ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン ライフ・オブ・デビッド・ゲイル  (2003)

出演 ケヴィン・スペイシー (デビッド・ゲイル)

    ケイト・ウィンスレット (ビッツィー・ブルーム)

    ローラ・リニー (コンスタンス)

    ガブリエル・マン (ザック・スティモンズ)

    マット・クレイヴン (ダスティー・ライト)

    ローナ・ミトラ (バーリーン)

    レオン・リッピー(ベリュー弁護士)

    ジム・ビーヴァー  (デユーク・グローバー)


監督 アラン・パーカー


製作 ニコラス・ケイジ

    アラン・パーカー



【ストーリー】

死刑囚デビット・ゲイルは、今まで一切のインタビューを受け付けなかった。

しかし死刑執行まで4日後と決まったときに、弁護士を通し、雑誌社の記者ビッツィーを指定して

インタビューを受けると言って来た。

話を聞くうちに、ビッツィーは彼の冤罪を確信し、死刑執行を止めるために奔走する。



【感想】

舞台はテキサス州。

テキサスは全米一死刑執行が多い州である。

2位のヴァージニア州では1976年から2002年までの間に87人に執行されたが、

1位のテキサスでは260人が死刑を執行された。

収容されている死刑囚が全米一の600人以上というカリフォルニア州でも76年以降の執行は10人である。

そのテキサスを舞台とした、死刑制度への一石を投じる映画。

といっても、メッセージ性が強いわけでもなく、あくまでもサスペンス仕立てとなっている。


ビッツィーは、デビットの話を聞くまでは、彼の死刑を疑いもしなかった。

ただ、同行したザックは、デヴィットがハーバードを主席で卒業し、27歳で終身教授となり、著作も2冊ある

などという履歴から、証拠もなしに冤罪じゃないの?みたいに言っているだけ。

その死刑を疑いもしなかった。


面会室でビッツィーはデビッドから話を聞く。

時間は過去へと戻り、デビットの回想となる。

夫婦仲がうまくいっていないらしいということ、合格点がもらえるなら何でもすると言って迫る女子大生。

テレビ番組において、州知事と死刑制度についての対談など、デビットの位置が語られていく。

女子大生バーリーンの罠にはまり、レイプ犯として警察に捕まったところから、

デビットの人生はガラリと変わっていく。


本当に面白かったのでネタバレはしたくない。

最後の最後まで目を展開が分からなかった映画。

もちろんサスペンスを見慣れていて、深読みをする人には、分かるのかもしれないが・・・

深く考えずに見て欲しい。


ケヴィンとケイトの演技はとてもよかった。

ケイトはインタビューでも言っていたが、彼女の役ビッツーはあくまでも観客と同じ立場である。

ケイトは回想シーンを見ていないため、脚本から想像力を膨らませて、

ビッツィーの役を演じなければならない。ケイトの好演に関してはケヴィンも素晴らしいと言っていた。

実はケヴィン出演の映画は「セブン」しか見ていない・・かも。

これを見て本当に素晴らしい俳優だと思い、何か他のものを見たいなぁと思っている。

お勧めありますか?


これは余談。

監督がインタビューで言っていたが、ハリウッドは俳優をのさばらせすぎたと。

とても扱いにくく気を配らなければならず、現場の雰囲気がぎくしゃくするような俳優が多いらしい。

その中で、この映画の3人(ケヴィン、ケイト、ローラ)は俳優としても有能だが、人間としても

素晴らしいと言っていた。

現場風景があったが、とても和やかそうに感じた。

それにしても、ケイトって早口(笑


決して後味のいい映画ではないけれど、きっと彼らにとってはこれが最善の道だったのだ。

ラストはデビットからビッツィーへの、謝罪と感謝の意味が込められていたのだと思う。

「自由への鍵」これが救いになった。

(この「自由」にはいくつかの意味が含まれていると思う。また誰のための「鍵」なのかも)



【俳優・監督・スタッフ紹介】

ケヴィン・スペイシーは、「セブン 」「評決の時」「アメリカン・ビューティー」「ペイ・フォード 可能の王国」

「スーパーマン リターンズ」


ケイト・ウィンスレットは、「タイタニック」「ネバーランド 」「エターナル・サンシャイン」


ローラ・リニーは、「トゥルーマン・ショー」「ラブ・アクチュアリー 」「ミスティック・リバー

「愛についてのギンゼイレポート」

ミスティックリバーで、ショーン・ペンの奥さん役だったんですね。随分重い役が多いこと・・・


監督アラン・パーカーは、「ミッドナイト・エクスプレス」「フェーム」で監督。

「エンゼル・ハート」「エビータ」では監督と脚本。

「小さな恋のメロディ」で脚本。


製作ニコラス・ケイジは、こちら


この映画の音楽は、アレックス・-パーカーとジェイク・パーカーが担当。

アラン・パーカーの息子である。

親の七光りということはなく、単に安いギャラで働かせるとは言っていた(笑

それに、子どもを使うために、自分の作品を賭ける気にはならないとか・・・何処までが本音かな?


脚本は、これが初作品、普段は哲学の先生というチャールズ・ランドルフ。

初めて書いたとは思えない素晴らしい脚本だと思う。



お勧め度 ★★★★★


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