人は、いつも物語を探している。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

人は、いつも物語を探している。

誰が名づけたのか分からぬが、

流行ってほしくない言葉、小泉チルドレン

すでに会社や学校で使われたりして。
そのうち、コイチルなんて呼ばれるといやだな。
ところで、首相のご子息、小泉孝太郎氏
やっぱり小泉チルドレン?
 
関連する話で、トリビアな内容だが、
イングランドのサッカーチーム<マンチェスター
ユナイテッド>の1998-1999年の三冠達成時
(つまり絶頂期)の中心メンバーは、
ファーガソンという監督が育てたということも
あって「ファーギーズフレッジリングス
(ファーガソンのヒナ鳥たち)」
と呼ばれ、
あのディビッド・ベッカムもその中の一人であった。
「ファーギーズベイブ」という言い方もするようだが、
小泉フレッジリングス、小泉ベイブ(子豚みたい)…
んー似合わない。
 
さて、今年の夏から来年にかけて東京は、
ホテルのオープンが続く。それも外資系の
高級ホテルばかり。迎え撃つ既存のホテルは大変。
あの逮捕されたラストリゾートエンペラーが
最後に賭けたホテルはというと…
 
 
★今回の!なコピー。
 
 
おいしいものを食べていると、
それだけで忙しい彼のことを許せそうです。

 
 
東京プリンスホテルパークタワーの広告より。
同ホテルのキャッチフレーズは、
 
おとなの五感を満たすホテルでありたい。
 
ということで、めざしているのは、大人にふさわしいホテル。
この広告は、サイト上で
「おとなのストーリー」
題されたシリーズのグラフィック広告。
大人のホテルというイメージを、
浸透させるためのブランド広告
だ。
 
ボディコピーは、女性のモノローグになっている。
内容はというと、忙しくて全然会ってくれない彼に
頭にきた彼女が、東京プリンスホテルのレストランで
やけ食いをしているのだが、あまりの料理の美味しさに
感動して、つい彼のことも許す気になったという
やっぱり色気より食い気だねという大人らしからぬ話。
 
ではなくて、
 
それぞれ多忙な夫婦が
ようやく時間を作って、一緒にこのホテルの
レストランでランチをする。
その時に感じた喜びを妻がつづっている

そんなちょっとイイ話。(コチラ で見れます)

 
こうしたストーリー仕立ての広告を
見るとつい読んでしまわないだろうか。
僕は読んでしまう。
なぜかというと、そこに物語があるから。
どんな物語があるのか興味があるのだ。
 
人は、物語が好きなのだと思う。

そしていつも物語を探しているのだ。
人はそれぞれの人生において、経験や
体験という物語をたくさん持っているし、
それは自分以外の人から見れば、
とても興味深い物語だったりする。
 
私たちは、そんな物語に感動したり、
面白がったり、また眉をひそめたりもする。
時には、他人の話に自分を投影して
共感したり、感動を共有することもある。
いつの時代でも、物語は人々を引きつけて
やまないのだ

 
それはモノやコトでも同じだ。
それらが
商品として世に出るまでには
すでに物語を内在しているし、
世に出てからも新しい物語を作っていく

そして、そうしたモノやコトは、いつも物語りと

一緒に記憶されていくのだ。

よく思い出の品と言うが、同時にそれは

その品物をめぐる物語でもあると思う。
 
広告という商品の魅力を伝えるものを
考え作っていくプロセスで、
僕は、どんな物語で商品を語って
いけるかを考えて、コピーを考える
ことが
ある。(最近はそんな案件は少ないけど)
そのためには、その商品を
作った側からの声、使う側の声など
関連する情報をインプットしないと
いけないのだが、インプットしながら
テーマが見え出すと、そこから自然と
物語が発生することがよくあった。
 
発生した物語をそのままコピーに
すれば、先の東京プリンスのような広告に
なるし、物語のある部分を切り取って、
キャッチコピーなど短いセンテンスで
表現することもある。

 

短いにしろ長いにしろ、物語から生まれた

コピーは、インサイトをするどくつき、

受けての記憶に商品をめぐる物語として、

記憶されるのだと思っている。
 
広告やコピーの発想法、作るコツというには
漠然としているかもしれないが、

商品を主人公にした物語をつくっていく

ことは、コピーライターならではの仕事である。

それを考えると、コピーライターは

ストーリーテラーであるべきだと思う。

 

そんなこと、あまり聞いたことがないが、
コピーライター出身の作家が多い

という事実とまんざら無関係ではないはずだと

ひそかに思っている。

そんな人たちは、広告よりも物語を

つくることに魅了され、作家となったの

ではないか。
 
ところで、グラフィック広告よりも
CMの方がストーリー仕立てのものが多い。

これはドラマのように物語の中で、商品を語った方が、

記憶に残りやすいからだと聞いたことがある。

 

裏づけするデータがないので、本当かどうかは

分からないが、少なくともドラマのようなCMだと、

興味は持ちやすいし、広告ということを意識しないで

商品を知覚してしまう。

 
人は、いつも物語を探している。

そんな習性をうまく利用しているのだ。