自民党総裁選。

麻生太郎氏と福田氏の演説は、対象的です。
必要にかられ、苦手な子供に話しかけているかのような福田氏の言葉は、どこまでも曲々しく具体性のかけらも見せない。
(ように、私には聞こえます。)

他方、麻生氏の演説はいかにも生き生きとしていて、「これを訴えたい」という彼の思いと共に、彼の政治姿勢や彼が目指す方向性が具体的な内容を伴って伝わってきます。


派閥の応援を受ける福田氏は、テレビの討論でも
「大切ですねぇ~」
「それは重要だと思いますねぇ~」
「色々と考えなくちゃならんでしょうねぇ~」
の繰り返し。
そんなおためぼかしはいいから、
「私は、中国・韓国の了解を得られないことはどんなことも致しません!」ってはっきり言っちゃえよ、と思う私がいます。
(お品がなくてすみません。)


ところで、今日の福田氏の演説はいったい誰に向かって行われたものだったのでしょうか。

「拉致が帰ってきて、核もやめて、そうしたらその先には国交があるんですよ!みなさん!」
(ニュースの字幕では、「拉致(被害者)が・・・」と補足されていました。失敬な。)


私には、総裁選の選挙カーの上を借りて、北朝鮮に向かって話しかけているとしか思えないのですが・・・

だって、「その先には国交があるんですよ!」って力を込めて言われても「そうだ、その先には国交がある!そこを目指して、今は頑張れ!」なんて思う日本国民がいるのでしょうか?

この論法で行くなら、最後に持ってくるものは「それ自体が『目標』や『目的』になるようなもの」でなければ、起承転結も序破急もあったものじゃありません。
「国交」に目標を見出すのって北朝鮮でしょ?
あなた、どこの人?

ダッカ日航機ハイジャック事件で、福田氏の父・福田赳夫首相(当時)が「人命は地球より重い」と言い放ち、人質と引き換えに赤軍派メンバーを釈放し、更に身代金を支払った一件が頭を過ぎります。諸外国から、「日本はテロに屈した」「日本はテロまで輸出する気か」という批判が巻き起こり、後々まで世界の笑いものにされた福田元首相。
今なお、父の判断を「それはそれでそうせざるをえなかった客観情勢がある。」と正当化しようとする福田氏。

親子して、一体どこを向いてるんだか・・・。