黄体化未破裂卵胞(LUF)
黄体化未破裂卵胞(LUF)とは・・・
卵胞が破裂せず排卵されていない状態。卵胞は排卵しないまま卵胞のなかに黄体ができて、ここから黄体ホルモンが分泌されるため、基礎体温は2相になり、ホルモン検査でも異常がみとめられないことが多い。黄体期になっても卵胞は成長し続け消失しない。
原因
・卵胞壁破裂に関係するメディエータ
→プロスタグランジン系の異常
→LHサージの異常
・原因疾患の存在
好発原因疾患
・多嚢法性卵巣症候群(PCOS)
・子宮内膜症
・骨盤内炎症性疾患(PID)
・骨盤内手術歴あり(癒着の可能性)
発生頻度
自然周期で5~10%
不妊患者の13~18%
診断
★腹腔鏡・・・stigma(破裂孔:卵胞の破裂部位)の存在を確認することで確定診断となる
★エコー・・・確定診断ではないが、排卵前から排卵後にかけてエコーを行い、高温期にはいっても消失せず成長し続ける卵胞(30~50㎜)、黄体期中期で卵胞内部に高エコー像をみとめれば、LUFが疑われる
治療方針
●自然周期
原因疾患の有無を調べ、あれば原因疾患に対する治療を行う
NSAIDs(ロキソニン・ボルタレン・ポンタール・インダシン・ハイペンなど)はプロスタグランジン産生を抑制しLUFを誘発しやすくなるため、可能であれば中止もしくは他剤へ変更→担当医確認
●クロミフェン
服用周期
クロミフェン服用周期ではLUF頻度は高くなるので、漫然としたクロミフェン投与は行わない
●hMG-hCG療法
LUFの頻度を増やすが、臨床的に妊娠率を高める効果が確認されている。反復例や原因不明長期不妊患者には有効な治療法となる
●IVF-ET
長期反復症例には体外受精胚移植(IVF-ET)を行う
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