先日、富士山に行ってきました。
平成20年にふとした思いつきで行ってからその魅力にはまって8年連続で登っています。
例年は一年のうちで最も天候が安定しているとされる7月下旬から8月上旬の間に行っているのですが、今年は天気や仕事の予定の関係で9月になってしまいました。
天気がよさそうなところを見計らって一度、友人と車で5合目まで行ってみたものの強い風雨にさらされ、さすがにこの天候では無理ということで登るのを断念しました。
9月に入り、寒さも日に日に増してくるので今年は5合目まで車で登ったということでよしとしようと一度は考えていました。
でも、翌日になると不完全燃焼感がフツフツと湧いてきて、やっぱり上まで登りたくなり、予定が空いていた友人と再度チャレンジしに行くことになりました。
当日は雨はなかったものの、風が強く、明らかにこれまで登ってきた8月上旬くらいの気候とは違っていました。
冷たい風やときおり吹き荒れる強風に体力が奪われます。
このところの運動不足などの影響からの体重増もこたえ、登り始めてすぐに今回は上まで持たないかもと不安が出てきました。
開始早々、バテ気味に足を進める自分とは対照的に友人は涼しい顔をして歩いています。
彼は日々運動に励んだり、昔から山登りを楽しんだりしているなんてことはなく、基本的にインドア派で運動もまったくしないタイプ。
最近思うように運動ができていないとはいえ、彼に比べればまだはるかに自分のほうが運動はしているはず。
でも現実は明らかに違いが見えます。
急な斜面や岩場ではハーハー、ゼーゼーと息をきらし、10メートルくらい進んだら止まって息を整えるなんてことをしている自分の側で、ポケットに手を入れながらまったく呼吸が乱れることなく、のほほんと歩いています。
彼とは今回で一緒に富士山を登るのは3度目になりますが毎回こんな調子です。
秘訣を聞くと、「いつも頭の中で(イメージで)運動しているからいける」のだそう。
普段から俗世の欲望を超越しているようなところがあって、独特の雰囲気を放っているので「仙人」と呼んでいたりします。
仙人モードでなにか凄いことをやれそうな気がしないでもないのだけれど、本人にはまったくそんな欲がなく、日々淡々と生きている感じです。
もちろん、人間らしいこだわりポイントもありますが、それもまた変わっているというか突き抜けている感じで、話を聞いていて面白く感じます。
今回は過去8回のなかで初回につぐ過酷さを感じた富士登山でしたが、仙人が後ろからついてきてくれているという安心感からか、なんとか無事に頂上まで登って帰ってくることが出来ました。
単独で何度か登ってはいますが、今回のような厳しさをより感じる状況では一人より二人で進んでいくほうがやっぱり安心できるものだなあ、と感じました。
期待した御来光は今回は残念ながら直前で雲が出てきて見られませんでした。
また、頂上では重量級の体でもふらついてしまうような強風が吹き荒れていて、寒さも例年以上に厳しいものがあって、すぐに下山することになりましたが、これもまたいい思い出となりました。
自分にとって仙人は昔から憧れる職業?のひとつなので、身近にいてくれる仙人をお手本にして一歩でも近づいていきたいと思っています。