がありません。
同バンドの最高の曲は、上にも書いた5thアルバムに収録されている某曲です。ベストソングはそちらに譲りますが、ベストアルバムは個人的には本作だと思います。
以下、全曲紹介です。
① STARGAZERS ・・・ 超名作のオープニングは、言ってみれば「疾走するオペラ」の曲。壮大なイントロからギターとドラムが乱入、そのままオペラティックなヴォーカルが入ってきます。中盤の大仰な展開も良く、非常にドラマティックな曲です。批判を恐れずに言えば、「虹」さんの同名曲よりこっちの方が好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=MCVehuXlJxk
② GETHSEMANE ・・・ 「ゲッセマネ」と読みます。キリストが、弟子のユダに裏切られて捕えられた場所の名前だそうです。美しいピアノとターヤ嬢のヴォーカルの絡みが良い、シンフォニックなロック曲です。長い曲なのですが、綺麗なメロディと秀逸な曲の展開がそれを感じさせません。
③ DEVILS AND THE DEEP DARK OCEAN ・・・ ハードなギターと疾走するドラムで始まる、ファストナンバーです。低い声で歌う男性ヴォーカルとターヤ嬢の美しいヴォーカルの絡みも良いです。タイトルがタイトルなので、男性ヴォーカルが悪魔っぽく聴こえて曲にマッチしています。
④ SACRAMENT OF WILDERNESS ・・・ ドラマティックなキーボードで始まる、お待たせしました「正統派」の曲です。良い曲が揃う本作の中でも、出来はトップクラスです。サビの歌メロと疾走感が最高です。同バンドの母国・フィンランドで、シングルチャート1位にも輝きました。
http://www.youtube.com/watch?v=-FVA0ZFTr7o
⑤ PASSION AND THE OPERA ・・・ 「情熱とオペラ」。まさにターヤ嬢の事でしょう。この曲の最大の聴かせ処は、曲後半の 「 ホ 」 です。何の事だかわからないでしょ?↓に貼るyoutubeリンクを是非聴いてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=cb2dlQFN5-c
ターヤ嬢は、曲の後半の約2分半「ホ」としか歌っていませんよね(笑)。ですが、この「ホ」はおそらくHM/HR界では最強の(笑)「ホ」だと思います。
⑥ SWANHEART ・・・ 北欧の香りが漂う優しい笛の音で始まる、上質な癒し系バラード曲です。その癒しの効果は曲の持つスケール感を併せると、冗談抜きでエンヤに匹敵すると断言します。メロディラインの美しさは、まさに優雅な「白鳥の心」です。
⑦ MOONDANCE ・・・ 初めて聴いた時は、魂が激しく揺さぶられたインスト曲です。個人的には、インスト曲の最高峰です。この曲に関しては、「インスト曲マイベスト10」で存分に語っています。よかったら、そちらもご覧下さい。曲のリンクもそちらに貼ってありますので。
http://ameblo.jp/m-katsubou/entry-11251520124.html
⑧ THE RIDDLER ・・・ 綺麗なキーボードで始まる、ミドルテンポのロック曲。キーボードに注目がいきがちですし実際に良い仕事をしていますが、ブンブンうなっているベースも好きです。
⑨ THE PHARAOH SAILS TO ORION ・・・大仰なイントロで始まる、ドラマティックで正統派の疾走系ロック曲。③で出てきた男性ヴォーカルが再登場しますが、この曲はファラオ王の事を歌っています。今度は神っぽく聴こえます。アラビア音楽風のギターリフ、劇的な展開やアウトロも素晴らしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=3uPvrVefsSE
⑩ WALKING IN THE AIR ・・・ 「虹」さんのインスト曲「SNOWMAN」でもお馴染みの曲。ヴォーカル付きです。映画「SNOWMAN」の挿入歌のカヴァー曲だそうで、北欧出身のターヤ嬢が歌うと雰囲気も出ます。彼女、雪女っぽいしね(笑)。
⑪ SLEEPING SUN ・・・ あまりに美しいキーボードで始まる、同バンド屈指の美しいバラード曲です。冬の日照時間が短いフィンランドでは、まるで太陽が眠っているみたいなのでしょうか。情景が目に浮かびます。
アルバムには、この後にもう一曲ボーナストラックが収録されています。良いロック曲ですが、アルバムの雰囲気には全然マッチしていません。やはりボーナストラックは紹介しないと言うスタンスを崩しません。
私が現時点で一番好きなバンドは「 QUEEN 」です。同バンドもかなり1位に近づいたのですが、ターヤ嬢のバンド脱退でそれもなくなりました。アネッテ嬢が抜けて、後任探しに苦労しているならターヤ嬢と和解して欲しい
です。
ところで、↑に貼ったいくつかのyoutubeリンクを聴いて、ターヤ嬢の声や同バンドのオペラティックな曲に拒否反応を起こさなかったHM/HRファンの方々!是非、BOOK OFFとかでもいいですから、アルバムを探して購入して下さい。損をしない事は保証するばかりか、こんな素晴らしいHM/HRアルバムに出会えないのは大いなる不幸です。