東京 埼玉 プロ家庭教師の学習支援 + 臨床心理士のカウンセリング えむ心理研究室です。
ご覧いただきありがとうございます。


今日は、「やる気が出ない」悩みを持つ方への記事です。
やる気が出ない原因が「学習性無力感」である場合の克服方法をご説明します。


次のような悩みを持っている方・症状がある方に、参考にしていただけると思います。

■勉強に、とにかくやる気が出ない
■勉強のみならず、なんとなく活力がない・元気が出ない
■苦手なことに対してだけ、やる気が出ない
■気持ちが落ち込みがちで、やる気が出ない
■「学習性無力感」状態に、当てはまる気がする → 学習性無力感とは
■学校や職場に行っても、だるい
■家に帰って寝ても疲れが取れない
■「うつ病なのかな」と感じることがある
■「やる気のなさが尋常じゃない」と家族や友人から言われた
■このリストを読んで、自分が当てはまるものを探すのも、面倒なくらいにやる気がない





「やる気が出ない」・・・学習性無力感の克服方法   理論編

「勉強にやる気が出ない理由 ~学習性無力感~」  の記事でも書かせていただきましたように、やる気が出ない理由が「学習性無力感」ならば、 少しずつ、
自信や達成感を学習していくことが重要です。


ちなみに、勉強(学習)のことで無力感を抱くから「学習性無力感」と言うのだろう、と思っている人は結構な確率でいますが、「学習性無力感」の「学習」とは、「勉強」のことではありません。

心理学用語における「学習」とは、行動の繰り返しのことを指します。
ですから、
学習性無力感とは「ある行動を繰り返してしまった結果の無力感」という意味です。


ですから、勉強以外のことで学習性無力感状態になる人もいます。


例えば、 虐待を受ける状況に長くいた人の場合。
虐待する人に対して何をしても虐待が改善されないと 虐待されるのはイヤでイヤで仕方ないけれど抵抗しなくなることがあります。
虐待する人の隙をついて家から出ようとか助けを求めようなどという行動も取る気がなくなってしまいます。

また、多忙でハラスメントも多いいわゆるブラック企業的な職場に勤めるビジネスマンの場合。
忙しくて精神的にもしんどい毎日を当然のものと受け容れてしまうと、環境の変更を願い出たり上司に意見したりなどの行動が取れなくなってしまったりします。
「こんな会社、やめよう」という、当然の回避行動すらとれなくなることもあります。
「この状況を自分で変えることもできる」という思考が働かなくなってしまうのです。


このように、 「自分でなんとか出来るのに、しようとしない」 「確実に自分で今の状況を変えることができるのに、『自分にはできない』と思う」 といった状態にある人は、学習性無力感状態であると言えるでしょう。


では、勉強における学習性無力感にはどんな状況が当てはまるでしょうか。

例えば・・・
自分ではがんばって勉強したと思うのに成績が全然上がらず 「自分は何をしても勉強ができるようにならないんだ」と思えてしまう。
授業でどんどんわからないところが増えてきてしまい 「がんばってもわかるようにならないんだ」がっかりする。
・・・これらの状況は 学習性無力感によるものだと言えるでしょう。


「学習性無力感」とは、 無力感を抱く経験を重ねてしまったために、 「自分は無力だ」 「何をしてもうまくいくはずがない」 と強く思いこんでしまっている状態です。
強い「無力感」が、さらにやる気をなくす原因になってしまっています。

