ゆとりと一括したくないけれど~鳥谷敬著「キャプテンシー」より。 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

引き続き、鳥谷選手の本から引用致します。
プロ野球選手に関わらず、たくさんの若者に該当する言葉が溢れています。
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「金本(現監督)さんの世代といまの若い選手とは、育ってきた環境が違うし、当然考え方も違う。
昔は指導者の言うことが絶対で、「気合いだ!」と叱咤されれば、それに応えようとした。
意気に感じるところもあった。
殴られたり、理不尽な練習をさせられても、「そういうものだ」と思って文句を言わずに従った。
言わば「やらされる練習」をしてきたと思う。

でも、いまの選手はそうではない。
やらされた経験を持たない選手が多く、感情に訴えかけても、それだけでは動かないし、理不尽なことは理不尽なこととして受け止める。
何かのためにその練習をするのか納得しなければやろうとしない。
いろいろな情報を得る機会もあって、指導者の言っていることが正しいのか、それとも間違っているのか、すぐにわかってしまう。
最近の若い選手を見ていると、そういうことを凄く感じる。

それがいいいことなのか、悪いことなのかはわからない。
昔のやり方が正しいのか、正しくないのかもわからない。
ただ、現実として、そういうギャップが存在しているのは間違いない。
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はい、野球選手がネームバリューで書いたとは思えない内容です(笑)。
読み物としてプロ野球ファンや阪神ファン以外でも十分に楽しめる内容です。

この中で特に私が共感したのは
「納得しないとやろうとしない」
ですね。

全てに意味を持たせることは大切ですし、理解の上に己の信念を上乗せした方が遥かに成果が上がるのは当然です。
しかし、世の中は理不尽と矛盾だらけであり、不足の事態や天変地異は起きて当然です。
全てをお膳立てしてくれて
「君はこれだけをやってください。」
が一から十まで整うとは限りません。
自分に責任と非がなくとも、率先して不利益を被った方が遥かに効率的なことなんていくらでもあります。
小さなことの白黒に躍起になるのも大切ですしょうが、それが最終目的ではないはずです。

勿論、錦織圭選手や浅田真央選手などは紛れもなく「ゆとり世代」ではあり、先人達がなし得なかった領域に到達出来た「生きたレジェンド」です。
本人のやる気と才能が周囲のバックアップと理想的にマッチした結果だと思います。
しかし、一握りの成功者は、名も無き敗北者達の上に成立しているということです。