うちの家は、室内にいても四季の移り変わり…季節を満喫できるマンションだ。
…なんて言うと、なんだか素敵な感じがするけど、要は夏暑くて冬寒いという…
北の国からの黒板家(知らない人はDVDなどで)もびっくりな家なので…
さ、寒い。寒すぎる。
そろそろ暖房つけないと…朝、ボクが冷たくなって発見されそうだ。
…こほん。さて。
以前、アポロ・ロビンスという、世界最高のスリ師の紹介をした。
・悪用厳禁。人の注意力を操る、ミスディレクションというテクニック。
彼は、エンターテイメントとして、スリのテクニックを使って、
観客を魅了するさまざまなショーをするんだけど、何度観ても
唸ってしまうほど素晴らしい技術の持ち主だ。
彼がステージで見せたウォッチ・スティール(時計外し)などは、
マジックなどでも使われるテクニックで、手技としてのスキルの秀悦さは
もちろんだけど、その技をさらに高めているのが「ミスディレクション」
という心理誘導だ。
ミスディレクションの実験。
ところで、エンターテイメントとしてではなく、このミスディレクションを
真面目に(?)検証するために行われた、クリストファー・チャブリスと
ダニエル・シモンズが1999年にハーバード大学で行った実験がある。
1分ちょっとの映像なので、ぜひキミも観てチャレンジしてほしい。
実験は、いたって簡単。
下の映像で、学生たちが2組に別れてボールをパス回しするんだけど、
「白いユニフォームを着たチームが何回パスをするのか」
数えるだけだ。
そして、パスの回数を数え終えたら、画面の指示に従って、自分の記憶を
呼び覚ましてみよう。
…ね?
初めてやった人は、たいていその結果…というか、自分の注意力のなさに
驚かされるはず。
いや、厳密に言うとしっかりと注意して観てるわけで、そのせいで
本来見えているものが見えなくなるわけだ。
この実験は、原題のとおり「セレクティブ・アテンション」
(Selective Attention=選択的注意)を検証するために行われたもの。
![白いユニフォーム](https://stat.ameba.jp/user_images/20131120/00/lovestrategist/4b/a6/j/o0600040012754862383.jpg?caw=800)
photo by KOMUnews
そして、ボクらは「白いユニフォームのチーム」に注目するあまり、
あんなにあからさまで、分かりやすいものに気づかないわけだ。
たぶん、最初の説明(白いユニフォームのチーム…)を聞いていなければ、
もしかしたら気づいたかもしれない。でも、ボクらに仕掛けられた前提
(思い込み・常識など)によって、いとも簡単にダマサれちゃうわけだ。
(サイコロジカル・ミスディレクション)
人の注意、記憶って、実はすごく曖昧で危ういもの。
そして、ここが重要なんだけど…それらは簡単に
「誘導&操作が可能だ」ってこと。
それって、お遊びや実験ぐらいだったら「おもしろーい」で済むんだけど、
ある意味すごく危険なことでもある。
セラピーやコーチング、また、それらのベースとなるNLPや催眠、
心理うんぬんを学ぶと、必ず言われるのは
「他人を無理やり操作することはできない。」
ってこと。
これって、潜在意識的に見れば、至極まっとうなことで、まさにその通りなんだ。
でも…残念ながら(?)それはタテマエで、この言葉の裏側にあるのは、
いいか悪いかは別にして「無理やり」じゃなければ、
操作できちゃうってことだ。
だって…実際キミもさっきの映像でそれを体験したから分かるよね?
世の中の「きれいごと」をそのまま文字通りに受けてると、今回観た実験のように、
見事に「信じるものは(足元を)すくわれる」ってわけだ。
だからといって、
「自分以外、誰も信じねーぜ。」
なんて、ひねくれたことを言っちゃダメだよ。だって、そんなやつこそ…
誰からも信頼されなくなっちゃうからね。
そもそも、心を扱うセラピーやカウンセリング…さらにそこで使われる
スキルやテクニックは、クライアントを導くためのもの。
そして、このミスディレクションも、セラピーやカウンセリングの
いろんな場面で使われてる。
つまり、使いようによっては相手をいとも簡単に
操作・誘導することができちゃうってのは事実なわけ。
でも、このブログを読んでくれているキミは、なんとなく気づいてたよね?
キミが相手を信じるからこそ、相手にも信じてもらえる…。
ボクは、女の子と仲良くなるためには、何度も言ってるとおり、
スキルやテクニックは大いに使えばいいと思う。
ただし、それは相手の女の子をそういうものでダマせって言ってるんじゃない。
大きな愛をもって相手を優しく包み、そして、何かに迷ってるんだったら
導いてあげる…そのためにスキルやテクニックを磨けってことだ。