学習してしまった(=多く経験してしまった)無力感を打ち消すために、 今度は、自信や達成感を学習する(=多く経験する)必要があります。


さらに、重要なのは、

大きな挫折を1回だけ経験した場合よりも、 小さな挫折を何回も繰り返した場合のほうが、 学習性無力感状態になりやすい・・・ということです。

また、 努力しなかった場合よりも、 かなり努力しても効果が得られなかった場合に、 学習性無力感状態になりやすいです。

加えて、 学習性無力感状態にある人は、 勉強だけでなく、 遊びや部活、趣味など、他のことにも、 楽しみを得られにくなっていることが多いです。


以上のことから、 やる気が出ない状態である学習性無力感を克服するポイントは、

・小さな挫折を繰り返したことによる無力感を克服するために、  少しずつ、どれだけ小さくてもいいから「できた!」という自信を得ていく

・たくさん努力しても効果が得られなかった無力感を克服するために、  少しの努力で「できた」という感覚をつかむ

・勉強だけでなく他のことも楽しめない状態になっていないか、チェックする


以上の3点が基本となります。



「やる気が出ない」・・・学習性無力感の克服方法   「自分で実践」編

やる気が出ない状態、学習性無力感を克服する方法をいっしょに考えてみましょう。

その人の個性や学習性無力感状態の程度に合わせていくつも方法はありますが、ここでは4つほどご紹介します。


1.やる気が出ない状態の気持ちや思考をメモに書き出す

まずは、 やる気が出ない状態・学習性無力感の状態を、 しっかり把握し、詳細に分析しましょう。

「やる気が出ないなぁ」 と感じているときに、
他にどんな気持ちになっているか、 どんな考えを抱いているか、 何をしようとしているのか、
ご自分の状態を、メモに書き出してみてください。

やる気がないときにメモに書き出すのはつらい、という方もいらっしゃると思います。
その場合は、 少しやってみようかな、と思ったときに、 どんなときにやる気がなくなってしまうのか、 やる気がないときは、他にどんな気持ちになっているか、 どんな考えを抱いているか、 メモに書き出してみてください。

どんどん、思い浮かぶままに書き出してくださってOKです。

例えば、

「宿題をしようと思ったら急にやる気が出なくなってきた」
「わからないところも多いし、どうせ全部解けないだろうと思っている」
「宿題が全部解けないと、悲しいし、むなしい。つらい」
「今、泣けてきそうになった」
「どうして自分はこんなになるまで勉強せずにいたんだろう」

