レイチェルの結婚
ジョナサン・デミ監督といえばやっぱり 『羊たちの沈黙』
その監督が家族の話で、主演はアン・ハサウェイ
最初この映画の情報を見た時ははたしてどんな物語になっているのか興味新新でした
ホームビデオ風ということで、手ぶれがひどくて見ていて辛いなあと心配しましたが
そんなことはなく、見やすい映像で良かったです
前評判通りA・ハサウェイがとても良かった
短くて散切りカット(古い)の頭 毎日何かに追い立てられてるかのようにいらいら
最初は帰ってくるなりきーきー騒ぎ立てて、腹を立て
お姉さんの結婚式だというのに自分が常に中心に立とうとして、空気を凍らせてしまうので
共感できる所はない映画なのかなと思って見てました
むしろこんな家族がいたら、ほんとに迷惑かも位の気持ちで見てたんですが
キムをめぐって、家族の悲しみや怒りが次々と映し出されていくうちに
いつのまにかすっかり映画の世界にとりこまれ
後半は哀しい場面を見ても、嬉しい場面を見ても泣きっぱなしでした
こんなに泣く映画ではないと思ってたんだけどなあ
自分の結婚式と同時に母の事も思い出されたからだと思うけどね
家族のありのままの姿がほーんとリアル
家族っていい事ばかりじゃないし、家族だからこそ、むしろきつく当たったりしてしまったり
家族の問題って一筋縄ではうまくいかないし、すっきり解決って訳にはいかない
家族だからこそ甘えてしまうっていうのもあるんだと思う
この家族が抱えている悲しみは、簡単なものじゃないし
一生みんなが引きずって行くものなんだろうなーと思えました
みんながそれぞれの形で悲しみを忘れられずにいるんだけど
キムは極端に不器用で、ああいう形でしか悲しみや自分への怒りを表せないと思ってからは
キムとその家族に一気に共感していける自分がいました
キムがなぜああなってしまったのかは出てこないんですが
お母さんの登場から話は少し違う方向に
キムのひどい過去、そして辛い事件まですべての元凶はこの人にあるんだろうな、、、
そんなお母さんを演じたのが懐かしのD・ウィンガー!
A・ハサウェイも良かったけど、私としてはD・ウィンガーもノミネートされてもいい位良かったです
見事なんですよね、このお母さんが 最後のあの姉妹のやるせなさとか、悲しかったな
紆余曲折を経て、それぞれの心に傷は引きずったまま それでも訪れる翌朝
朝特に何かが起きる訳ではないのに、そこには確かに家族の愛情が、そして希望が感じられました
差し込む優しい光 バイオリンの演奏を少し遠くから見るあの後ろ姿にじーんと
そうそうこの映画を見ていて思い出したのは K・ホームズの 『エイプリルの七面鳥』
この映画でも主人公は問題児の娘で、やっぱりホームビデオのような映像 この映画もすごくいい作品です
どちらも主人公の問題児のそばに、支えとなる素敵なボーイフレンドがいるのがいいですね
キムの場合はちょっと違うと思うけど、あの男性の存在がかなり良かった