こんばんは。黒影@恋愛戦略家です。
先日、定期的に開催されている、ある講座にオブザーバーとして参加した。
全12回のその講座も中盤に差し掛かかって、受講生のみんなも、ますます知識やスキルに磨きがかかってきているのが分かって、ボクもすごく勉強になっている。
その日は、なぜ、自分のステート(状態)をコントロールすることが、相手に影響を与えるのか…というものだった。
そして、普段、いかに無意識の意図しない動きをしているのかに気づくための一日。
講座のあいだ、何度かプレゼンをしながら、人前で話たり、何かを伝えるってことを練習するんだけど、最初は手足の動きを封じられて、微動だにせず数分間話をする。
これがまた…なかなか難しい。
そして、そうすることで、自分がいかに無意識に「動いていたか」に気づくことができる。
その無意識の動きは、相手の無意識(潜在意識)に作用して、話したいことや伝えたいことを、阻害していることもあるんだ。
その無意識の動きには、ボクらの内側を表しているわけで、自分にとっては無駄ではない。でも、相手に何かを伝えるときには、必要じゃないものもあるってこと。
だから、あえて動きを封じる…そういう練習を繰り返すことで、伝えたいことに不必要な無駄な動きをコントロールして、逆に、自分の意図した動きに意味を持たせることができるようになるんだ。
photo by akshay moon
もちろん、話す「内容」もすごく大事だ。そして、それを相手に伝えるには、表情や手の動き、声の調子や強弱など…非言語によるコミュニケーションもすごく大事なんだってこと。
ちなみに、よく、この言語と非言語の重要性には、「メラビアンの法則」が持ち出されるけど、あれは大きく歪められて流布されているので、鵜呑みにしないで注意したほうがいい。
⇒参考:世の中に知れ渡っているコミュニケーションの絶対法則「メラビアンの法則」のウソ。
もし、伝えることに一生懸命になりすぎて、けっきょくうまく伝わっていない…なんてことがあるんだったら、一度ぜひ自分の話している姿を鏡やビデオで見てみるといい。
自分では気づかなかったような行動が、気を散らしたり、他のことを思わせたりしてることに気づくかもしれない。
そして、もう一つ。
ステート(状態)というものについて。もう少し馴染みのある言葉で言えば「雰囲気」と呼ばれるものに近いかな。
人前に立つときは、肩幅に足を開き、腕は身体の横に力みすぎずに伸ばし、周辺視野を使って聴衆全体を見て、そして、ゆっくりと話す…。
…って、落ち着いた雰囲気に見せる方法を説明することはできるけど、雰囲気そのもの…ってものは、本やネットではなかなか学ぶことはできないかもしれない。
それは、自分自身の経験や体験によって、まさに肌で感じるものだからだ。でも、この目に見えないものが、お互いの関係に影響を与える。
以前、ラポールとは「潜在意識レベルでの同調」という話をしたけれど、この同調をするうえで、重要な役割をはたすんだ。
たとえば、今回の講座でも、ワーク(練習)をしているときに、本気で学びのステートに入ったとき、それは、自分だけでなく、相手の学びを加速させるのが分かる。逆にそうしなければ、自分と相手の学びの機会をも奪うことになりかねない。
ステート・コントロールのうまい人は、一瞬でその場の空気を掴む。
ところで、大人になると、学生のころと違いなかなか仲良く楽しく…勉強する機会は少ない。
だから、大人の学び場は、知識やスキルだけではなく、それこそ外の世界では味わえない、楽しさを求めてくる人も多い。また、それを提供することが「コミュニケーション能力」だと勘違いしている人も多い。
でも、それだけじゃダメなんだ。
NLPや催眠の第一人者であるスティーブン・ギリガンはリーダー(影響力のある人)に必要な資質として「強さ」「慈愛」「ユーモア」の三つを上げている。
もちろん、得手不得手はあるだろうけど、すべてをバランスよく発揮することができなければ、ただ怖い人、ただ優しい人、そして、ただ面白い人…になりかねない。
(ボクも昔は…勘違いしていた。)
もし「楽しい」だけの勉強だったら、それは今までの自分を越えてないってこと。以前「本気」について書いたけど、たとえ練習であっても、いや、練習だからこそ、自分流を一旦横に置いて、自分にとって足りていないものを意識しなきゃいけないんだ。
そして、それができないことを本気で落ち込むぐらい、悩んで、苦しんで、越えていかなきゃいけないときもあるんだ。そしてそれは、先日お話しした「直観」にも通じるもの。
馴れ合いでは得られない、場の空気が一瞬で変わるあの状態は、誰かが用意してくれるものじゃなくて、自分で作るものなんだ。
そして、圧倒的な影響力を持つ、真のリーダーや、セラピスト、カウンセラー、このブログであれば、モテ男を目指しているのであれば、身につけたキャリブレーション(観察)能力を駆使して、周りに目を配る。
講座の最中であれば、自分だけでなく、周りの人たちや、トレーナー、アシスタントの言動にもっと注意してみるといい。
そうすれば、相手が言葉意外の部分で伝えたいものや、相手のちょっとした変化から、本当の意図を汲み取ることができるはずだ。
今回の講座は、いままでのクラスのなかでも、すごく仲が良くていいクラスだ。そして、休み明けということもあり、前半はまるで中学生の夏休み明け初日の授業のような、和気あいあいとした雰囲気。それは、学びを継続していくうえでは、モチベーションにもつながるし、すごく大切なものだ。
でも、初級コースであればそれでもいいんだけど…中級コースとしては、それだけではもったいない。そのままでは、コース中に与えられる情報の域を抜けることはできない。
ボラーレ(講座のオープニング・ミュージック)がかかったとたん、すっと席に座り、自分のステートを学びのステートに切り替える。
そうすれば、前に立つトレーナーの言動の変化にいち早く気づき、講座の内容だけでなく、言葉では語られない、その行間にある本当に伝えたいことに、気づくことができるはずだ。
今回も、講座が進んで、後半にいくにつれて、スキルの向上だけじゃなくて、受講生それぞれのステートの変化をすごく感じた。
そして、彼らの学びをもっと実のあるものにするには、彼らだけでなく、ボクらもさらに自らの言動やステートのコントロールを徹底することが必要だ…と感じる一日だった。
だって…自らのステートが、相手のステートに影響を与えるんだから。
そういう意味では、まだまだボクも修行の身。いい勉強になった。