野生復帰を目指し新潟県佐渡市で放鳥されたトキのうち、市内で産卵したとみられる3ペアの卵のふ化に期待が高まっている。予定日は最短で9日。佐渡市では先月、別のペアの卵でひな誕生が期待されながら、親鳥が卵を放棄してふ化が持ち越しとなっただけに、地元関係者は「2世誕生」を心待ちにしている。

 3ペアは、08~09年に放たれた雌雄。いずれも卵は確認されていないが、4月中旬以降、雌雄が交代で巣に座り込み卵を温める「抱卵」行動が観察されている。環境省は産卵した可能性が高いとみている。

 産卵から28日前後でひながかえることから、抱卵開始から計算すると、5月9日以降に順次ふ化予定日を迎える。同省佐渡自然保護官事務所の笹渕紘平保護官は「3ペアの産んだ卵がふ化する可能性は十分にある。初の繁殖に期待したい」と話す。自然界でふ化が確認されれば、1976年以来34年ぶり。放鳥トキでは初の2世誕生となる。

 一方、環境省は4月にひな誕生が期待された別のペアが巣の外に捨てた卵3個のうち、1個の殻を回収した。トキはふ化が見込まれない卵を捨てる習性があり、回収した卵も内側に血管などが付着しておらず、無精卵か成長がとまった有精卵とみられるという。このペアの雌は、5月14日に誕生日を迎える1歳で「繁殖には未成熟だったのでは」(佐渡トキ保護センター担当者)との声もある。【畠山哲郎、磯野保】

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