・・・といった感じです。

かなりネガティブなメモになると思います。

ですが、 これが、あなたの「学習性無力感の素」なのです。

どんな気持ちになるからイヤなのかわかれば、 そういう気持ちにならないように勉強していく方法がわかります。

例えば、 解けなくて悲しい気持ちになるのがいやなら、 解ける問題から解けばいいのです。

また、解けないと悲しい気持ちになるのがいやなんだとわかれば、 そのように感じる自分自身を、受け容れるためのメンタル強化もしていけます。

しんどい作業だと思いますが、 学習性無力感状態のときの、感情と思考をつかみましょう。


2.1行だけ教科書を読む・ひとつだけ問題を解

小さな「自信」を得るようにしていくのも学習性無力感の克服に役立ちます。

たくさん勉強しようと思うと、余計にやる気がなくなってしまうと思います。

小さな無力感の積み重ねが、現在の大きな無力感を生み出してしまったのですから、 小さな自信を積み重ねて、大きな自信につなげていきましょう。

例えば、
1行だけ教科書を読む
1問だけ問題を解く
難しい問題ではなく、教わらなくてもわかる問題を解いてみる
・・・などです。


3.勉強机に向かう

これ、意外と見落としがちな方法です。

リビングでゴロゴロしながら「やる気出ない~」と言っていても、そりゃあ出ないでしょうという話です。
何も変化をしようとしていないですのでね。

身体が準備出来てから、心が準備されることもあります。
また、「やる気は行動を起こしてから現れる」という脳科学分野の学説もあります。※1

とりあえず、勉強机に向かってみましょう。
勉強する・しないはともかくとして、勉強机に向かうこと。

姿勢を伸ばして、深呼吸して。
身体と心を、ダルダルの状態から引き締めてあげてください。


4.焦りは禁物

「小さな自信の積み重ね」作業をしているときに、 こんなふうに思う方もいらっしゃると思います。

「1問しか解いてないのに、勉強したとは言えない・・・」
「教科書を1行だけ読んでも、意味がない・・・」

・・・そう思ってしまった方に、 ちょっとキツイことを言います。

そのように思ってしまうのは、学習性無力感になりやすい性質を持っている証拠です。

完璧主義と言われたことはありませんか?
完璧主義な性質を持っている人は、挫折感を味わいやすい傾向があります。
常に「100%」を求めてしまうからです。

厳しいことを言って、ごめんなさい。 あなたのすべてを否定してはいるわけではないとわかってくださいね。

あなたは、ある一部分だけ、完璧主義なだけです。
そして、少しだけ、せっかちかもしれません。

でも、あなたがご自分を省みる必要がある性質は、今のところそのくらいです。

あなたは、すばらしい性質も持っていると思います。
自分で、 「やる気が出ない状態を克服しよう」 と思えたのですから。
しかも、このブログにたどり着いてくださって、 「記事を読むと、どうやら学習性無力感のようだから、それを克服していこう」 と思えたのですから。

その努力と前向きさを、心から尊敬します。
あなたも、自分自身をほめてあげてください。
これからは、適度な自信をつけていきましょう。

そのために、焦りは禁物です。


せっかく、学習性無力感について知り、 ご自分のことをメモに書き出して、今の状況を冷静に分析したのですから、 少しずつ・・・、少しずつ・・・、積み重ねていくことの大切さを知っていきましょう。


「やる気が出ない」・・・学習性無力感の克服方法
 「プロ家庭教師カウンセラーと一緒に」編


ここまでの「自分で実践編」を読んでくださった方、 がんばりましたね。
どうか今後も焦らずに自分のペースをつかんで、学習性無力感を克服していってください。

でも、このブログを読んでも、困った状況に居続ける方もおられると思います。
例えば、
メモの書き出し作業がうまくいかない方、
1問だけ・1行だけの「小さな自信」のつけかたがうまくいかない方、
どうしても焦ってしまう方、
1問だけ・1行だけの勉強からどのように自分のペースをつかめばいいかわからない方、
家族や学校の先生にせかされてしまう方、
うまくペースがつかめない方、

えむ心理研究室のプロ家庭教師・臨床心理士が、授業&カウンセリングさせていただきます。

えむ心理研究室のプロ家庭教師の授業は、とにかくわかりやすい!面白い!です。
勉強のイメージを、「つまんない」から「面白い!」へ、一緒にシフトさせましょう。

カウンセリングでは心理的な対話によって心が整理されます。
カウンセリングに対して抵抗感のある方もいらっしゃるかもしれませんが ぜひ一度受けてみてください。

「こんなにも心が軽くなるものなのか」と思っていただけると思います。

カウンセリングでは 自分の嫌な面、弱い面にも眼を向けていく必要が出てくるかもしれませんが 一歩ずつがんばっていきましょう。

えむ心理研究室のプロ家庭教師・臨床心理士は あなたの「自分を見つめる作業」をしっかりサポートします。

少しでも心が晴れるように、 楽しく勉強机に向かえるように、 勉強以外のこともはかどるように、 えむ心理研究室はお手伝いいたします。



やる気が出なくて悩んでいる方、
学習性無力感かもしれないと感じている方、
やる気が出ない生徒さんのお父さんお母さんはじめご家族の方、
えむ心理研究室のプロ家庭教師+臨床心理士へお気軽にご相談ください。 →えむ心理研究室 メールフォーム


***



【参考文献】
※1
作業興奮とは?クレペリンが発見したやる気の出し方の秘密(キャリアパーク!)


……………………………………………………………*☆*……
えむ心理研究室 臨床心理士×プロ家庭教師

HP:http://ameblo.jp/m-freeproject
メール:gt37fsi★yahoo.co.jp(★→@)

お申込み・お問合せ:えむ心理研究室 メールフォーム

相談方法:ご自宅訪問 カフェ 電話 スカイプ
出張地域:東京 埼玉 練馬 板橋 池袋 新宿 三鷹etc.
……………………………………………………………*☆*……
2016/9/23 加筆修正しました