ご訪問ありがとうございます。
二代目女性経営者のためのスピリチュアルコーチ
坂本和美です。
引き続き
来年出版予定の
二代目女性経営者向けの本より
【ワーク】もありますのでやってみて下さい。
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第１章 受け継ぐ
前回の
１、従業員と経営者の違い はこちら
２、創業者と後継者の違い
（１）従業員との距離 はこちら
（２）失敗の活かし方
例えば経営上の成功や失敗した経験がその後の教訓として、規約や新たな習慣として活かされています。創業者はその苦楽を従業員と共に乗り越えてきています。常に比較される後継者の立場からの意見を引き続き井上郁恵さんのインタビューを通してみてみましょう。
―ところで井上組では何か失敗から得た教訓とかありますか？
そうですね。教訓というより習慣になっているのは、亡くなった社員の写真が飾ってあって毎朝と帰りに全員が挨拶しています。
―亡くなった社員ですか？
そうです。仕事中の転落事故で亡くなった社員です。以来、必ず高所では腰紐着用が必須になったと言われています。
事故があった日、父は疲れきって帰ってきて、いつもは飲まないお酒を飲みながら「すまない、すまない」と忍び泣いていました。あんな父の姿を見たのは初めてでした。翌朝、電話が入り病院に向かって行きました。
亡くなった社員のお母さんから
「あの子は中学で荒れて学校にも行かなくなって、あのままいっていたら単車で事故って死ぬか、どこかの組に入って死ぬか、私が殺していたと思います。こちらに拾ってもらったお陰で、仕事の話しや大型免許を取る夢を話すようになって、数年でしたけど夢のような時間でした、お世話になりました。ありがとうございます」
と言われたそうです。
―そんなお話があったのですね
はい、以降その社員の写真を飾るようになって、挨拶する習慣ができて、ヒヤリ・ハットが減ったと聞いています。業界内では異例の事故件数の少なさに繋がっていると思います。
―今も社員として活躍されているんですね。
そう言われると、そうなりますね。
―ところで、お父様の頃と今では何か仕事に違いはありますか？
はい、父の頃は開発中心の世の中だったので仕事は多かったのですが、一通り開発が終わると仕事が減ってきて仕事に対してこのまま行くをことに不安を感じて、新たな道を探すために私は夜学の建築科で勉強を始めました。その頃には父も勉強の大切さを感じ始めて、従業員が希望すれば定時制や通信制の高校へ通わせていました。私は大学でアメリカでのビルの爆破解体を知り、【これだ！】と思いました。うちは発破技士が多くいるので再開発の時代にぴったりだと思ったんです。アメリカに渡ってビルの爆破解体を学び日本に帰ってきました。しかし、日本の耐震構造で建てられたビルはアメリカのように行かなかったんです。築年度によって耐震構造も変わるのでその年度に合わせて計算法を変えなくては行けなくて、土地も狭くビルも密集しているから。アメリカのように一気に崩すことは難しくて。【これだ！】と思ったのに何にも使えないものを学んできてしまって、申し訳なかったです。
ただ、私がアメリカに渡った事で従業員の私を見る目が変わりましたね。
―アメリカに渡られて一番困ったことは何ですか？
単位が違うことです。私はメートルと尺は入っていましたが、フィートやインチは見当がつかなくて、時間がかかりましたね。言葉は辞書を片手に何とかなりましたが、単位が感覚として身につくのに時間がかかりました。
―ところでアメリカに行ったのはお一人ですか？
はい、私一人です。
―女性一人で怖くはなかったですか？
アメリカに行く怖さよりも会社の生き残りを背負っていましたから。
―何かあっても投げ飛ばせる自信があったんですね
あっ？ それは全然考えていませんでした。
とにかく吸収したかったので解らないことを手当たりしだいに聞いていましたね。食事に誘ってもビル解体についての質問攻めなので、郁恵は男に興味がないとみんなに思われていました。
―そうなんですか？
そうなんですよ、ひどいですよね。
アメリカに行っている時にクリスマスパーティがあって、私もドレスアップして行ったんです。その時はやたらと男性がきましたね。同僚の一人と話していたらいきなりキスをしようとしたからびっくりして投げちゃったんですよ。
そしたら
「郁恵はやっぱり女性が好きなの？」
って言われたんです。
意味解んないでしょ。彼としては話しながらヤドリギの下にこれたからキスをしようとしたら投げ飛ばされたと言っていました。でも、私は「ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い」なんて知らなかったんですよ。
―習慣の違いって大きいですね。その時、男に興味がないって言われていたのを知ったのですか？
そうなんです。それがきっかけで彼とは距離が縮まって。いろいろ話すようになったんです。アメリカに来た理由や日本に合わない悩みなど、そしたら彼が
「日本は小さいんだから大きな爆発でなく小さな爆破でいいんじゃない？」
って言ってくれたんです。それで発破と組み合わせて解体する事を考えるようになったんです。それにその方がゴミが資材として再利用できるんです。
―彼と出会えてよかったですね。
本当にありがたい存在です。
【ワーク】考えてみましょう。
１、失敗は何かを気づかせてくれます。あなたが失敗したと思うことを３つ思い出してください。
２、３つの失敗それぞれから学んだことは何ですか？ または、気づいたことは何ですか？ あるいは得たものは何ですか？
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