本当は誰も知らない、コピーライター。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

本当は誰も知らない、コピーライター。

ハーレーダビッドソン(バイクのメーカー)
によれば、ハーレー社が売っているのは、
モータサイクルではなく、反逆のスタイルという
経験
であるということを以前に紹介した。
 
お客さんへ提供しているはライフスタイル

というわけだ。それがハーレー社の一番の
価値ということである。

 
どんなビジネスにも通じること
だけれど、お客さんが商品を
求めるのは、
それを使うことで
得られる喜びや感動、快適な
体験
なんだね。
 
…なんて偉そうに言っている
コピーライターのわたくしの
価値とは一体何だろうか?
 
そんなことを考えさせてくれる、
きっかけとなった衝撃の発言がこれじゃ。
 
 
★今回のビックリマークコピー発言。
 
 
コピーライターって
いったい何をするんですか。

 
 
4年くらい前だから、そんなに昔ではない。
ある大手企業グループの子会社の
重役が僕に放った一言。

 
人の紹介で会うことになったのだが、
名刺交換などをして、それでどんなお仕事を?
と尋ねられたので、実績をまとめたもの
などを見せながら説明していたのだが、
ひと息ついた時、重役の方は「あの~すみません」
と切り出すと、すまなそうな表情で上の発言をしたのだ。えっ
 
がーん、がーん、がーん。!!って感じだったな。
その瞬間は。僕は思わず「あっちょんぶりけ(byピノコ)」
と叫んでしまった。もちろん心の中でですよ。
いろいろ訊くと、その会社は広告を積極的にしている
わけでもなく、また販促も戦略的にやってい
るわけではないとのこと。頼りにしてるのは、
営業マンのがんばり。だから、コピーライターと

仕事をしたことがなかったのだ。
 
そんな状況もあったのだけれど、
僕が、コピーライターの仕事というものを
大体は知っているだろうという前提で
説明していたところに問題があったのだ。
 
発言を深読みすれば、その方にとっては、
コピーライターの仕事内容が
分からんというよりも、コピーライターと
仕事をすることで、自社にどのようなメリットが
あるのか、それが分からなかった
のだと思う。
 
平たく言えば、コピーライターの価値が
分からん
ということである。
さすがに初めは驚いたけれど「やっぱりそうか」
と思ったのも事実。
コピーライターという職業名は知っていても、
その価値までは理解されていないことは、
以前から薄々感じていたのだ。
 
もともと裏方仕事だし、
広告会社など業界内でつきあう分は、
そんなことを思うこともなかったのだが、
直接、業界以外のお客さんとつきあう機会が
増えてくるにつれて、コピーライターの
価値なんてほとんど知られていない

ことが当たり前であることがよく分かった。
 
このことがあってから、どのような
表現で伝えれば、僕というコピーライターの
価値がわかってもらえるのか
いろいろと考えるようになった。
 
たとえば名刺。それまではコピーライターという
肩書きにしていたのだが、いろいろと
表現を変えて何度かテストをしてみた。
 
その結果、コピーという言葉はもちろん、
クリエイティブ等という業界用語はピンと
こないことが分かった。マーケティング

という言葉もしかり。
宣伝部のような部署なら、少しは分かるだろうが、
経営者も含めて、それ以外の部署では
クリエイティブなんて言葉で息巻いても
いまいちな反応なのだ。ブタネコ

 
当時、野菜のソムリエという職業が
よく取り上げられていたので、「効く言葉の
ソムリエ」というのを考えたら三振。爆弾
「どういう意味です?」と会話は発生するんだけどね。
最後は開き直ってコピーライターで悪いかキィ!
となって、○○なコピーライターとか、
ウケ狙いな表現に走っておおむね討ち死にしていた。
 
今の名刺には、コピーライターという
名称は一応は載せてある。でも小さく。
職種がないと、相手も戸惑ってしまうだろう。
その代わりに名前のそばに目立つように
「“もっと売れる”コトバと、
アイデアを考える者です。」
と記した。
この表現が一番分かりやすい、
面白いという評価が多かったからだ。

 
よく見れば、業界内では
「ま、そういうことだよね」
という反応なんだけれど、業界以外の
お客さんにはやはりウケが良かった。グッド!

 
これでコピーライターの価値のすべてを
語っているわけではないので、
ベストな表現とは言えないかもしれないが、
お客さんから見れば、
ずいぶん分かりやすいのではと思う。
 
「売れる」と表現すると、売るためだけに
広告があるのではないと思う方もいるだろう。

ただ公共広告など売ることが目的でない

タイプを除いては、企業広告のような

すぐに売る広告ではないものも、

結局はその会社なり商品なり
を憶えてもらう、好きになってもらうことに
なり、結果としてその会社の商品を
買ってもらうことにつながる
と考えている。
だから「もっと売れる」と表現したのだ。
 
こうしたことは、普段はあまり考える

ことがないと思うが、
一度自分の仕事の価値とは、
いったい何だろうと考えるのは
面白いと思う。業務の内容ではなく、

お客さんに対して、あるいは組織の中で
どんな価値を提供しているのか
ということ。
 
いろいろな気づきがあるかもしれないし、
何かでブレそうになった時、つかまる
柱になる
かもしれない。
まだ、学生の方はそんな視点から、
仕事を選ぶと新しい道の選択が
増えるかもしれない。どうだろうか。ひらめき電球
 
 
それはそうと今年1年、
僕のブログを読んでくださったり、
コメントを残してくださったりと
忙しい中わざわざ訪問していただき、
どうもありがとうございました。
とても感謝しています。
 
あなたが、ケガや病気に
見舞われることなく、
楽しい年末年始を送れることを
祈っています。
 
来年もひとつよろしくお願いします。かおペンギン